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AFCアジアカップ カタール2011 日本代表4度目の優勝(下)

2011/02/03(木)

――そういえば、賀川さんは内田篤人には厳しい見方をしますよね。

賀川:彼の資質からいけば、もっと上へゆけますヨ。

――ふーん。

賀川:スピードがあり、ボールテクニックがあるのだから、それを生かすための体の強さをつけなければならないのにそのままだった。ドイツへ行って、そのことの大切さを知ったと思う。テクニックにしても、彼ならもっと精密なプレーができるハズですヨ。

――その内田(出場停止)に代わって出場した伊野波雅彦カタール戦で逆転ゴールを挙げました。

賀川:バックラインにそうした変化と進歩があって、ボランチの長谷部誠キャプテンと遠藤保仁の二人が素晴らしい働きだった。南アフリカでもしっかりプレーしたが、この大会の二人の仕事にもまたまた感嘆した。

――二人のポジショニングのうまさで、DFラインは相手を囲んでとることができたし、攻めでもいいパスを出すだけでなくトップへ走り上がる見事な動きも見せました。

賀川:遠藤は彼の持つ独特の“間(ま)”の取り方で日本の攻撃に余裕を持たせるとともに相手のDFを「立ち止まらせる」という効果があるのだが、どうやら代表選手たちの間でそのことの理解が深まってきたようにも見えた。

――それも今度の収穫といえますね。

賀川:攻撃では先に話した香川という新しい力が加わり、前田遼一もレギュラーとなった。シリア戦の途中から(香川に代わって)ピッチに立った岡崎慎司が自分の粘りでPKを獲得(本田圭佑が決めた)して調子が上がり、第3戦の対サウジでハットトリック、そのあとは負傷(右太もも肉離れ)の松井大輔に代わって攻撃陣で頑張った。前田もサウジ戦で得点している。

――サウジがグループリーグ敗退が決まって元気がなかったこともありましたが……

賀川:こういうときでも手を抜かずプレーし続けたし、監督も控えを実戦に使えた。
 そして何よりこの大会では本田圭佑のラストパス――フィニッシュにつながるパスの能力を見ることができたのはとても良かった。彼も香川と同じようにこの大会でベストのプレーとはいえなかったが、それでも突破のドリブルやシュート、FKとは別に、プレーメークの才をタイトルマッチのなかで発揮したのは大したものですヨ。

――それぞれの具体的な事例は、次の機会に聞かせてもらいましょう。

【了】

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