ロンドンオリンピック ホンジュラス代表戦
U-23日本代表 0-0(0-0)ホンジュラス代表
◆控えに経験を積ませつつグループ1位を確保
――日本は5人を入れ替え、杉本健勇をワントップに宇佐美貴史、大津祐樹、齋藤学を第2列に、ボランチは山口螢と山村和也にした。DFは中央はこれまで通りの吉田麻也と鈴木大輔、右は村松大輔、左は酒井高徳でGKはいつもの権田修一。
賀川:なでしこの第3戦と同じようにすでに準々決勝への進出は決まっている。ここで控えのメンバーにプレーのチャンスを作るというのは定石でしょう。ただしD組の1位で準々決勝に進みたい。それには失点しないことで、中央の守り2人とゴールキーパーはちょっと休ませるわけにはいかない。
――D組2位ならC組1位のブラジルと当たりますからね。
賀川:メンバー構成に監督さんは苦心したことでしょう。チーム全体は強敵相手に2勝して士気が高まっているだろうからね。その空気を壊したくない思いもあるだろうし、。
――前半39分に大ピンチがありました。
賀川:(1)ホンジュラスのMFマルチネスが日本側の10メートルあたり中央右寄りからフワリとロブのボールを送り
(2)ボールはペナルティエリア内に落下してきた。
(3)トップのベントソンが左から斜めに走り込んで鈴木と吉田の間で胸トラップからシュート
(4)ボールは吉田の足のしたを抜けてゴールへ向かった
(5)権田がセーブ
(6)ゴール前に転がるボールにロサノが村松ともつれながら突っ込んできた
(7)権田が飛びついてしっかり抱え込んでピンチを切り抜けた
――ひやりとしました
賀川:シンプルなロビング攻撃だが、走り込むベントソンとの呼吸が合っていた。ひとつにはマルチネスに渡るまでに右サイドから横パスを2本つないで、こちらのDFラインの足を止めたこともあった。その間に誰もプレスに行かなかった。
――まあ前半はうまくゆかなかった。それでも時間とともによくなりましたが
賀川:宇佐美は大会前のメキシコ戦の前半以来だが、体の強い相手に対してやはりうまいと思わせる場面もあった。ホンジュラスの選手はモロッコほど大きくはないが、速くてボール扱いの上手な選手もいる。接触プレーにもふるまずに来るし、ファウルのやり方もなかなかのもの。そういう相手とのボールの奪い合いは宇佐美にはプラスになったはずですよ。もちろん不満なところもあるけれど、彼のキック力を見られたし、よかったと思う。
――後半に入ると日本側の動きがよくなり、相手の運動量が少し少なくなった。清武を杉本に代え、あと10分のところで、齋藤に代えて永井を送り込んだ。監督は点がほしかったのか。それとも2人の呼吸を確かめてみたかったのか。
賀川:短い時間でも試したいことがあったのだろう。永井は途中から入っても自信に満ち、堂々として見えた。清武からの長いパスをもらって左から侵入してシュートして、GKに防がれた。ボールを受けるのもシュートに入る動作もすっかり板についたという感じだった。
――30分以降だけで5本のシュートがあったが、ゴールできなかった。いいシュートもあったのだが。
賀川:シュートに関しては、ちょっと考えてみたいことが歩けれど、別の機会にしましょう。それよりも英国のピッチでU-23もなでしこもパスのボールが弱くて途中で奪われることが多いのが気になる。中盤での横パスやバックパスを取られてピンチを招いたこともあった。芝生のせいもあるが、大事な場面でボールを失うのはピンチのもとだから準々決勝に入る前に改善しなければならないでしょう。
――控えの実戦もあった。レギュラーも少しは休めた。それでグループ1位になったのだから申し分ない展開です。エジプトとの試合はどうでしょう。
賀川:エジプトはアフリカで最も古くからのサッカー国。オリンピックにも1920年のアントワープ大会に初参加している。当時ではヨーロッパ以外からの唯一の参加だった。1回戦でイタリアに1−2で負けている。メダルを取ったことはないが、私には東京オリンピックに出場し、4位になったことがアラブ連合という当時の国名とともに記憶に残っている。
この大会では、Cグループのブラジル戦(2−3)、ニュージーランド戦(1−1)、ベラルーシ戦(3−1)の成績が示す通り得点力のある強チーム。
――日本はまず守備でがんばらないと
賀川:そうなるだろうが、そのためにも前線からの積極守備が大切でしょう。試合を重ねるごとに厚みの増したU-23の総力戦で、まず第1関門を突破するでしょう。
――会場はマンチェスター・ユナイテッドのオールド・トラフォード。香川真司の新しいホームグラウンドというのも不思議な縁ですね。
賀川:そう。マンチェスターの目の肥えたファンの前で、シンジの母国としていい戦いをしてほしい。シンジを高く評価するユナイテッドのファーガソン監督は、彼の技術とともに頭の良さと労を惜しまないことを強調しています。U-23のシンジに負けない躍動でアフリカの古豪をおさえてほしいものです。
次はウェンブリーだからね。
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