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代表試合を見て(3)U-22代表[アウェー] (下)

2011/06/28(火)

ロンドン・オリンピック アジア2次予選・第2戦(クウェート)
日本代表 1-2 クウェート代表
    (1-0、0-2)

――日本は先制しましたが、その勢いに乗れなかった。

賀川:疲れのとれていない選手も多く、先述の一番新しくて強力なハズの永井謙佑もよくなかった。ピッチ状態も日本よりは悪い。
 クウェートは中盤は省略することが多く、自陣からあるいはハーフラインあたりからロビングボールを送ってそこで競り合い、次を拾ってそこから攻める。サイドへ散らしても、割合早いうちにクロスを上げてくる。まず日本のペナルティエリア近くでプレーしようとした。日本は中盤を省略されここでボールを拾えないから全体に下がり目となる。

――こちらも攻めて惜しいチャンスもありました。

賀川:後半の早いうちに、FKでハイボールの競り合いから落下したボールをボレーシュートを決められた。

――左足のいいシュートでしたね。

賀川:彼らはボールが浮いているときは、日本選手より自信を持っている。そのツボにはまったシュートになった。テレビの解説にもあったが、シュートまで時間があったのに誰もゆけなかった。2人いたがすぐに寄れなかったネ。一つプレーした後の、次のプレーに移るのが、この日は全体的に遅かった。

――そのあとPKで1-2となった。

賀川:試合の流れは90分間同じではなく、日本も目が覚めて1点を取りにゆこうとした。清武弘嗣の右から中へのドリブルシュートや東の惜しいシュートもあった。
 こういうコンディションで相手もそのつもりで頑張ってくるのだから、点を取られることもある。しかし試合の流れがこちらへ来ているとき、こちらの波が来ているときに取れないことの方が問題だネ。

――シュートの問題。

賀川:今度の2試合で、清武の働きは素晴らしかった。東慶悟の頑張りや第2列から前へ出てゆく頑張りはすごい。けれど、いいところへ入り込んでもゴールを決めないととてももったいないことですヨ。

――むかし、賀川さんがモリシ(森島寛晃)に話したのを思い出します。

賀川:サッカーはゴールへボールを入れる競技だからネ。清武にしても、中へドリブルしフェイクをかけて左へ流れながら最後のシュートを左足インサイドで蹴り左ポストの左外へ出している。ここで足首を寝かせて蹴るのか、立てて蹴るのかはその人によるけれど、どちらが自分にとっていいかも考えること。そして練習することが大切だろうね。

――最後に2試合を振り返って下さい。

賀川:何といっても突破したのだから、監督さんをはじめ選手の皆さんにはまずおめでとうをいわなければならない。先述のとおり、不満や改良点はあるけれど、ともかくロンドン・オリンピックの最終予選を戦う権利をつかんだのだから。是非ともロンドンへ行ってほしいネ。

――サッカーの母国、そして多くのスポーツの元祖は英国のロンドンですよね。

賀川:オリンピックのサッカーはワールドカップからみればU-22という制限つきだが、スポーツの本家でのオリンピック。出場することは選手の一人ひとりの人生にとってとてもいいことだと思いますヨ。

――ロンドンでオリンピックが開催されたのは1908年の第4回大会、そして1948年の第14回大会の二度でした。

賀川:1908年のロンドン大会からサッカーが正式種目となり、7ヶ国8チームが参加申込みをして、英国が優勝した(※編集注:ハンガリー、ボヘミアが棄権したため、実際の参加は5ヶ国6チーム)。
 1948年は第2次大戦が終わった3年後で、スウェーデンが優勝した。私たちの世代は戦争が終わってロンドン大会に参加できるかと期待したが、ドイツと日本は大戦争を仕掛けた国ということで参加できなかった苦い記憶がある。

――そう、1回目のロンドン大会は93年前で日本はサッカー協会も生まれていなかったし、まだオリンピックそのものにも参加していなかった。二度目のロンドン大会も不参加だったのですね。

賀川:そう、だから今度は日本サッカーにぜひ参加してほしいのですヨ。

【了】

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