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目いっぱいの戦いでイラクに勝利

2016/10/11(火)

アジア最終予選(Road to Russia)
2016年10月06日 埼玉スタジアム2002
日本 2-1(1-0)イラク

タイムアップ直前の山口蛍のペナルティエリアいっぱいからのシュートが、ゴール前の密集地帯を通り抜けてゴールに飛び込み、2-1。日本代表はワールドカップアジア予選の対イラク戦を制して一歩前進、11日には強敵オーストラリアとアウェーで戦う。

前半26分に右サイドから清武が本田からの縦パスを受けて、ゴールラインまで進み、右ポスト近くの原口にパス。原口がヒールキックしたボールは背後にいたGKハミードの足間を通ってゴールへ転がり込んだ。相手ボールを自陣で奪ったこのカウンターは、奪った清武のドリブルと、本田のパス。その本田がゆっくりキープする間に、清武が後方から右サイドを駆け抜けて本田からのパスを受けるというスケールの大きいパス・アンド・ゴーから、左から右ポスト際まで走り込んだ原口にパス。原口はこのボールを自分の股下で右足ヒール(かかと)に当てると、ボールは原口に密着するように構えていたGKの足間を抜けた。

このパスとドリブルを組み合わせた日本の1点目はそれぞれの選手の技術の高さと清武の長い疾走で生まれたビューティフルゴールとして歴史に記録されるだろう。

後半に入り、15分にFKからのアブドゥルアミールのヘディングでイラクに同点にされると、勝たなければならない日本は、当然攻めに出る。イラクは引いて厚く守りながら、時おり攻め上がりを見せる。

この日の日本のラインアップは、トップが岡崎、第2列に右から本田、清武、原口、ボランチが長谷部、柏木、サイドバックは右が酒井宏、左が酒井高。守りの要のCDFは吉田と森重、GKは西川だった。

前半はじめは、少しパスミスなどもあったが、時間経過とともに選手たちの調子が高まり、粘り強くボールを奪い合い、また運動量も多かった。もちろん相手のイラクは個々のボールをめぐる戦いに強く、相手をイラつかせる心理プレーもなかなかのものだが、日本側の勝とうとする意欲は、そうしたイラクを相手に衰えることはなかった。

日本は後半に山口(22分、柏木と交代)、30分に浅野(岡崎と交代)、36分に大黒柱の本田に代えて小林を送り込んだ。45分ごろからロングボールの攻撃が始まった。自陣からのFKでヘディングの強い吉田が相手ゴール前へ進出した。DFからのロングボールをエリア内で吉田がヘディングで落とし、浅野が飛び込んで場内を沸かした。46分に2本のロングボールがエリア内に落ちた。48分には山口から左へ長いパスが出て、吉田が左コーナー近くでこのボールを取り、イラク側のファウルでFKになった。

このFKがイラクの命とり、日本の貴重なゴールを生むことになる。左コーナーの内側2メートルにセットされたボールを蹴ったのは清武。9.15メートル離れた2人のイラク選手の横を通り、速い球でゴール前へ。GKの前3メートルあたりで両チームの選手がヘディングで競り合い、高く上がったボールがゴール正面、ペナルティエリアのラインのすぐ内側に落ちると、そこに山口がいた。しっかりした助走と的確な踏み蹴りで、山口の右足はボールが地面に届く前にボールをたたき、シュートはゴール左に吸い込まれた。

スローのリピートは背番号16が右足でボールを正確にたたくところを映し、ゴール裏からのカメラはそのシュートがジャンプした19番の下を通ってゴールネットに飛び込んでくるのを捉えていた。2-1となった後の2分ばかりの間に、イラクが攻撃に出たことに、彼らの意地を見たが、日本代表はそうしたイラクの粘りを突き放した。

試合後の選手の談話には、ホッとしたという言葉が多かった。山口には自分の誕生日のゴールだったが、「あのシュートはふかしてしまうことが多いが、うまく蹴れてよかった」と、控え目だった。

日本代表が持ち味のパス攻撃でなく、終盤にロングボールの力攻めを演じたことは、相手を疲れさせ、自らの士気を高める効果はあっただろうが、ゴールを生んだのは、左サイドからのFK、つまりサイドからのクロスボールということになるのが、サッカーの面白さだろう。テレビで見たAFC U-16選手権のイラクとの試合で、相手が闘志をむき出しにして戦いを挑んできたとき、日本にはその感じが見えなかったことがあった。(2-4で敗れた)フル代表は自らが「目いっぱいに」戦うという姿勢を見せ、それが持てる技術を発揮することになったのだろうと感じている。これもまた、この競技の面白さだろう。

90歳をこえて、こういう試合を見られるのは、誠にありがたいこと。監督さんや選手の皆さんに感謝したい。

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