12年間にわたりオリンピックに3回出場、銅メダルチームのキャプテンを務めた不屈の男・八重樫茂生 ~パーチョンを偲んで~
――八重樫茂生(やえがし・しげお)さん……あの1968年メキシコ・オリンピック銅メダルの日本代表チームキャプテンが5月2日に亡くなりました。八重樫さんのことは何度も書いておられますが、改めて、その功績を語り、プレーや人柄を偲びたいと思います。
賀川:日本のサッカー史のなかに大きな足跡を残した人ですヨ。代表チーム史上最大の功労者の一人――といって良いだろうね。
――56年のメルボルン大会、64年東京大会、68年メキシコ大会と12年間に3回のオリンピックに出場しています。
賀川:FIFA(国際サッカー連盟)が主催する最高の大会はワールドカップであることはよく知られているが、オリンピックはある時期、ほとんどのスポーツの最大の目標だった。そして世界でもオリンピック大会は権威があり、その大会に出場する、あるいは大会で勝つということは選手たちにとっても大きな実績だった。
――オリンピック・サッカーに3回出場の八重樫さんはすごいというわけですね。
賀川:1988年ソウル以後、U-23という年齢制限ができたから、サッカーではオリンピックに何回も出場するということは現在ではほとんど無くなっている。そういう制限の無かった時代でも、3回出場というのは世界で18人、そして12年間にわたっての本大会参加は世界で8人だけという記録がある。彼の長い選手人生のなかでの立派な勲章ですヨ。
――オリンピックで日本はアマチュア時代に1936年、56年、64年、68年と4回の本大会参加。U-23になってからバルセロナ大会(92年)は予選敗退で、このあとのアトランタ(96年)シドニー(2000年)アテネ(2004年)北京(2008年)と4大会連続で出場していますが、年齢制限もあってこういう記録は生まれませんね。
賀川:年齢制限のない女子のオリンピックでは澤穂希(さわ・ほまれ)さんの96年アトランタに始まる2008年北京までの12年3回の記録がある。彼女は来年のロンドンに参加すれば16年、4回になる。
――彼女はワールドカップも4回連続出場の大記録があります。
賀川:女子についてはともかく、早くから世界的に発達した(男子の)サッカーで、後発の日本にあって八重樫の記録は特筆ものということですヨ。
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