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灼熱の東南アジアでシンガポール、カンボジアに連勝 ワールドカップアジア予選E組のトップを守る

2015/11/18(水)

◇11月12日(シンガポール) 日本3(2-0、1-0)0シンガポール
◇11月17日(プノンペン) 日本2(0-0、2-0)0カンボジア

――シンガポールに3-0(11月12日)の1週間後に、やはりアウェーでカンボジアと対戦し2-0で勝ちました。東南アジアでのアウェーの2試合を終わって日本はワールドカップロシア大会アジア2次予選E組で6戦5勝1分 勝点16でこのグループのトップに立ちました。来年3月の対アフガニスタン(24日)、シリア(29日、いずれも埼玉)の2試合を残していますが、首位キープで2016年へ向かいます

賀川:現地からの報道ではよく分からないが、カンボジアの首都プノンペンの暑さはシンガポール以上と考えられるでしょう。アジア予選は長距離の移動の上に気候のハンデがついて回る。そのなかでの試合だから選手にはまずご苦労さま、そして勝利おめでとうと申し上げましょう。

――ハリルホジッチ監督はシンガポール戦からまたメンバーを変更しました

賀川:2次予選でメンバーのテストをしていきたいという狙いなのでしょう。シンガポール戦は武藤と金崎という体が強く、大柄な選手を攻撃に起用したこと、ボールをサイドからサイドへ、それもペナルティエリアという相手の危険地帯でボールを動かしたのが効果的でした。

――1点目は本田の右エリアいっぱいからのクロスをファーポスト側で武藤がヘディングで折り返し、それを金崎が決めた。2点目は清武が右サイドのゴールライン近くからクロスパスを入れ、武藤が止めたのを本田が左足シュートで決めた

賀川:入ってくるクロスを直接シュートするのでなく、もう一度、折り返したり、バックパスしたりして、フリーシュートのチャンスを作っていたでしょう。

――相手との相性のいい攻撃陣の組み合わせだったでしょうか

賀川:ハリルホジッチ監督にすれば自分の選手起用ににんまりしたでしょう。

――1週間後のカンボジア戦の前半はそうはいきませんでした

賀川:サイドのDFの左に藤春を置き、右に長友を持ってきた。攻撃陣は右に原口、左に宇佐美、ワントップに岡崎、トップ下に香川、ボランチに山口と遠藤を配した。CDFは吉田と槙野だった。

――遠藤は湘南の選手です

賀川:開始しばらくは動きがスピーディーでボールを動かしていたが、せっかく前の試合でシュートチャンスの時にひと工夫あったのに、またまた一点で合わせるだけの攻めに戻っていた。そうなると相手はエリア内に7人ぐらいが待ち構えているので、フリーシュートにならない。シュートしてもDFの体に当たるという場面が多かった。

――香川がエリアいっぱいで2人かわしてシュートしたのがポスト左へ外れた

賀川:余裕を持って相手をかわすようにシュートへ持って行くのはよいが、ゴールの位置、自分の位置いずれもが自分の体の感覚に入っていない。香川のシュートの前にも原口がゴール前でこぼれ球を左でシュートしたのがあったが、この場面でも並進の形で蹴っているから、ボールはゴール中央に向かって飛び、DFの体に当たってはね返されている。ゴール正面でこういうボールを蹴るのに左のコーナーを狙うといった着意があってもよいだろう。

――それは

賀川:いつも話している通り、ゴール前でのシュート練習の回数あるいは本数が足りないのでしょう。それがもっと若い年齢の時のことか、今のことかは別として…

――それでも後半早々に右からのクロスに香川が走り込もうとするのを相手も妨害してPKとなった。ここで、1点と誰もが思いました。

賀川:PKはこれまで本田が蹴っていた。プレースキックの名手ですからね。その本田がいないから誰かと思ったら岡崎だった。

――ストライカーだから当然といえば当然ですね

賀川:私は前日に岡崎がPK練習したのかどうか、また前半に本田を出さないと決めた時、PKは岡崎が蹴ると監督が指示したのかどうかも知りたいところですね。昔から、ドリブルのシュートでバンバン点を取ったストライカーでも不思議にPKは苦手という選手もいたからね。

――それで岡崎がボールを置いたときに賀川さんは首をかしげたのですね

賀川:岡崎には、相手ゴールキーパーに対する駆け引きもなく、目線でのフェイクも感じなかった。

――なんだかあっさりと右足でシュートしました

賀川:ゴールキーパーの届く範囲へ右足インサイドで右方向へ蹴ってしまった

――失敗した岡崎には心に残るでしょうが

賀川:やはりノーマークシュート、それも1対1のプレースキックの不成功だから本人も周囲もあとあと原因を考え、上達をはかるべきでしょう。

――賀川さんは滝川二高出身の岡崎のファンですが…

賀川:失敗は誰にでもあります。次にどう生かすかですよ。

――本田圭佑が後半17分に宇佐美と交代で入りました。後半早々にすでに柏木が遠藤にかわって起用されていました

賀川:本田が入る前にFKからゴールが生まれた。誰か突っかければいいなと見ていた時に原口がドリブルした。倒されて、FKを柏木が左足で蹴り、高いボールを岡崎がジャンプヘディングした。ボールは岡崎ではなく相手DFの頭に当たって見事なシュートという感じでゴールとなった。

――そのあと何度も攻め込み、チャンスはありました

賀川:その努力は後半45分の2点目になった。藤春が左サイドを走りゴールラインいっぱいを少し入って、ふわりとクロスをあげ、本田がヘディングで決めた。宇佐美が出ていた時から左サイドから深くえぐるような攻めは出せなかったが、最後の藤春が見せてくれた。

――本当はもっと得点が見たかったが、その終了直前のゴールで少し気が楽になりました

賀川:ヨーロッパや日本の秋とは違う、暑い東南アジアで選手たちは頑張りました。

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