2014FIFAワールドカップブラジル アジア最終予選 オーストラリア代表戦 下
――レフェリーはひどかったと思いませんか。
賀川:不満を言っているのは日本だけでなく、オーストラリア側も同じでしょう。しかし、はじめに言ったとおり、主審の最低は最終のものです。その裁定について両チームとも異議を申し立てることはできないが、この主審についてはAFC(アジアサッカー連盟)やFIFA(国際サッカー連盟)の審判委員会が注目するでしょう。その問題については、そちらに任せることにして、一般論で行けばホームチームに1人退場という処分をすれば、その相手側に少し厳しくなって不思議はないというのも一般論になりますよ。
――埋め合わせをする、と?
賀川:そこまでは言わないがね…私が見た試合では、74年ワールドカップ決勝、西ドイツ対オランダ(2-1)でクライフを倒したドイツ側のファウルにためらうことなくPKを与えたテイラー主審がその後、今度は西ドイツのヘルツェンバインがエリア内で倒されたとしてPKを与え、1-1となったのだが、ヘルツェンバインは自ら相手の足にひっかかって倒れたというのが多くの見方だった。テイラーさんを引き合いに出すのは気の毒のようにも思えるが、そうしたこともありうるのがサッカーですよ。
――だからヨーロッパの監督はよく「サッカーではどんなことも起こりえる」と言いますね。
賀川:ミリガン選手の退場処分が前半だったから、ハーフタイムにザックさんは主審の判定がこちらに厳しくなるかも知れないから、エリア内での競り合いにはファウルと疑われるプレーをしないようにと注意したかもね。
――アウェーでレフェリーの判定など、いろいろあったが、まずは1-1の引分けはよかったということでしょうか?
賀川:日本の方が明らかに進化したサッカーを演じたこと、その進化があってもブリスベンでは相手のパワーサッカーを制圧できなかったことは確かだが、もう少し上達をすれば、こういう相手とのアウェーにも勝ちえるようになると思いますよ。
――そのためには?
賀川:今度も守りもよくがんばった。いいディフェンダーが育っていることも見せてくれた。しかし日本の場合、こういう体力勝負で技術もある相手には1点取られてもと、覚悟しておくべきでしょう。その失点を上回る得点力をつけること。2点目を取ることですよ。
――それにはシュート力向上ですね。
賀川:ヨーロッパでも特典は少なくなっているという人もいるが、日本はもっとシュート技術を磨き、シュートレンジで冷静にその技術を発揮する練習をするべきでしょう。チャンスを生む力はどんどん上がっているのだから、それを決める力を増すことでしょう。
日本サッカー全体の進化の先頭に立つ代表チームが、これまえの積み重ねの上に得点力を積み上げて、各層の選手に大きな刺激を与えてほしいものです。もちろん予選を突破し、本番でもいいプレーをしてほしいと誰もが願っているでしょう。まずは皆さんと6月シリーズはおめでとうと喜びあい、次の試合に期待しましょう。
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