幻のサントス戦、思わぬ発掘物
賀川:それほど大ゲサな話じゃないのだが、1971年にペレとサントスFCを招く話があって、それが不成功に終わった――。そのとき神戸での試合用に印刷した入場券が我が家のどこかの机の引き出しに入っていたというわけです。
――ことしのトヨタカップの南米代表がサントスだから、面白い符合ですね。
賀川:ご存知のようにペレとサントスは1972年に来日して国立競技場で1試合だけ戦った。試合はサントスが3-0で勝ったが、とてもいい試合だった。ペレがまたすごいシュートを2本決めてネ。その2点目(チームの3点目)は歴史に残るシュートで、本人もとても喜んでいたよ。
――それを生で見たのですか?
賀川:国立競技場の記者席でね。後半だったから、メインスタンドから見て左側にあるゴールに向かってペレとサントスが攻めた。詳細は別の機会にするが、ブラジル代表を引退したあとまだサントスではプレーしていて、そのサントスの世界巡業という感じだった。
――それでもペレはすごかったと
賀川:満員の観客の前で日本代表も力いっぱい戦ったから、ペレ自身も気持ちが高揚したんだと思う。ボクは大型の双眼鏡で彼を見ていたからその気持ちの昂りや充実ぶりを察することができた。
――その話ももっとしてもらいたいのですが、71年の入場券に……
賀川:ブラジルの体協、つまりサッカー連盟とサントス側の話し合いがつかず、サントスの遠征ができなくなったのですヨ。そのあたりの事情は、当時のサッカーマガジンに牛木素吉郎さんが書いてくれているから、皆さんの参考になるでしょう。
――入場券には「50周年記念事業」と書かれています。90周年にあたる今年にそんなチケットが出てくるとはフシギなものですね。
賀川:何しろ神戸御崎中央球技場(現・ホームズスタジアム神戸)、券もメインスタンドやバックスタンドの自由席、立見席、生徒用など各種ある。
――40年前の思わぬ発掘品ですね。
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