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2014FIFAワールドカップブラジル アジア最終予選 ヨルダン代表戦 上

2012/06/09(土)

2014FIFAワールドカップブラジル アジア最終予選
日本代表 6-0(4-0) ヨルダン代表



――6-0の圧勝でした。前半27分にヨルダンの14番をつけたアブダル・ディーブが2枚目のイエローで退場し、10人となったこともあって、見ている側としては安心もしたが、ちょっと緊張感がゆるんだといえば贅沢ですかね?

賀川:選手たちは第1戦と同じように緊迫感をもってゲームをはじめて、それが先制ゴールにつながった。厚く守る相手から、早いうちに点を取りたいという狙いが第1戦と同じように成功した。

――その先制ゴールが前田遼一のヘディングでしたね。

賀川:試合の前にピッチに入ってきたヨルダンの選手を見て、オヤッと思った。第1戦のオマーン先週に比べて長身が少ないことだった。いまごろこんなことを言うのは不勉強でもあるが、そのとき瞬間的に今日はヘディングゴールもありと思ったね。そのあと、すぐオヤッが2つ続いた。

――何が?

賀川:4分に相手の背後へ遠藤保仁のみごとな浮き球のスルーパスがあった。岡崎慎司が右斜めから走り込んで受けた。ちょっと速く入ったものだからゴールを背にして受ける形になって…

――ああ、オーバーヘッドキックのシュートが決まりませんでしたね。

賀川:あれを決めれば最高だが、それよりも第1戦ではやや調子のよくなかったヤット(遠藤)の体調がもどったな、と感じた。もうひとつのオヤ?はその時の右CKを本田圭佑が蹴ったことだ。

――日本のCKは右も左もここのところ遠藤でしたからね。

賀川:彼は名古屋グランパスでデビューしたころから左足のキックは目立っていた。ノルウェー人のFWの上へアーリークロスのいいのを送っていたからね。

――右CKを左利きがければゴールに向かうボールも蹴れますね。

賀川:本田のキック力はCKの場合にファーポストまで狙って蹴れるでしょう。古い話だが、カズ(三浦知良)もキックは上手で、95年にウエンブレーの対イングランド戦の左CKを蹴ってニアサイドの井原正巳のヘディングでゴールを奪ったことがある。ただし、カズを含めて日本の選手のキック力ではファーポストまで楽にコントロールというわけにはゆかない。

――本田はそれができる、と。

賀川:右CKを本田が蹴ることになったのは、本田自身の発想なのか、監督の提案かは知らないが、第1戦と違う変化のひとつだった。

DFに吉田麻也という高い選手がいて、FWに前田がいるから、攻撃陣の中では長身でヘディングの強い本田にキッカーをさせてもよいという計算もあったと思う。

――本田の右CKは速いボールでゴール正面あたりで高いところから落ちましたね。

賀川:いわゆる無回転でなく、キリキリ回転しながら高く上がってから落ちてくる、中村俊輔の十八番に似た軌道だった。前田はしっかりとジャンプし、相手と競り合って自分の肩に当てた。その体の勢いでボールはゴールに飛び込んだ。

――この1点はききましたね。

賀川:ヘディングというより肩で押し込んだ直後に前田がコーナーの本田に駆け寄り、仲間も一斉に集まって祝福した。それを見ながら、本田のこのチームでの存在感とともに、右CKを彼が蹴ることにした意義をイレブンが理解し、期待していたあらわれのような気がしたね。

――22分に今度は本田が遠藤からのスルーパスを決めた。第1戦は2点目までに時間がかかったが、今度は4分後だった。

賀川:その前にもいくつかチャンスがあった。前の試合でも話したように、岡崎のパスを出すタイミングやコースがよくなって、右からの攻めもあった。長谷部誠の飛び出しも目立っていた。左側からの香川の強いパスを本田がダイレクトシュートし、場内がどよめくシーンもあった。

――香川は本田のダイレクトシュートを予想したのかな

賀川:ペナルティエリア近く、ゴール正面右寄りにあらわれる本田へ、強いグラウンダーを送ったから本田はノーマークで止める余裕もあり、そうなると次に香川は自分がもう一度受けることもできる。いろんなチョイスのための速いパスだったと思う。本田はそのボールの速さを利用して、左足でダイレクトシュートした。面白かった。これが入っておれば、彼にも香川にも日本サッカーにも新しい棋譜になるところだった。

――2点目も棋譜として残るでしょう

賀川:このゴールへの攻めは右タッチラインの本田のスローインから始まった。この直前に右でキープしパス交換があって、本田がボールを取ろうとした時に相手がスライディングタックルに来た。足を痛めるおそれがあったからだろう、本田はそこでがんばらずにマイボールのスローインにして、自分が投げた。
(1)すぐ後方の長谷部に渡し、
(2)長谷部は後ろへドリブルして内田へ
(3)内田は本田に渡そうとしてDFにカットされ、そのボールが
(4)より内側の後方、相手ゴールから30メートルやや右寄りの遠藤の前に転がった。
(5)内田のパスのインターセプトの後ボールは(ヨルダンから見て)前へころがったものだから守備配置にいたヨルダンの選手の目はすべて前を向いていた
(6)その守備ライン4人の中央にできたスペースへ向かって本田が右から走り出すと遠藤がダイレクトでパスを出した
(7)フワリと上がり、ヨルダンの第1防御ラインの上を越えたボールはペナルティエリアの1メートル前に落下
(8)本田はMFアブダラー・ディーブの前をすり抜け、
(9)DFアナス・バニヤシーンが伸ばした足の前を通ってきたボールを
(10)左足で正確にプッシュし
(11)GKアメル・シャフィの左わき下を抜いてゴール左下すみへ決めた。

――ボールがいったん相手側からはじき返され、相手選手の目が前を向いたときに本田が裏へ走り、そのスペースへ遠藤からのスルーパスが出た。構図として簡単ですが、バルサのシャビとメッシのそれに似ています。

賀川:そこまで言うとセルジオ越後に相手が弱すぎるといわれるかもね。さて、2-0となってまずこちらは気分的にも(高揚しつつ)落ち着く。相手は焦る。そういうなかで、2枚目のイエローカードでヨルダンに退場者が出た。

――長谷部とのヘッドの競り合いのときに長谷部の頭に相手の肘が当たった。腕を使ったという判断でした。

賀川:アフタータックルや腕を使うファウルなどが少し目立っていたからレフェリーもイエローを出したのだろうが、2枚目だったからここで試合としてはヤマが見えてしまった。

――もちろん日本を手を緩めずにプレーしたからではあるが、まず危なげなかった。

(続く)

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