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記憶に残る2013.6.4.

2013/06/11(火)

――長い間、日本代表を見てきた賀川さんのアジア予選突破の感想、あるいは感慨は

賀川:日本のサッカーは、いつも何かハンディキャップを背負って、世界へ挑戦してきた。しかし少年少女がいいサッカー選手になるための環境は、いまや世界ランクの上位にある。芝生のピッチも日本中にできた。体格の小さいことはかつて欠点のように言われたが、それは欠点ではなく「特徴」だというふうなグローバル・スタンダードの考え方に変わってきた。

――だから今のようなレベルの代表ができた

賀川:まだまだレベルアップの余地はあるが、上手になり、強くなったことは確かですよ。ここで申し上げたいのは、その歴史上高レベルにある日本代表が最終戦でどういう試合をし、どういうゴールを奪取するかということです。

――ケーヒルを中心とした相手が意図した攻めで、危ない場面もあったのをともかく防いだが、ザックの言う「偶然」のようなゴールを奪われた。

賀川:オーストラリア側から見れば、好運のゴールでしょう。

――そういえば、日本のゴールも意図した攻撃とは違った形のPKでした

賀川:試合のディテールを文字にして伝えたいという私の記述を読んでいただければわかるのですが、もう一度申し上げたいのは、最後の右CKは監督の意図もたぶんノッポのハーフナーや吉田の空中戦だったでしょう。そのために、ハイクロスをピンポイントに蹴る清武を投入していたはずです。その清武がゴール前へ直接ボールを送らずに、ショートコーナーにした。本田がボールをくれと言う話をしたそうだが…

――そして本田が短いパスをライナーで中へ送って、ハンドが生まれた。(本田自身はミスキックと言っていた)

賀川:監督やチーム戦略とは別に、そのプレーの瞬間に選手が判断しプレーしたことが、「偶然」あるいは「好運」のような結果を生んだのです。

――ふーむ

賀川:「サッカーではどんなことも起こる」
親しかったドイツの代表監督ユップ・デアバルさん(故人。釜本邦茂の留学の時に指導した)がよく言っていた言葉です。何が起こっても諦めずに守り、攻めれば、何かが起こるということでしょう。

――今度のオーストラリア戦で代表はそれを経験した

賀川:相手のオーストラリア側も同じことを体で感じたことでしょう。日本のサッカーの歴史の中でも先人たちが同様の経験をしてきたのですが、私たちはこのレベルで、やはりサッカーはこういうことなんだということを知ったわけです。歴史的にもいい体験として記憶されるべきでしょう。

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