女子ワールドカップ 対カメルーン戦(続)
――カメルーン戦の個人力による突破を防ぐのに苦労していました
賀川:17番のエンガナムイが特に目立ちましたが、このプレーヤーは足が速く、また、体力があった。強いだけでなく足が早く出てくるところが北欧などの大型選手と違うところです。ハーフタイムで指示されたのでしょうが、後半は前半よりも日本選手のマークの距離を近くしてきただけに、日本側も少しやりにくくなりました。もちろんホールディングやトリッピング、特に遅れて入ってくるタックルになでしこの各選手はやりにくかったと思います。彼女たちは自分たちのファウルをそれほど悪質でないと思っているようで、彼女たちのためにもレフェリーはもっと強い調子の笛を吹いた方がいいと感じました。こういう相手に接触プレーはできるだけさけ、早いテンポで、早めにボールを動かせばいいのですが…
――それにはサイドキックを始め、短いパスの正確さと 、動きの量も必要ですね
賀川:そのとおりですが…縦パスを失敗して相手に奪われると一気にピンチになることが多い。今年のなでしこは第3列(DFライン)からトップの2人へ入れるパスが多くなっていますが、このパスは「出し手が見えること」「受け手は背を向けてボールをとること」で相手のCDFたちにとっては奪いやすいのです。そして宮間が左サイドのMFになると、どうしても長いパスになる。いくら良いパスでもボールの距離が長ければ、相手にはつぶしやすい。宮間に限らず、スイス戦でも、カメルーン戦でも気になりました。
――FK、CKという停止球の宮間は素晴らしいのです
賀川:彼女のことだから考えがあって自分のパスの長短、強弱を試しているのかもしれません。ノックアウトステージに入ってから、どうするか期待はしているのです。
――澤選手は
賀川:第1戦は途中まで、第2戦は途中から入りました。前回のワールドカップのときと同じと言えるかどうかわかりませんが、チャンスメイクの力、ピンチを見る目などはやはり「澤さん」というところです。この試合で長いクロスに飛び込んで行ったプレーもありました。もともとヘディングも強いのですが、カメルーンのような個人力の強い相手には澤さんであっても、単なるクロスでいいのかどうか…
――そういうクロスやパスの精度も試合で高めてゆくことになる?
賀川:それがなでしこジャパンです。世界チャンピオンの経験者に新しく代表に加わった力のあるプレーヤーもいるのです。これまでの準備の時間の足りなかった分を、大会中に磨いていくことを続けていますよ。ともかく全員で勝ち取った勝点6でここを足場にいよいよ強敵との戦いに向かって行ってほしい。
――もちろん、第3戦、相手は少し力は下ということです、どういう顔ぶれで試合をするのか、あるいはその間に休養を取ることが大切なのか
賀川:経験豊富な監督と選手たちがこの大会をどう乗り切って行くのか見るのも楽しみですね。
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