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(続)FIFAクラブワールドカップでサッカーの粋(すい)を見た

2015/12/29(火)

賀川:バルサの決勝での先制ゴールはテレビでも何度も流されていたでしょうが、まずボールを受けてシュートしたメッシのプレーが驚きでした。もっともその直前のパスの経路やチーム全体の動きをテレビのリピートで見直すとバルサ側の攻めのうまさを感じることになります。

30分をすぎてFKがあり、メッシが右ポストへ低く落ちる球を蹴った。バルサ側がボールをつないでの展開からドリブルで崩そうとする場面も増えてきた。34分にバルサは後方でのボールキープからピケ~ブスケツ~マスケラーノと左へ振り、そこから左タッチ際のアルバに。アルバが持ち上がり、戻ってきたネイマールへ。そのネイマールのリターンパスがアルバとリバープレート側の奪い合いとなり、そのボールを1)ネイマールが内側へドリブルし、2)奪いに来る相手の足の間を通してメッシに渡す3)中央左よりペナルティエリア15メートル手前で受けたメッシが右ななめ前へドリブルした。4)リバープレートの4人が防ぎに来るとメッシは右外へパス。5)そこにダニエウ・アウベスがいた。6)ペナルティエリア右角から少し内に入ったあたりでアウベスはダイレクトで高いクロスを蹴った。7)ボールはゴールエリア左角の2メートルほど前に落下し、ネイマールがジャンプヘディングで折り返した。8)ゴールはメッシの前に落下。すぐ前にマーク相手がいた。9)メッシは落下するボールを左足でタッチするそぶりを見せただけで、地面に落ちたボールを胸のあたりで止め、10)左足サイドのボレーシュートをした。11)しっかりとアウトサイドで叩かれたゴールはGKバロベロが伸ばした手の外を通り、ネットへ飛び込んだ。12)別の角度からのスローを見ると、バウンドしたボールが上がってくるのを右の太ももや体に触れさせ、胸で前へ落としたように見えたが、そのボールが地面にもう一度落ちる前、左足アウトのボレーで蹴っている。DFのマイダナの手で肩を押さえられながらバランスを保ってシュートしているのも、まさにメッシのプレーだろう。トラップの時、右腕の付け根を使っていてハンドだという説もあるが、ハンドと言えるかどうかは?

――ゴールへ至る過程を詳しく見ましたが

賀川:少し長く書いたから、サッカーのゴールの「一瞬」という感じから少し遠い言い方になりますが、こう見てくるとネイマール、メッシのドリブルがあって、その後右外へのパスからダイレクトパスが続いて、メッシのシュートとなる。そういうテンポの変化も、このバルサに限らず、いいチームの攻撃にはよくあることを知っておきたいからでもあります。もちろんメッシのプレーはメッシ独特のもので、彼はビッグゲームでの彼のゴール集に、また新しいページを加えました。

――左足故障があり、その前にも体調不良の時期があったのですが、それらを克服して、この決勝のピッチに立ったということですが、出場すれば、こういうプレーをするのがすごいですね

賀川:この先制ゴールで相手が同点ゴールを狙ってくることになり、そのカウンターを狙うこともできるので、一気に有利になりましたね。

――後半4分はまさに絵に描いた通りのカウンターでスアレスが2点目を決めました

賀川:相手が右サイドから攻めに来て、パスが少しずれた時に、ブスケツがつぶして、そのこぼれ球をイニエスタが拾って、前方へ出ていたブスケツに渡し、ブスケツが右サイドを相手のDFラインの裏へ出ようとするスアレスに長いパスを送った。

一般論でゆくと、相手のDF裏へのボールは大チャンスのようで、実際はそう簡単にはゴールにならないこともあるけれど、スアレスはやはり専門家という感じで決めました。シュートのボールはGKのバロベロの股間を抜けたのだから、際どいシュートとも言えるが、やはりシューターの自信がゴールを呼び込むというところでしょう。

――3点目が後半24分に入ります。

賀川:これはバルサがスルーパスで攻めてからの二次攻撃でした。メッシの縦へのドリブルから相手のクリアを拾ったネイマールがペナルティエリア左角からエリア中央へふわりとクロスを上げ、それをゴール正面、ゴールエリアのライン近くでスアレスがジャンプヘディングして、ゴールの左サイドネットへ決めました。

――試合の後で、リバープレートの監督さんが、はじめ30分はうまくいっていたのに、メッシのゴールで計画が狂った、という話をしていましたが、大一番はバルサの強さ、巧みさを見る試合になりました

賀川:バルサというクラブの選手育成法など、学ぶべき点は多いのですが、ともかくサッカーの面白さを楽しんだ一日でした。

もちろん、彼らの技術を発揮するための動きの量や、ボールを奪われた後、すぐに奪い返しにゆくところ、攻と守、守と攻の切り替えの早さなどはすばらしいものです。

――いいサッカーを見た、これに追いつきたいと多くの人は考えたでしょう。

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