ワールドカップでフットサル日本代表の活躍
――オマーンとのアウェー戦に勝ちました。ブラジルワールドカップのアジア予選のB組首位をキープし、あと1勝で本番へゆけるところに来ました。
賀川:ホームで強いと言われるオマーンを破った。それも大黒柱の本田圭祐のひどい不調というマイナスをかかえての勝利です。日本代表の底力でしょうね。
――このアジア予選とは別に11月1日からタイのバンコクでフットサルのワールドカップが開催され、、日本は初めてグループリーグを突破して16強に進みました。
賀川:ノックアウトシステムの1回戦でウクライナに6-3で敗れた。0-6から後半に3点をあげて追い上げたのだが…
――カズが日本代表に入ったこともあって、注目度を増しましたね。本大会では日本の試合はテレビ放映もありました。
賀川:セルジオ越後が1970年代の後半に、当時ブラジルで「サロン・フットボール」と言っていたこのスポーツを日本でも盛んにしようと提唱したころからですから、私とフットサルとの付き合いは結構長いのですよ。
――今年の前半でしたね。当時JFA副会長だった大仁邦彌会長がフットサルの担当でもあった時に賀川さんとsankeiSALの誌面で対談したことがありました。その日にカズがフットサルに加わるという発表があった。
賀川:偶然だったが、縁があったのですね。カズというプレーヤーはサッカーが好きなだけでなく、すごい努力家で、まじめで謙虚で誰からも好かれ、尊敬されている。それでいて負けず嫌いだから、フットサルの日本代表に入っても、プレーの面だけでなく、チーム全体にとって大きなプラスになると思っていましたよ。
――スペイン人の監督、ミゲル・ロドリゴの指導もあって実力アップした日本代表はグループステージではチャンピオンのブラジルに1-4で敗れたが、強豪ポルトガルと5-5で引き分け、リビアに4-2で勝って16強に進みました。ポルトガルに0-5の大量リードされた後の挽回は見事でした。
賀川:フィールドプレーヤー4人、GK1人という構成からGKもフィールドプレーヤーのように攻めるパワープレーで5点を奪ったのはすごかった。ウクライナとの試合はパスを奪われて先制されてから、結局6ゴールを失ったのが響いた。まあ強豪相手の連戦を目いっぱい戦ったということでしょうね。
――テレビ観戦はいかがでした
賀川:高いレベルの技術を見せてもらえたから、とても面白かった。ピッチが狭いほか、ルールにも違いはあるが、何といってもフットボール。サッカーの面白みと、この競技独特の楽しさがありますよ。
――日本では愛好家は300万人を超えると言いますね
賀川:狭いピッチでできる、少人数のチームで交代自由、といった点からも手軽に入ってゆけるスポーツですからね。
――愛好家が多いわりには日本のトップリーグの観客数はそれほど多くないようです
賀川:日本の試合でも、上手なプレーを見られますよ。見て面白いということが浸透していけば、観客も増えるでしょう。今度のテレビ放映がきっかけになるといいのだが
――賀川さんの目で見たフットサルワールドカップの印象は
賀川:11月14日の準々決勝はブラジル3-2アルゼンチン、コロンビア3-1ウクライナ、イタリア4-3ポルトガル、スペイン3-2ロシアとなっています。これまで6回のワールドカップでブラジルが4回優勝、スペインが2回優勝しています。今度のベスト4に残ったのも、この両チームとコロンビアとイタリア…サッカー強国ばかりですが、どの国もサッカーの競技レベル、個人的なボールテクニックの高いところとして知られています。
――日本も最近はサッカー選手の技術の高さが欧州で評価されるようになってきました。
賀川:いい傾向ですが、その技術の中でもシュート力という点では、フットサルも上位チームと比べると差があるようです。サッカーの日本代表が欧州の強化試合でブラジルに0-4で敗れたのと同様でしょう。ピッチが狭いので、日本サッカー特有のランプレー、つまり動きの量で個人力をカバーする割合が少し違ってくるでしょう。個人力アップと狭いピッチ特有の戦術面での向上がなお大切でしょう。ミスパスの禁物なのは、サッカー以上ですね。
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