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グループリーグの一回戦が終わって

2014/06/18(水)

ナタルのホテル、SHRES NATAL GRAND HOTELの私の部屋のすぐ下にフットサルピッチが1面ある。誰かがひとりでボールを蹴っている。美しい砂浜に魅かれてグループの旅行の仲間の小島さんと本多さんがランニングに降りていった。2014年6月17日の11時。

ワールドカップブラジル大会は、17日までで8グループの各組1回戦とA組のブラジル-メキシコの17試合が終わった。今日18日は、A組のカメルーン - クロアチア、B組のスペイン - チリ、オーストラリア- オランダの3試合が予定されている。開催国ブラジルはブロアチアに3−1で勝ち、第2戦のメキシコに0−0で引き分け。メキシコもまたカメルーンを破った後、ブラジルと引き分けた。両者の第2戦はホテルのバーにある大画面で観戦。ネイマールをはじめとするブラジル選手たちの技巧を堪能し、ファウルの応酬にはいささか悲しい気もした。メキシコのゴールキーパーの守りもすばらしかったが、ブラジルのシュートのタイミングや角度が少しでも違っていれば2ゴールぐらいは生まれたかも。

B組でのオランダの大勝(5−1 対スペイン)はくわしくは見ていない。5点取った後も前からプレッシングにゆくオランダ側に、この試合にかける彼らの意気込みを思った。バルサに代表されるボールテクニックと組織のスペインサッカーは現代の先端を進んでいたようにみられていたが、そのバルサの変革者ヨハン・クライフを生み出したプレッシング・フットボールの元祖のオランダにも意地があるのだろう。

それにしても、オランダのロッベンの「速さ」である。2006年の大会で初めて彼を見たときにも、ファンペルシーがボレーで蹴った相手DFライン裏へのボールに一気に走り込んで取ってゴールを決めた。ここしばらくの彼をテレビで見ていると、その緩急の取り方がさらに上手になったようにみえた。ヨーイドンの走りくらべでも追いつけない彼が、大きな落差の緩急を持つことになって、相手のDFにとってとても厄介な選手になった。スピードが落ちる頃に緩急を身につける人は多いが、彼は30歳にしてなおスピードを維持し、その天性の速さを活かせる術(すべ)を高めている。こういう大選手の進歩を見られるのも長生きの幸せというべきだろう。

C組の日本の初戦は記者席で見るのも辛い戦いだった。もちろん個々の力は相手が上であることは先刻わかっていること。それを一丸となって克服することになっていたはずだが…。本田圭佑がここまでの不調から脱したように見えた。前半は、ゴールも彼のシュートでとったのだが、後半はミスしたのだから、まだ本調子なのかどうか…。ごひいきの香川真司がいつになくボールコントロールのミスがあって、不思議に思っている間に試合は終わっていた。

日本からギリシャ戦はどうですか、という問いが来るけれど、互いに負けられない試合だから勝とうという意欲の強い方が勝つとしか言いようがない。こういう土壇場でこそ火事場の「なんとか力」を発揮してほしいもの。自分たちの満足がゆく試合が、代表ひとりひとりの人生にも大きなこととなる。

アメリカ合衆国の代表がこのホテルに泊まっていた。彼はナタルで実に見事な試合をし、勝手早朝に発ってキャンプ地にもどった。副大統領も応援に駆けつけていた。そういえばドイツの試合の前に、メルケル首相がスタンドの席でドイツ国歌を歌っていた。USAの代表のファイトあふれる試合はすばらしかった。日本代表にも、明日の試合で、USA代表と同様に「サムシング」を見せてほしい。

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