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ロンドンオリンピック準決勝 メキシコ代表戦(後半)

2012/08/10(金)

賀川:日本の先制ゴールが12分、相手のCKからの同点ゴールが31分、この20分間は日本のシュートは15分の山口の1本だけだった。相手の守備ラインの前でパスをつなぎ、今度は第2列の山口が前進して東からのパスをダイレクトシュートしたが、右足のスイングで正確にボールを捉えられず得点にはならなかった。

――この山口のシュートの動作について意見があるのでしょう。

賀川:それは次の機会にして、試合の流れとしては
(1)相手が深い守備ラインをとった
(2)そのため、その前のスペースで日本はボールをキープし、シュートまで持ってゆけた。

――メキシコ側はこれは困ると…

賀川:じゃ中盤でプレッシングにゆけ、となる。

――前からのプレッシングは日本の特色だったが

賀川:どの国でもやろうと思えばやりますよ。体力的に続くかどうか。仲間との連携も大切。メキシコのサッカーというより、世界のサッカーの基本は1対1のボールの取り合いから始まっている。それがプレッシングに来るわけだから…

――アジアのチームは日本にプレッシングは効くと思っている

賀川:だから韓国はいつも自信を持っている。他の国々は韓国ほど体がもたないので、いつも仕掛けるとは限らない。

――攻め込み、押し込んでCKから同点にした。メキシコはこれでゆこうと元気も出る。

賀川:後半はじめ、日本が攻めた。右サイドを崩してクロスから山口のシュート、永井のシュートがあった。

――こういう自分たちの得点機に決まらないと苦しいですね。

賀川:相手はドリブルもうまいし、パスの精度も高い、再び押し込まれる形が続いて、後半20分にメキシコが2点目を取った。

――19分にメキシコがハーフウェイライン手前から左サイドへ深いロングパスを送った。タッチ際でチャベスが頭でボールを前へ突いて、ゴールラインぎりぎりから中へ返したが、それをペラルタがダイレクトでシュートした。

賀川:ペナルティエリア左角やや内側からだった。強いシュートが飛び、権田がキャッチした。防いだが、すごく迫力ある攻撃だった。メキシコ側のゴールへの執念と走力と技術が結集されたシーンで、日本DFは置いてゆかれたね。

――そのすぐ後にゴール。

賀川:権田がボールを蹴らずに中央30メートルの扇原に投げた。キックで前に蹴ってもすぐに失うと見たのだろうが。

――実はそこが一番危険だった。

賀川:後方から来るボールを受けた扇原に右からアキノが詰め寄り、扇原がこれをかわすと、そのボールを前方から寄せたペラルタが奪った。すぐシュート体勢に入り、右足で左上隅へ決めた。ボールを奪ってシュートし終わるまでノーマークの状態だったから、ペナルティエリア中央すぐ外からのシュートを代表のストライカーが失敗するはずはなかった。

――2-0になった。扇原は自分の処理がまずかったと悔やみ、権田は狙われている彼のところへボールを送ったのが失敗だと、それぞれ試合後に自分を攻めたようだが…

賀川:一瞬の判断ミス、ボールタッチの失敗が試合を左右する、それがサッカーの恐さでもある。疲れが重なっているところへ、押し込まれ予期しないピンチがあって、権田のセーブでそれを切りぬけたあと、チーム全体に空白が来たのでしょう。そういうのは第三者の見方だが、選手たちにはとても辛い失点となった。

――逆にメキシコは、してやったりですね

賀川:日本は点を取りにゆく。メキシコは守る。

――ここから後は、メキシコがしっかり守り、カウンターで来るというわけですね。

賀川:多数防御を崩してゴールを奪うという試合は、ロンドンの本番ではなかった形勢です。

――東に代えて、長身の杉本を投入し、その後清武に代えて宇佐美、扇原に代えて斎藤と新手を送り込んだが、ゴールを奪えなかった。

賀川:相手が守りに人数をかけたから中盤ではキープできるのにそこでもミスパスが再三出た。相手はファウルもし放題という感じになって、ボールはキープしても苦しいことになる。

――個人的に打開できる選手がいれば…

賀川:宇佐美のドリブルがこういう場面で流れを変えるほどであればいいのだが、そこまではゆかなかった。

――あと5分というところで斎藤が杉本に当ててリターンをもらい、シュートしたのがありました。

賀川:それも自分のいい形でシュートしたのではない。サッカーは恐いものでこちらに勢いがある時は小さな欠点も目につかないが、体勢がおもわしくないとこれまで目立たなかった欠陥があらわれてくる。

――アディショナルタイムがあと1分というところで、右サイドをコルテスに突破されて3点目を失った。

賀川:メキシコの2点目が試合のヤマと言えたが、そこから挽回することはできなかった。

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