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地方自治とサッカー(上)

2012/02/15(水)


――朝日ヶ丘での新しい生活にはなじみましたか。引越しの後も芦屋市民フォーラムなど忙しそうでしたね。上田亮三郎先生の出版(「やらなあかんことはやらなあかんのや! ―日本人の魂ここにあり」)やその記念パーティーにも関わったのでしょう。

賀川:それほどでもないが、まあ、前にも言いましたが、さすがに87歳で引越しするというのはいささか体力的にも大変だということがよく分かりました。おかげで、これまでの自分の生活がサッカーとそれに関するものを書くことばかりで、自分自身の日々の暮らしがどれだけ多くの人とつながり、どれだけ多くのモノにも頼ってきたのかということもよく分かりましたヨ。

――家の中のものを動かすということになれば、賀川さんの場合はまず図書資料ということが第一になるけれど、サッカーを考え、書くためには、そして日常の生活で健康を健康を保つためには……。

賀川:電気・水道・ガスといったいわゆるライフラインのことからベッドや机、イスを動かすこと、部屋の照明や調理のための道具、冷蔵庫、レンジなど、自分ではシンプルライフと考えていても、とても多くのモノと人に支えられて生きているということが、家を変わり、身の回りのものを整理し移転することでやっと分かりました。

――それはまあ、シンプルライフといっても87年生きているわけだし。そう、クローゼットを覗いたらネクタイだけでも100本以上ありましたよ。

賀川:うん、海外へ出かけて、昔はお土産品といえば有名ブランドのネクタイを税抜きで買って帰ることが多かった。そのときに自分用にと1本、2本と買っているうちに、知らない間にね……。それにワールドカップの記念のネクタイなども増えるから……200本くらいになっているのかなぁ。そうしたものも捨ててしまえばいいのだが、ほとんど使っていないのでつい、もったいないなと思う。

――山芦屋の家も20年以上の暮らしで、ことに阪神大震災のあとJRの駅に近いもう一軒の仕事部屋の図書を移したから、家中、紙の山になったわけですね。いや失礼、紙の山は賀川さんの口ぐせでしたね。

賀川:母親がよく、アナタは死んだら地獄の針の山でなくて紙の山に追いやられるよ――と笑っていましたネ。

――その引越しから2ヶ月経って、2012年も1ヶ月半がすぎました。サッカーもスポーツ全体も、国も世界もいろいろありました。

賀川:私のように平均寿命を超えている者は、まあ世捨て人に近くなるけれど、気になるのは大阪の橋下市長の提唱する地方自治ですヨ。間近な問題も大切だけれど、ぼつぼつこの国も自分たちの町のこと、自分たちの県のことはその市民が決める――そういう形にしないとダメだと私は昔から思っていた。

――これまで、ときどきそんなふうな話も出ましたが、こう面と向かっていわれるのは珍しいですね。

【つづく】

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