90歳の冬の旅 〜 長身美人の司会で
式の始まる前にロナウドがやってきて席についた。
カメラマンが殺到してシャッターを切り始める。
「3人のノミネートだが、クリスチアーノ・ロナウドに決まったのかな。メッシやノイアーでなく、彼にこれだけカメラが集中するのは」と思う。こちらはそれですむが、会場係はそうはいかない。これからFIFA会長が入場し、最前列中央席に座るのだが、カメラの群れで通路がない。もう撮影はストップですと叫んでも、ロナウドの表情を撮ろうと懸命な彼らは動こうとしない。業を煮やした女性の会場係がしゃがみこむカメラマンを突き飛ばすという一幕もあって通路が開けてブラッターさんがようやく着席し、バロンドール表彰のショーが始まった。
司会はKATE ABDO(ケイト・アブド)さん、バロンドールの司会は初めて(昨年は別の人だった)だが、現在、英国スカイテレビのスポーツニュース番組のホストをつとめヨーロッパ・サッカーの放送にも顔を出している。英国育ち、ドイツのテレビで仕事をはじめ、ロンドンやアトランタで経歴を重ねてきたと言う。ヨーロッパのアナウンサーらしくFIFAの公用語も自在と見える。長身で、前日のリハーサルのときもこちらは見上げるのに大変だった。
そのアブドさんが次々に紹介し、こなしてゆく授賞式はWOWOWで日本でもご覧になった方は多いはず。むしろ、テレビでご覧になった皆さんの方が馴れない表彰者席にいた私よりもバロンドール全体を楽しまれたかも知れないし、式の流れもよく覚えておられるかも知れない。いまさら繰り返すまでもないのだろうが、私自身の記憶のためにも、もう一度、表彰式を思い出してみることにしよう。
さきほどのアブドさん、美人の司会者がこの式では8つの賞があるが、まずはバロンドール(本来は男子の2014年最優秀選手賞だが、ここでは女子も同一にして)にノミネートされた3人ずつの登壇を告げた。
クリスチアーノ・ロナウドとナディーネ・ケスラー(ドイツ、ヴォルフスブルグ)、ついでメッシとマルタ(ブラジル、スウェーデンリーグ・ローゼンゴード)、最後にノイアーとアビー・ワンバック(USA、ウェスタン・ニューヨーク・フラッシュFC)が現れた。
女子として大型のワンバックもノイアーと並ぶとかわいく見える。
もともと美人だから――
簡単な紹介で6人が席に戻るといよいよ授賞式が始まる。
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