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2013年3月

国際親善試合 20130322 カナダ

2013/03/25(月)

――3月22日カタールでの日本代表強化試合、カナダ戦は2−1で日本が勝ちました。カナダが予想していたよりも強かったのか、押し込まれる時間帯も相当あり、相手のチャンスも4、5回ありました。26日のヨルダン戦に不安はありませんか

賀川:本田と長友という代表のなかでもハイクラスの2人を欠くのだから影響が大きいのは当然でしょう。それを補い、3月26日に勝てるチームを作り上げるのが監督、コーチと23人の選手たちの腕と頭の見せ所でしょう。

――前半のメンバーには驚いたでしょう

賀川:中村ではなくトップ下に香川を置いたことですかね。ザック監督は本田の代わりのトップ下はこのチームなら憲剛だと思っていたはずです。私もザックさんの常識と同意見だから、なぜまた真司をトップ下にしたのかと考えましたよ。

――で、ザックさんの見た乾は

賀川:テレビでの試合後のザックの言葉で、前半は何回かチャンスをつくった、そのチャンスに得点しておかないと、というところがあった。冒険するかどうか、監督さんのハラでしょう。

――香川真司については

賀川:ガンガン来るこういうチームで香川が本田のように中盤で「持ちこたえる」選手でないことは、誰もが知っていることでしょう。ただし、この試合の2得点を見ると前半9分の岡崎のシュートはその直前に香川の相手DF裏への飛び出しに長谷部がスルーパスを出し、そのボールをGKがクリアし、岡崎に渡してしまった。GKのミスでしたが、香川の飛び出しの早さから生まれた相手のミスが岡崎へのパスになったわけでしょう。

――決めた岡崎もさすがでした

賀川:日頃からの努力の賜物ですよ。日本の2点目(後半29分)はハーフナー・マイクがエリア内で左足シュートを決めたのだが、左サイドの酒井高徳からのクロスをゴールエリア左角で香川が相手DFの前に走り込み、DFの足に当たってゴール正面へ飛んだボールをマイクがダイレクトシュートしたのです。

――2得点とも香川の飛び出しがからんだということですね。そのほかでは遠藤のFKぐらいでしたからね

賀川:真司の飛び出し、ペナルティエリア内での速さと技術はヨーロッパでも評価されています。この地域ではひどいファウルはPKだけでなくレッドカードになるので、彼の速さが生きるわけです。酒井高徳がある程度攻撃ではいけるメドがついたから、真司を自由に動かせるやり方がゴールへの近道になると言えます。

――前田に代わって後半にワントップとなったハーフナーは

賀川:代表での試合は今度が2回目ですが、チームになじんできましたね。オランダでの経験も増えたのでしょうね。

――後半すぐのフリーシュートを失敗しました

賀川:本人はGKの上を越そうとしたらしいが、まあこういうゴールは決めておかないと…その後の胸でトラップしての左足ボレーも適度の高さにボールが落下するまで待ちきれずに蹴っていた。まだまだ上達の余地はいっぱいあるが、この大きさは魅力ですよ。25歳の若さとあわせてね。

――失点に関して

賀川:カナダ側は前半にも後半にもシュートチャンスがあった。よく動いてセカンドボールを拾ったこともあり、その点では日本の守備にもいい訓練になったはずです。奪われたゴールは左CKで、このときFWのヘイバーとDFの長身エドガーの動きがうまかった。エドガーをマークした吉田がファーポスト側まで動くことになり、ゴール前の中央部にヘイバーの方が伊野波より少し早く体を寄せ、ハーフナーを越えて落下してくるボールにヘイバーが伊野波の体の前へ頭を突き出すようにしてヘディングした。ボールは右ポスト内へ飛び込んだ。

――日本側のノッポ、ハーフナー・マイクは

賀川:ゴール前中央、落下点近くにいたが、相手に先にジャンプされ、のしかかられて動けなくなっていた。この上を越えてボールが落ちてきたのです。

――話を攻撃に移します。2、3点の得点力をつけようということにあっているはずなのだが…

賀川:日本サッカーもどんどん進歩しているが、といって得点力不足が解消しているわけではない。ゴールを奪うことに個人的にも意欲を高め、実際に力をつけてきた本田がいないのが今度のヨルダン戦です。

――正念場です

賀川:それだけにベテランの長谷部、遠藤から新しい選手に至るまで全選手に取ってはとてもやりがいのある試合ですよ。こういう大事な場面でいいプレーをすることはチームにも自分にも大きな意味があるでしょう。

――26日には埼玉スタジアムではパブリックビューイングもあるそうです。全国のテレビの前で多くの人たちが声援されるでしょう

賀川:代表チームが皆さんの声援を受けていい試合をし、ひとりひとりが実りのあるプレーをしてほしいと思います。

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アルガルベカップ

2013/03/21(木)

――ポルトガルで開催されたアルガルベカップでなでしこジャパンは5位といういささか不満な成績でした。新しい代表チームを作り上げるために新メンバーの経験を積ませようとしたのでしょうが、試合内容もパッとしなかった。

賀川:もともとこの大会はヨーロッパの一番西にあるポルトガルの一番南のアルガルベ県一帯が気温温暖なのに目をつけたノルウェーの申し入れで20年前に国際親善試合が生まれたのです。

――20年前と言えばノルウェーは女子サッカー先進国でしたね

賀川:スウェーデンもそうだが、これら北欧は3月はまだ冬だから、この地方の暖かい気候が魅力だったのでしょう。なにしろ海の向こうはアフリカのモロッコですからね。

――それで1994年に米国、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、ポルトガルの6カ国が参加して国際大会を開催した

賀川:2002年には12チームが集まるようになった。12チームのうち、レベルの高い8チームがA、Bグループに分かれ、各グループ内の上位で優勝を争うことにして、ポルトガルを含むC組は下位リーグとしている。

――ポルトガルは男子はクリスティアーノ・ロナウドをはじめワールドクラスの選手をたくさん生み出し、ヨーロッパの競合のひとつだが、女子はまだ強いとはいえない。それでもこういう大会をするだけの数多くの芝生のグラウンドがあるのですね。それも大都市でなくてね

賀川:テレビを見ても、観客は少ないようですね。今年は風雨の強い日もあったが、親善試合で交代も6人できるということもあって、各国の代表強化の大事な大会となっているのです。日本にとっても一昨年はワールドカップの前に、昨年はロンドン五輪を控えて、いい経験の場となったね。

――佐々木則男監督は2年後のワールドカップ(カナダ)を目標にする代表の新しいスタートの場にしたわけですね。

賀川:今度のなでしこジャパンには澤穂希をはじめ宮間あや、大野忍、阪口夢穂たちを招集しないで、若い新しいメンバーを加えてきた。その合計23人のプレーヤーを、1次リーグ3試合と5位決定戦の合計4試合に全員をピッチに送り込んだ。ゴールキーパー人を含めてです。

――選手に経験を積ませるという意味ではまずまずですか

賀川:先述のベテランたちがもう必要ないというのではなく、将来に備えて新しい顔ぶれを実際に試合させようということと同時に澤や阪口、宮間たちがいなくても、これまでの中堅選手たちがどれだけやれるかを監督さんは見たかったのだろうね。

――賀川さんの評価は

賀川:DFは岩清水(3試合)、熊谷(4試合)のこれまでの2CDに長船加奈(仙台)が2試合に出場した。サイドはレギュラーで故障中の近賀ゆかりと3試合に出た鮫島彩に、加戸由佳(湯郷)、有吉佐織(日テレ)がそれぞれ3試合、2試合に起用されてまずまずでした。

――第1戦の対ノルウェーで2失点しましたが

賀川:これは相手の左サイドの攻撃に対して当方の右サイドの守りの相性が全く悪かったためで、これは5人の新顔を先発に起用したことで、むしろ采配ミスでしょう。

――監督さんもそう言っていましたね

賀川:日本の選手育成は個人能力、特にポジションプレーの向上ということに未発達な部門があります。男子代表が今度のイタリア人監督ザックさんになってポジションプレーという考えが強くなっているようですが、守でも攻でもポジションプレーの基礎ができなければチームワークは成り立ちません。

――MFは大ベテラン陣がいたところだったから…

賀川:今回もここが問題でした。守備的MFとしては田中明日菜(INAC)と宇津木瑠美(モンペリエ)が主力になり、攻撃的MFにはおなじみの川澄と高瀬愛美のINAC勢、田中陽子と中島依美の若手INACも起用された。若い2人はこれからの可能性が見えましたが、川澄と高瀬がこれまで実績があるだけにもう少し成長を見せてほしかったところです。

――FWではドイツにいる大儀見優季の評判がよく、小柄なドリブラー田中美南(日テレ)がドイツ戦でゴールしてヒーローになりましたが…

賀川:フランスのリヨンにいる大滝麻未は期待の割には働けなかった。フランスの試合でどれくらい出場しているのかな。大儀見の妹の永里亜紗乃は技術もあり、体がお姉さんのようにしっかりしてくれば…

――ゴールキーパーは187センチの山根恵里奈が2試合に出場し、これまでのレギュラー海堀と久野吹雪が1試合ずつ。

賀川:日本人の女子代表で初の180センチを超える大型ゴールキーパーですね。

――ということになると、今度は少し体格の点ではこれまでより少し大きくなっています。

賀川:それは悪くないが、日本のサッカーの特色であるボールテクニックの高さ、動きの早さという点でどうでしたかね。体格、体力という点ではヨーロッパ勢や中国選手に比べると見劣りしますが、技術と早さと運動量で買ってきたことを忘れては行けないでしょう。小さくても田中美南の早さがドイツ選手に通じていたのです。

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真司のハットトリックとユナイテッドの伝統

2013/03/05(火)

マンチェスター・ユナイテッド 4-0(1-0) ノリッジ

――真司がハットトリック。オールドトラフォード、75000人の大観衆の前で、アジア人選手としてプレミアリーグでは初めてということです

賀川:NHK BSでさわりの映像を見せてもらっただけで、試合全体(90分)を見たわけではないが、彼の良さがフィニッシュにあらわれていた。(水曜日に放映があるとか)

――1点目は前半の終了近く。46分でしたか

賀川:ゴールの瞬間のユナイテッドのチームメイトの喜びようを見ると、下位のノリッジを相手に点を取れなかったそれまでの気持ちがよく表れています。

――ゴールへの過程は
(1)右サイドに開いていたバレンシアが後方からのパスを受けて
(2)相手DFを前にフェイクを仕掛け、DFを前にして左で早いクロスをゴール正面へ送った
(3)ファン・ペルシーが左足の先端に当て、右前方へ落とす(高く上がって落下)
(4)そこに香川がいて、落下してくるボールを右アウトサイドに当てて
(5)ゴールキーパーと右ポストの間を抜いた

賀川:ファン・ペルシーからのボールを見て、とっさに右足アウトサイドで蹴れる態勢を取っておいて、高く上がったボールがほとんど地面近くまで落ちてくるのを待ったところがすごい。

このフィニッシュのボールタッチは真司独特のうまさだが、その前の(1)のバレンシアにボールが渡った時にペナルティエリア外3メートルにいた真司が(2)のクロスにかかるのを見て、エリア内へ入ってファン・ペルシーの右前へ出てゆくところがこれまた香川の特徴ですよ。


――さわりのテレビを見て声を出していましたね

賀川:もうひとつ、このゴールのヤマとなるポイントは、バレンシアのライナーのクロスと、それを無理やりに止めて真司へのパスにしたファン・ペルシーのすごさですよ。

――香川の話では、ロビン(ファン・ペルシー)がいいボールをくれたとなっています

賀川:前半のこのクロスまでを見ていないから想像するしかないが、それまでノリッジの多数守備にゴールを取れなかったバレンシアが通常のクロスでなくライナーを蹴ったのでしょう。それがすこしずれてロビンは胸で止められずになんとか足を伸ばしてタッチした。左足の先端に当たったように見えたが、あの速い強いボールに左足を出せるところに彼の体の大きさと左利きの特徴が生きているのでしょう。きっちりと彼が止めたのなら、ノリッジのDFも対応したはずだが、ロビンは能力いっぱいで止めているのだから、ノリッジのDFたちにも想定外のボールの動きになった――と私は見ています。

――多数防御を破るため、賀川さんが時々口にする「つぶれ(潰れ)」ですね


賀川:そう思っていただいても結構です。パスをまわし、ドリブルで突破するという、いわば正攻法の攻撃(DFを避けてシュートへ持ってゆく)のではなく、ボールや人の動きに異変が起こったのですよ。それを起こしたのが、バレンシアのキックであり、ロビン・ファン・ペルシーのボールタッチへの執念でしょう。

――相手ディフェンダーたちの全く読めないボールが動いたところに真司がいたというわけ

賀川:パーフェクトなポジショニング(オフサイドぎりぎり)でパーフェクトなフィニッシュをしたのだから、仲間たちが喜んだのも当然でしょう。ルーニーが駆け寄り、キャリックが抱きしめたのをビデオで何度も見直しながら、つくづくマンチェスター・ユナイテッドはいいチームだな、すごいチームだな、と思いましたよ。

――2点目はそのキャリックからのルーニーの前へのロングパスが発端です

賀川:キャリックの後方からのパスがハーフウェイラインを越えて落ちて、ルーニーが快足を飛ばしてボールを取り、ペナルティエリアに入り、ゴールエリアの右外角3メートルで切り返して、相手2人を引きつけておいて、中央へ上がってきた真司に丁寧なパスをサイドキックでくれた。

――まさに“くれた”という感じでした

賀川:ウェイン・ルーニーという選手はご存じのように「やんちゃ」なストライカーとして評判だったのが、ここ2年ほどの間に周囲を使ううまさが目立っている。自身のシュート力は相変わらずすごいが、その彼のスピードとゴール前の威圧感を活かして決定的なパスを周囲に渡すようになってきている。

――この時も自分でシュートできるチャンスでした

賀川:自分の左足シュートよりも確実にゴールを取れる角度へ出てきた真司に渡した方がいいと判断したのでしょう。まあ「オレのパスを見てくれたか」というところでしょう。
――そのルーニーの期待通り香川は走りあがった勢いを止めず、右足アウトサイドでゴール右下に決めた

賀川:走る勢いはそのままに、ただしサイドキックのコントロールシュートでした。ルーニーは「やはり真司」と思ったでしょう。

――真司は「ボールを流し込むだけでよかった。ルーニーに感謝したい」と言っているようです

賀川:しかしルーニーの突進に続いて中央を走りあがった真司の動きを忘れてはならないし、こういう決定的な場面で点を取るという技術の大切さも強調しておかないといけないでしょう。同じような場面で得点できなかったロンドンオリンピックの例もありますからね。

――3点目もルーニーから、今度は自分は動かないでポストプレーのスクエアパスでしたね

賀川:(1)ダニー・ウェルベックがハーフウェイライン中央あたりで右の香川にパスを出し
(2)右前へ出てリターンを受け、そこから左内側へターンして斜行ドリブルし
(3)ペナルティエリア近くのルーニーへパスをする
(4)ペナルティエリアぎりぎりに守備線をつくったノリッジの5人のDFは
(5)ルーニーがシュートレンジでボールを受けたこと
(6)ウェルベックが左へ走ったこと
に注意が向く。

――そこでルーニーがダイレクトで真司の前のスペースへパスを出しました

賀川:エリア直前でこのボールを受けた香川はワンタッチやや大きめに出て、一気に右前へ進み、飛び出してくるGKの前で右足インフロントでボールの下を蹴った。ボールは飛び出してスライディングするGKの上を抜き、ゴール中央のネットに飛び込んだ。

――ウェルベックと香川とルーニーの3人だけで5人の守りを突破してのゴールです

賀川:1点目が前半46分、2点目が後半31分、3点目が42分、4点目がルーニーで45分ということだったが、こうしてみても1点目が大きな意味を持っていることがよくわかるでしょう。レベルの高いプレミアリーグでは首位ユナイテッドであっても下位のノリッジを相手に(守備の頑張りが続く間は)なかなかゴールできないものです。

――その中でのハットトリックは値打ちがありますね

賀川:真司が試合に出ていない時も、常に前向きに練習しチームにどうすれば貢献できるかを工夫していることをルーニーたちも見ているのでしょうね。彼がこうしてユナイテッドの一員となってゆくのを見られるのはとてもうれしいことですよ。

――どれほど個人技術があってもチームのために少し無理をしても働くという姿勢がユナイテッドの伝統なんでしょうね

賀川:誰でも口にし、実行しようとするが、ユナイテッドの伝統はそれを相当なレベルで続けているということでしょう。だからこそ、真司のハットトリックを皆で喜んでくれるチームなのだと思います。

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21年目のJには新しい発見と新しい感動が

2013/03/04(月)

――3月2日、Jリーグが開幕しました。J2も日曜日に早速ガンバ大阪対京都サンガという関西人にとっての注目カードがありました。そして真司のハットトリックというすごい知らせがイングランドから届きました。3月最初の週末はとても、とても…でしたね

賀川:開幕日は長居競技場へ出かけて、15000余の皆さんといっしょにセレッソ大阪対アルビレックス新潟を見せてもらいました。新潟からはるばるやってきたサポーターは勝てる試合を落としたという感じだったでしょうね。

――冷たい風が吹いて、3月としてはとても寒い日でした

賀川:ボールの奪い合いでも一歩遅れてなかなかキープできないセレッソが後半途中から投入された扇原の一本の裏へのパスと、それにあわせた柿谷曜一朗のダッシュとボレーシュートで1点を奪って勝ちました。

――後半43分だった

賀川:ブラジル人FWのエジノに代えて杉本を入れ、MFの横山の交代で扇原が入ってからセレッソに流れが傾いた。横山はそれまでよく働いていたが、扇原は攻撃面で優れた選手だからね。

――セレッソでは南野拓実という18歳が出場していました。各年代の日本代表でも活躍しています

賀川:大きくはないが、体のバランスがよくて、上手なプレーヤーですね。まだ遠慮している感じがするが、次の試合あたりから自分のアピールポイントを出してくるでしょう。この日は14人がピッチに立ったが、そのうち6人がセレッソユースの出身だった。

――育成担当者はうれしいでしょうね。もっとももうひとつの強化策のブラジル人選手は目覚ましい働きとは言えなかった

賀川:ブラジル人との付き合いは1967年のネルソン吉村以来だが、プロになってからクラブ史に名を残すブラジル人選手は多くはない。まあこの試合の3人のブラジル人もこれからチームになじむのだろうが…

――韓国人のGKキム・ジンヒョンはよく働いています

賀川:この試合でもDFとGKのキムがずいぶんピンチを防いだ。

――他会場では、広島が浦和に負けました

賀川:高萩洋次郎を欠いたのが広島には大きなマイナスになったはずです。今の広島にはスーパーカップ以来の不安がないわけではないが、それは次の機会にしておきましょう。テレビで見た限りでは、浦和にはACLで負けた後遺症よりも、広島に勝つのだという強い気持ちがあったように見えた。レッズというビッグクラブがペトロビッチ監督の2年目でチームの方向性が見えてきた感じがするのはとても楽しいことですよ。

――20年というひとつの節目の開幕は、賀川さんにはどうでした?

賀川:私の68歳の時ですね。国立競技場での川淵三郎チェアマンの開幕のスピーチと、満員の大観衆に身震いしたのを覚えています。日産と読売と言っていたチームが、横浜マリノス、川崎ヴェルディと名を変えてプロフェッショナルとなり、木村和司やラモスやカズがプレーした。このオープニング試合の次は、マッチコミッサリー(現マッチコミッショナー)という役目で鹿島へ行って、ジーコの試合を見たのです。それから20年、チームの数が増え、毎年大量のプロフェッショナル選手が生まれてきました。Jリーグのイヤーブックも倍の厚さになりましたよ。

――20年の間に、2002年のワールドカップ開幕があり、代表は98年から4回続けてワールドカップの本大会に出場し、なでしこジャパンが女子のワールドカップに優勝し、またロンドンのオリンピックで銀メダルを取った

賀川:まだ超一流国とはゆかぬにしても、日本は世界のサッカーの一流国になろうとしています。Jリーグはその一流国のトップリーグです。

――サッカーという楽しみがあることと日本中に知らせてきたことは大きいと思います。もちろんレベルアップも必要ですが

賀川:スポーツをする楽しみ、見る楽しみ、語る楽しみは今の社会にとって、とても重要なものになっています。私自身も88歳になって、またまたサッカーを見て語ることの面白さに気づきました。サッカーを見る目も生の試合であれ、テレビであれ、時には自分でも不思議に思うほどの発見や感動があります。21年目のJリーグからもぜひそれを得たいと思っています。

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