EURO2012は面白い
――6月8日からはじまったEURO2012、テレビ観戦はいかがですか?
賀川:WOWOWのおかげでヨーロッパ選手権の全試合を見られるのだから、ありがたいし、楽しいね。
――1980年のイタリア集結大会から現地取材をしたのは日本では賀川さんだけでしょう?
賀川:30年前は雑誌社の人だけで新聞社の記者は日本から行っていなかったね。フリーのカメラマンたちの方が、数が多くて私は彼らのバイタリティに感心したものですよ。
――今度はポーランドとウクライナの二カ国開催ですね
賀川:1960年にはじまり、1976年までは準決勝に残った4チームがひとつの国に集まってファイナルトーナメントをしていた。80年からそれが8チームによる大会となり、84年フランス大会、88年西ドイツ大会、92年のスウェーデン大会の後、96年イングランド大会から16チームになった。
――ワールドカップの参加国が増えたように拡大していきました。
賀川:規模が大きくなって2カ国開催も増えた。2000年大会はベルギーとオランダ両国で2008年はスイスとオーストリアで。
――2004年はポルトガルでした。
賀川:ギリシャが優勝という大番狂わせだった。決勝で開催国のポルトガルが敗れ、ここの代表を長く支えてきたフィーゴが、デコが涙を飲んだ。若いクリスチャーノ・ロナウドは高い評価を受けた。
――2008年では、細かくつないでエリア内に攻め込むバルサ流のスペイン代表が優勝し、2010年のワールドカップにも勝って、バルサ・スペインのスタイルが世界中を魅きつけました。
賀川:ヨーロッパではチャンピオンズリーグというクラブによるタイトル争いがある。昔はチャンピオンズカップと言ったが、仕組みを変えてビッグクラブ、強豪クラブの参加が増えて、毎年人気を集めている。選手は国籍に関係なく選ばれる。ブラジル、アルゼンチンなどの南米選手、アフリカのプレーヤーも加わって来て、ハイレベルのチームの上位争いは毎年世界の注目を集めている。
――それでも4年に1回の国の代表の試合も人気がありますね。
賀川:何といっても国という単位でのスポーツの試合は、いまのエンターテインメントのなかでの最高のもののひとつですよ。特にヨーロッパのように国や民族の交流に長い歴史のあるところでは、その歴史的背景も加わって、互いに勝ちたいと思うからね。
――だから各国が大会を招致しようとする。
賀川:ポーランドやウクライナは、西欧からみれば、かつての東欧社会主義の国で、ソ連の崩壊で社会の情勢も変わった。UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)は90年代後半からそういう東欧諸国のサッカーに援助もし、発展を助けてきたのですよ。
――いま、欧州全体が苦しんでいますからね
賀川:そういう危機意識のなかで大会が行われ、多くの人が熱狂するのが面白いところですよ。ギリシャにしても何が起こるかもしれないという情勢のなかで、ギリシャ代表チームがこの大会に出場し、A組の第3戦で大国ロシアを倒して8強入りしたのですからね。
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