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あまり愉快でないオイルマネーの話

2011/06/20(月)

――土日に各地で日本代表の試合がありました。どれも見ごたえのある試合でした。

 ◇女子代表(親善試合)松山市
  日本 1-1 韓国

 ◇U-17(ワールドカップ第1戦)メキシコ・モンテレー市
  日本 1-0 ジャマイカ

 ◇U-22(オリンピック予選)豊田市
  日本 3-1 クウェート

賀川:女子代表は6月26日からドイツで始まる女子ワールドカップに出発する直前のリハーサルというところ。U-17はメキシコでのワールドカップの1次リーグB組第1戦――つまり本番の初戦だった。
 日曜日の豊田でのU-22代表は来年のロンドン・オリンピック アジア2次予選で、クウェートとのホーム&アウェー合計2試合で勝った者が最終予選に出場する。最終予選はまた4チームずつ3組に分かれてのリーグになるのだが、このクウェートとの勝負に勝たなければそこへゆけない。

――クウェートをはじめとする中東はオイルマネーをたくさん持っていて、強化のためにお金を使っていますね。2022年のカタールのワールドカップ、そして若手育成にも外国からの帰化選手にも……。最近も、ガンバのアドリアーノカタールのラッホイヤというクラブに引き抜かれるという話があります。これは代表ではなくクラブレベルの話ですが。

賀川:新聞などで見ると、先方のクラブが本人に高額を提示し、契約中の本人のガンバに対する違約金をも払うということになったという。違約金を払えば契約違反してもいいというところが、契約というものの面白さであり怖さだろうネ。

――4億円と伝えられています。
 ガンバは日本国内ではお金を持っている方で、アドリアーノは昨年セレッソで活躍しているのを、ガンバがより良い給料で誘ってことしからチームに加わったのですが、今度はもっと高いお金を払う外国にしてやられた。これまでも3人のブラジル人選手がシーズン途中に中東のクラブに移っています。

賀川:どことなく釈然としない感じもあるが、まあ、多くのブラジル人のサッカー選手は上手になって金を稼ぎ、親や兄弟、自分の家族により良い暮らしをさせることが第一で、短い選手生命のこともあり、高額の報酬を提示されればそちらへ動きたくなるのだろうネ。選手でなくて監督でもそういうこともあった。オシムが来日した1年目だったかにクラブハウスで立ち話をしたとき、「いまの選手は金のためにプレーするのだから」と言っていたことを思い出すよ。
 プロの選手でも監督でも金額が全てでなくて、人の絆とかチームとの相性とかを考えて行動する人もあるハズだが……

――といっても、目の前に大金が出てくれば……

賀川:日本から大金で中東へ移った選手がその後うまくいっているかどうかなど追跡してみるのも大切だろう。韓国から日本へ移ってきたプレーヤーは、驚くほどの報酬を得ているわけでもないが、多くはJリーグでいい働きをしているし、なかにはJを足場にして海外で成功した例もある。また韓国にもう一度戻ってそこで代表として最後に花を咲かせた人もある。ボクはそういう点で、日本のサッカーはまともだと思っています。
 大金で引き抜かれないよう防衛策を考える必要はあるだろうがネ、別の考え方をすれば、Jリーグで実績を積めば中東で稼げることが明らかになっているのだから、ブラジル人をはじめどこの国のプレーヤーにとってもJで頑張ることは大金を稼ぐ近道でもある。そういう点からも、ここでのプレーの大切さを強調して、契約についての条件も考えられるでしょう。

――セルジオ越後さんがそんなことも言っていました。

賀川:そのためにもしっかりした契約が大切。そしてこちらが弱気になるのでなく強気になることですヨ。

――ブラジル人の上手なプレーも見たいですが、日本はこの程度の選手に頼らなくても、いい国産のFWを生み出したいですね。

賀川:試合の話をするつもりが、ちょっと横道にそれた感じになったが、まぁいいところに落ち着いた。今度は試合のことに話を進めてゆこう。

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