おめでとう、なでしこジャパン
FIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会2011(6月26日-7月17日)
決勝
7月17日20時45分キックオフ ※現地時間
日本 2-2(PK3-1) アメリカ
◆幸運を引き寄せた諦めない心
――女子ワールドカップ優勝、なでしこジャパン、やりましたね。2011年7月18日午前3時45分(日本時間)からのNHK BSテレビにはとても興奮しました。
賀川:試合そのものもよかったね。開催国で大会の優勝候補であったドイツに勝ったあとから一気に勢いづいた。勝てるという保証はなかったが、澤穂稀キャプテンをはじめチームの心がサッカーの神様を惹きつけたとしか言いようがないね。
――幸運もありましたが、選手のプレーぶりも素晴らしかった。
賀川:19日に帰国した選手たちの記者会見(ザ・キャピタルホテル)が中継放送された。そのときに澤さんが、佐々木則夫監督のことを「強運の持主」といったら、監督はすかさず「強運の選手たちを持った」と返していた。自分たちが勝てたのは運もある――しかし、運を引き寄せるのは自分たちの力だし、何より最後まで諦めない気持ちだったと(自信を持って)言っているようだった。
◆“先輩たちの歴史のおかげ”自分たちの立場を知っての勝ちたい意欲
――女子選手の方が男子よりしっかりしているように見えた――という声もあるようです。
賀川:そういうふうに言いたい人もいるだろうね。その議論は別として、選手たちの多くが、この優勝は自分たちのすぐ上の先輩、あるいは自分たちが生まれる前から女子の代表チームで頑張ってきた人たちのおかげです、といっていた。
――合宿などで、女子サッカーの歴史をまとめたビデオを見せていたという話もあります。
賀川:澤キャプテンという、15歳から18年も代表チームでプレーしている先輩がいる。また、女子代表の歴史が比較的浅いこともあって、彼女たちには歴史が身近な感じなのだと思う。
東日本大震災で自分たちのチーム・東京電力のサッカー部が廃止となった選手もいた。
そうした環境のこともあり、選手たちは、いま自分たちがサッカーをするのは――ということも考えたハズ。歴史の意味、周囲の人たちへの感謝や気配りもあった。そういう点で、精神的にもタフというか、それこそ諦めないぞという粘りが強かった。澤キャプテン自身がメダルの手前で悔しい思いをしてきていることもあった。
――お得意の歴史ですね。
賀川:そう、先輩たちの歴史を身近に感じるという点では、この選手たちは1936年のベルリン・オリンピックの日本代表――当時はもちろん男子だけだが――あるいはメダルということでは1968年のメキシコ・オリンピックの釜本邦茂や杉山隆一たちもそれに近いものがあった。
――JFA(日本サッカー協会)の創設が1921年。ことしは90周年ですね。私たちにははるか昔の話ですが、ベルリン大会はその15年後だし、メキシコといっても47年後。
賀川:そういう意味では、なでしこの今度の快挙はJFA90周年のなかでの最大の功績の一つとなる。同時に日本女子サッカーの歴史のなかでも飛躍の最大のステップになるでしょう。
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