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スペインが敗れる

2014/06/20(金)

第1戦でオランダに大敗したスペイン代表がB組第2戦でもチリに0-2で敗れ、セカンドラウンドへの望みを失った。バルサ(バルセロナFC)が確立し、クラブを世界一に押し上げたボールポゼッションと高い位置でのプレッシング重視するやり方を代表にも持ち込み、2008年と2012年のEURO(ヨーロッパ選手権)の連続優勝と、2010年ワールドカップ優勝で、世界の頂点にあったスペインの代表の敗退はこの大会初期の最大のショックといえる。

6月18日午後6時からマラカナン競技場で行われたこの試合で、チリは前半20分に右からのクロスでつかんだチャンスをエドワルド・バルガスが決めてリードし、後半にもFKのリバウンドをチャルレス・アランギスが蹴り込んで2-0とした。スペインはいつもの通りボールキープとパスの巧さで上回ったが、シャビ・アロンソが近距離のシュートを防がれたのをはじめ、惜しいチャンスもあったが、全体としてはファウルを含むチリの当たりの強さ、ボール奪取の粘りに手を焼き、勝てそうな試合ではなかった。

試合後にデルボスケ監督は「まだチームの将来や私の進退について語る時期ではない」と語ったというが、スペインだけでなく、世界中のサッカーファンの間で多くの論議が持ち上がっているだろう。もともとこのチームはGKカシージャスをはじめ、シャビやイニエスタ、シャビ・アロンソなどの主力の年齢が高いこと、カシージャスはここりばらくリーグでプレーをしていないことなど、懸念を持たれていた。また、ボールポゼッションの能力は高くても、バルサにおけるメッシのようなストライカーがいないこと。また、サイドから攻撃に仕掛けるウイングタイプがいなくて、攻撃の幅が拡がらず、折角のパス攻撃の効果が薄い、という指摘もあった。

チリ戦をテレビで見た限りでは(シャビは出ていなかった)、チリ側の反則の多い接触プレーで特色のボールキープからの意表をつくパスがほとんど生まれなかったといえる。年齢が高いことは、長いシーズンを乗り切った後の疲労回復にも影響し、大会の第一戦(対オランダ)にベストコンディションでなかったという声もある。FIFAクラブラールドカップ決勝で、高い位置のプレッシングでバルサが南米代表のサントスの動きを制したことがあった。その流れのなかで、スペイン代表がEUROとワールドカップで輝かしい成果をあげたのだが、今後は相手にプレスをかけられて(ファウルが多かったのはスペインに気の毒だが)苦しむことになった。

プレッシング・フットボールがこの大会でこれからどのような成果を生むのか、眺めてゆきたいと思う。

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