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FIFAコンフェデレーションズカップブラジル2013 イタリア-日本

2013/06/24(月)

先制しながら勝ちきれず

――強豪イタリアとのシーソーゲームはとても迫力がありました

賀川:2-0とリードした時はひょっとすると勝てるかも、、、と思った人も多かったでしょう。その後イタリアの底力を見せつけられた。彼らの圧迫から日本側にミスが出て、結局勝ちきれなかった。

――もったいないことをした

賀川:もちろん両チームの実力を比べれば、負けても不思議はないのだが、こういう時に勝ってほしいものですよ。

――まあ、考えようによっては対ブラジル戦であれだけ不出来の日本代表が気持ちを入れ替えてこういう試合をやれることを見せたとも言えますが…

賀川:どんどん前からプレッシングをかけてゆこうという日本としばらく様子を見ようというイタリアだったから、前半初めは日本にはやりやすい展開となった。

――暑さと湿度がイタリア側の動きを慎重にしたのかも

賀川:中盤で相手がプレスに来ない時の日本チームは攻撃は上手です。それに、ともかく動こう、前からつぶしてゆこうという気迫があった。先制ゴールは相手バックパスを追う岡崎のがんばりがあり、そのためにブッフォンのファウルから生まれたPKを本田が冷静に決めたもので、好運でもあったがチームの活力を増す源になったでしょう。

――2点目もピルロのボールを奪った岡崎からの攻撃展開でした

賀川:ハーフウェイラインでピルロのボールを奪った。相手の攻撃の起点となる選手だから、カウンターも効果的になる。前田や長谷部のランが加わって右CKとなり、このCKから香川のエリア内での反転左足シュートというビューティフルゴールが生まれた。

――右CKを本田がショートコーナーにして、一気にクロスを出すのではなく工夫があった

賀川:右サイドでのパス交換から前田がエリア内で左ボレーシュートに入り、そのボールが相手側とのからみで高く上がった。それがエリア外へ落ちてきた時に今野がタッチして小さく浮かしたのには感服した。

――フワリと上がったボールの下に、岡崎と香川がいて、イタリア側も2人いた。もうひとり加わってきたが、誰も触らずにボールは落下し、バウンドしたボールを香川が反転してシュートした。

賀川:狭いスペースでの香川らしいプレーだった。右も左もシュートできるようになっている香川だが、この左ボレーは見事だった。インステップで押さえるように叩いて、右ポストいっぱいにライナーを決めた。

――香川がマン・オブ・ザ・マッチに選ばれました。ひとつにこのボレーシュートがあったのでしょう

賀川:この後も、日本はいくつかのチャンスを造った。点目を先に取っておけばと…

――イタリアには前半のうちに得点しておこうという意欲が見えていた。身体能力のずば抜けたバロテッリだけでなく、多士済々、誰もが試合巧者で、ここという時に力を発揮する

賀川:右CKをピルロが蹴り、デロッシがヘディングでピシャリと合わせた。長谷部がマークしたが、防げなかった。


「ひたむきさ」だけでなく、イタリア的老獪さも

――後半に入っても、イタリアの攻めは続いた

賀川:後半5分にゴールライン際でジャッケリーニが吉田との競り合いから抜け出してゴールエリアの左から中へクロスを送ると、これを防ごうとする内田の足に当たってオウンゴールとなった。中央にボロテッリがノーマークでいたから、そこへボールが行くのをスライディングして防ごうとしたのだが…

――スローで見ると、高くバウンドしたボールを吉田が処理しようとする時に、ジャッケリーニが体をこじ入れるようにして奪い取ったが、吉田はシンプルに外へ出す(たとえCKになっても)ことができたはず

賀川:それにしても7~8メートル離れている位置から、吉田のバウンドボール処理を奪うために突進したジャッケリーニの判断と動きの速さと、球際の粘りに、さすがイタリア代表、彼らの老獪さを改めて見た。

――こうなると、運は急速にイタリア側へ移っていく

賀川:7分にイタリアの右サイドから中央へ送られたクロスをペナルティエリアいっぱいでバロテッリがジョビンコにパスし、ジョビンコがシュートした。この時タックルに入った長谷部の右足に当たったボールが地面に落ちてバウンドし、彼の右手に当たってしまった。

――レフェリーはハンドをとりました

賀川:故意に手を使ったのではないから、ハンドではないと言えるのだが、こういう時にはハンドにしてしまうレフェリーも多い。ましてこの試合で日本は前半にブッフォンの反則でPKをもらっている。

――レフェリーはPKを出しやすい状態でもある

賀川:まあそこまでは言わないが、ともかくバロテッリがPKを蹴り、3点目がイタリアに加わった。後半が始まって7分のうちに、2失点。前半の41分の1点目とあわせると、10分ほどのうちに3ゴールを立て続けに奪われた。

――ブラジルが日本に対して前半と後半のそれぞれ5分にならないうちに1点づつ奪ったのと似ている

賀川:まあ、計算したかどうかはともかく、点を取ろうと意欲を高めれば、取る力があるのか、この試合でのイタリアのシュート12本のうち、7本がこの10分間に記録されていますよ。

――2-3とリードされても、この日の日本代表はくじけなかった

賀川:イタリアの攻勢でいささか受け身になっていた日本は、1点の挽回を目指す。リードしたイタリアが後退して守りに入ったこともあって、ボールをポゼッションする時間が多くなる。

――確かに相手守備網の外でボールをまわしている時間が多かったこともあります

賀川:後半24分にペナルティエリア右外でのFKのチャンスが来た。遠藤のキックを岡崎がゴール正面で見事にヘディングシュートした。35分にも岡崎のシュートがポストに当たった惜しいチャンスがあった。攻めて防がれて疲れがたまる。イタリアは守備の時間から攻撃の時間に転じた。

――日本側の動きが鈍ってきたのがはっきりしてきました

賀川:40分に小柄なジョビンコとの左サイドでの奪い合いの後、吉田が今野にバックパス、これを今野がダイレクトに前方へ送ったのが相手MFのデロッシに渡り、そこからのスルーパスを走って受けたマルキージオが中へパスを出し、正面に入っていたジョビンコが決めた。

――タフなことでは随一と言われている今野のクリアにミスが出たのは、それだけ疲れていた、体がいっぱいだったといも言えますね

賀川:労の多い日本サッカーがなかなか得点できないのに、イタリア側は守り時間は守り、点を取られるとそれまで残していた力を使ってゴールを奪いに来て成功した。

――試合の流れをつかむうまさですね

賀川:あるいは試合の流れをつくるうまさというべきかもね。日本にも個人的には見事なパスを出し、攻撃展開の妙味をつくりだすプレーヤーが出てきたが、試合全体の流れや緩急をチーム全体でつくっているイタリアからみれば、まだまだということになる。また、これができないとワールドカップで多くの試合を重ねて上位に進むことは体力的にも難しい。

――この日はPKを含めて17本のシュート、相手イタリアはPKを含めて12本のシュートです。そのシュートの力の差については

賀川:別の機会にお話ししたいが、35分に岡崎のシュートが右ポストにあたった場面があった。十分に余裕があり、助走してしっかり踏み込んだ左足シュートだったが、横殴りのキックだった。ボールのどこを蹴るのか、足のどの部分で蹴るのか、シュートの精度を上げるためのキックと、その反復練習が大切でしょう。

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» 現在フリーランスとして、現役最年長記者 賀川 浩(かがわ ひろし)さん [Enjoyサッカー]
FIFAコンフェデレーションズカップブラジル2013について [続きを読む]

受信: 2013年6月26日 (水) 02時01分

コメント

ゲーム運びが拙かったですね。緩急の工夫や踏ん張りどころを見極める力が足りず。

投稿: 蹴球亭 | 2013年6月26日 (水) 23時39分

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