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リオオリンピック予選で3連勝 もっともやり難い相手を突破してベスト4へ進もう

2016/01/21(木)

――カタールでのAFC U-23選手権 カタール 2016(リオデジャネイロオリンピック・アジア最終予選)でU-23日本代表は1次リーグを3連勝。B組1位で22日の準々決勝でイランと対戦します

賀川:Bグループリーグの初戦で北朝鮮に1-0で勝って、チーム全体が自信を持ち、盛り上がったという感じでしたね。第2戦の相手のタイは北朝鮮に比べると、日本には戦いやすい相手でした。ここで攻撃展開や得点へのプレーを体感し、最終戦の強敵サウジアラビアにも2-1で勝ちました。

――メンバーがそれぞれの試合で大きく変わっていたのにも驚きました

賀川:監督さんのうまさというのか、選手の気持ちをまとめるうまさに感服しました。1ヵ月近い長い期間でのアジア選手権であり、リオの予選なのですが、多くの選手をピッチでプレーさせることで、チーム内に競争と当時に全選手の試合への意欲が湧くはずです。このことが勝利へ一丸となる気風を増しているのだと思います。若くて伸び盛りのプレーヤーが監督さんの巧みな選手起用で力を伸ばしているように見えます。

――北朝鮮戦ではどこに目を付けました?

賀川:この世代の選手たちは北朝鮮の代表には各世代の試合で勝っていません。しかし、日本は層が厚く、また個人的にはボールテクニックの基礎の力が高いので、私は年齢をかさね体力、体格で負けなければ勝てるようになるのではないかと見ています。

――右コーナーのキックからの先制ゴールの1点が唯一のゴールとなりました

賀川:プレースキックを正確に目標へ蹴ることができる技術と、そのファーサイドへ落下してきたボールに植田がいて、正確にシュートしたことで先制ゴールが生まれました。試合の早いうちで、相手側はこのCKでもニアを警戒しましたね。

――守備に追われる時間もかなりありました

賀川:北朝鮮にもチャンスはあったけれど、シュートが不正確でした。このあたりは私が旧制中学生のころの1930年から対戦してきた朝鮮半島の多くのチームとよく似ていますね。力強いシュートはできるけれど、コントロールがあやしいのです。

――タイとの試合はFWは鈴木武蔵と久保のペアだったのを、この試合は広島の浅野と鈴木を組ませました

賀川:先制ゴールは鈴木が後方からのパスのバウンドを頭で処理して相手CDFと並走しつつ右足のシュートを決めました。鈴木という大柄で体格の強いFWのいいプレーでした。いいCFがいるチームでは常識的なゴールの一つですが、ここしばらくの日本代表ではあまり見ることのできないシーンでした。久しぶりににんまりしたのを覚えています。

――トップの選手はポストプレーはよく見るが、後方からのボールを相手DFと競り合いながら決める場面は、そういえば少なかったですね

賀川:2点目は右サイドから深く切れ込んできて後方にパスをし、そこから一旦クリアされたのを左で拾って一気に縦にドリブルしてゴールライン近くからクロスを上げ、矢島がヘッドで決めました。若いのに攻めるコツ、点を取る形を作るコツを知っているなと嬉しかった。

――フル代表がアジア勢相手にボールキープの時間帯は長くてもゴールが少ないと言われてきた。このチームは短いパスでつなぐというより、どんどん前方へボールを送って走っているという感じが強いですね

賀川:チャンスと見れば縦に突っかけることは大事ですよ。もちろん、サイドへ散らして相手側の視線を外に向けさせることも必要ですが、このチームはドリブル突破できるプレーヤーもいて、ボールを回すことより、点を取る有効なパスは何かを掴もうとしていて、とても見ていて楽しいですね。

――サウジ戦も楽ではなかったが、ペナルティエリア外からの2本のシュートが利きました

賀川:サウジは相手に攻められるとペナルティエリア内に多数が後退して守る。すると、その前のスペースが空いてくる。1点目はその広いスペース、ペナルティエリアから10メートルあたりの中央右寄りで、南野がドリブルし、後方の大島へバックパスした。大島のボールを奪いに来たのは相手の一人だけだったから、大島は右足アウトサイドで相手のタックルを右へはずし、しっかりと狙ってシュートの構えに入り、右足で叩いた。ボールは素晴らしいシュートでゴール右寄りに突き刺さった。

――まるで、ヨーロッパの試合のようでした

賀川:日本の選手でもしっかり叩けば強いシュートができるという見本でした。

――後半も南野のドリブルから

賀川:相手守備ラインの外側を右から中へドリブルした左足でシュート体勢に入ろうとしたが、シュートしないで中央同じ位置にいた井手口に横パスを送った。井手口はこれをダイレクトシュートした。ノーマークだったから、余裕を持ったシュートはゴールキーパーの守備範囲だったが、球の強さがものをいって2点目となった。

――不運なPKで1点を奪われた。これ以外のピンチもありました

賀川:シュート力不足が日本の課題と言っていたのに、このアジア予選のU-23はシュートが良かったから勝ったと言えるでしょう。もちろん入らなかったシュートへの反省は必要だし、まだまだ中盤でのボールの奪われ方の良くないところもありますが、全員がよく走ること、相手との1対1で負けないぞという気迫のある点が頼もしい。

――ちょっとファウルが多いのでは

賀川:これはJリーグでもそうだが、1対1の奪い合いで相手の肩を掴むプレーが多い。相手の動きに一瞬遅れた時にも腕で止める。共同動作で守るとともに守るとともに日頃の試合で正しいプレーを身につけることも大切でしょう。

――準々決勝の相手はイランです

イランは日本選手にとって体格や体の粘っこさなどでやり難い相手です。これまでも痛い目にあっています。ひるむことなく、激しい動きとクレバーなサッカーで倒してベスト4へ進んでほしいものです。

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