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久米さんとのラジオ

2015/06/22(月)

――久米宏さんとのラジオ番組に出演したのですね。対談が面白かったという声が届いています

賀川:前からの約束で6月20日に東京のTBSのラジオスタジオへ出かけて話しました。久米さんと言えばテレビでもラジオでも先進的な人で、サッカーもお好きだと聞いていたので…

――この日は神戸でヴィッセル神戸対浦和レッズの試合があり、浦和の優勝が決まることも予想されたのに、あえて東上したのも、そういうことでしたか

賀川:ヴィッセルの戦いぶりは別にしても、レッズの皆さんには、おめでとうと言いたかった。特にキャプテンの阿部勇樹選手には、長いサッカー人生での勲章の一つですから、ぜひお祝いを言いたかった。

――彼はジェフ市原(千葉)から浦和へ来ましたね

賀川:ジェフのオシム監督が、若い彼をキャプテンに指名したということもあって、そのころインタビューした。それ以来ずっと気になっていたプレーヤーの一人でした。

――賀川さんの阿部勇樹論を聞きたいものですが、ここでは久米さんのラジオに話を戻しましょう。

賀川:まぁ、直接声はかけられなくて悪かったけど、このブログ上でとりあえずおめでとうと阿部選手に申し上げておきましょう。岡田武史の代表チームの作戦変更でワールドカップ南アフリカ大会の1次リーグ突破、16強入りも立派な実績だが、今度の浦和の無敗優勝もすばらしいことでした。

――久米さんは74年ワールドカップのオランダ-ウルグアイ戦の話と先の日本-シンガポール戦をダブらせて話されたとか?

賀川:そう、74年のワールドカップでヨハン・クライフとその仲間のオランダチームを初めて見た時のことを、ワールドカップの旅に書き、それを昨年8月末に出版した。「90歳の昔話ではない 古今東西サッカークロニクル」という私の著書に収録してあるのです。「1人退場になったウルグアイが守りを固め、ゴールキーパーのマズルケビッチの好守もあって、オランダは攻めながらなかなかゴールを奪えなかった。その状態を打開するためにオランダはシュートのタイミングを遅らせ始めた。マズルケビッチの緊張持続の時間が長くなり(それまでシュートを待って止めていたのに)レンセンブリンクのボールに飛び出し、ボールが中央のレップに渡って、レップがゴールに蹴りこんだ」という話なのです。

――シュートのタイミングをずらせてマズルケビッチの好守を破った74年のオランダの話と、シンガポール戦のゴールキーパーの好守をダブらせたわけ

賀川:そのオランダの話をアシスタントの女性に語る久米さんを見て、本当にサッカーが好きなんだな、サッカーを語ることが好きなんだなと思いました。もちろん著者としてはまさに記者冥利に尽きるとはこのことですが…

――賀川さんの話も、これまでの放送よりテンポが速くていいという人もいました

賀川:テレビやラジオに慣れたこともあるでしょうし、生放送で30分と決まっていたこともあったのでしょう。こんなに色々語って時間通り行くのか、とこちらも心配しましたが、楽しい語り合いは、キチンと時間内に終わりました。もちろん、これ以外にいくらでも語りたいこともありましたが。こちらにもっとしゃべりたくなるように仕向けるところが、さすがに久米さん。テレビやラジオが手の内に入っているのだなぁと思いました。自分がプレーヤーだったときには、試合の最中に、今日は良い試合だぞと楽しく思いながらプレーできたこともありましたが、まさにそういう30分でしたね。

――賀川さんはタイミングを遅らせることを「ずらせる」とよく言いますが、そのずらせる話の展開はどうなりました

賀川:たしか「タイミングを遅らせるのはむずかしいものですが」と久米さんが言っていたので、日本のサッカーは速攻好きで、その土壌の中から育ってくるプレーヤーはずらせるのはなかなかむずかしいんですよと言いました。

――川本泰三さんの話まで行くとそれだけで30分になってしまいますからね

賀川:生番組ですから、知らない人の名前が出て、それが1936年ベルリン・オリンピックの…と言う説明を入れ出すといつもの賀川節になっていますから、さすがに自重しました。ついているGKをかわすシュートの話に変えたのです。

――ついているゴールキーパーとなればオリンピックでブラジル代表に1-0で勝った川口や92年EUROで優勝したデンマークのGKピーター・シュマイケルの話が出てきても不思議はない?

賀川:そういう余分な話を切り捨てて久米さんの問いに答えることに気を付けていました。原稿だって800文字と決めたら、どんどん切り捨てないといけませんからね。
出演させてもらい、おしゃべりしただけでなく、とても勉強になった東京行きでした。


久米宏 ラジオなんですけど

74年西ドイツW杯 守りを引き出す理想の攻撃

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