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AFCアジアカップ カタール2011 vsサウジアラビア(上)

2011/01/19(水)

――5-0とはやりましたね。岡崎慎司がハットトリック、賀川さんが気にしていた前田遼一が2得点です。

賀川:サウジアラビアは、このアジアカップで日本と並んで3回優勝の実績を持つアラブのサッカー大国。この大会の開幕前の予想ではグループBでは日本の一番の強敵だと言われていた。2007年大会でもイビチャ・オシムと日本代表は準決勝でサウジに2-3で負けている。

――2007年はベトナムなどが会場で、イラクが戦争のハンディを乗り越えて優勝しました。そのときの決勝の相手がサウジでしたね。

賀川:そうした過去の実績があっても、今度はB組で連敗してグループリーグ突破の望みは無くなっていた。

――そういう相手に対しての岡崎の先制ゴールは効きましたね。

賀川:それまでに日本は前田遼一に2度シュートチャンスがあった。1本目は岡崎からのボールを受けて、DFをかわしてシュートした。GKワリード・アブドゥラの正面だった。2本目は左の香川真司からのパスを受けてのもの。右へパスを送るテもあるがシュートを選んだ。だが相手に絡まれシュートできなかった。そんな惜しいチャンスと、その後の嬉しくない内田篤人へのイエローのあとで1点目が生まれた。

――遠藤保仁からのパスでしたね。

賀川:
(1)左タッチ際の長友佑都から香川-柏木陽介と渡り
(2)柏木が後方の遠藤に戻したのを
(3)遠藤がダイレクトで右足で蹴って相手DFラインの背後へ落とし
(4)右から中へ走り込んだ岡崎がノーマークで取って
(5)バウンドしたボールをボレーでタッチして浮かせ
(6)飛び出してきたGKワリードの上を抜いてゴールへ入れた。
 飛び出し屋の岡崎の特長を生かした見事な遠藤のパスだった。

――遠藤は冴えていますね。

賀川:第2戦の不利な状態のときにも冷静だった。香川や前田、岡崎たちのそれぞれの特長を見ながら、どのようにボールを配るかができるプレーヤーだからね。このプレーは実はスロー映像で見直すととても興味があるのだが、長くなるから2点目にゆこう。

――13分には香川がドリブルして左タッチ際から中へドリブルして送ったクロスを、ファーポスト側にいた岡崎がダイビングヘッドで決めました。

賀川:これはセレッソ時代から香川が見せていた十八番(おはこ)のドリブルとパスのコースですヨ。相手の攻めを中盤で日本が奪って、遠藤が左に開いていた香川にパスを送ったところからこの攻撃が始まった。
(1)遠藤からボールを受けた香川は、相手ゴールラインから40m、左タッチラインの内側数mのところでゆっくりキープ。相手側2人が向かってくると
(2)縦にドリブルし、その外を長友が走る。
(3)香川は右足アウトで内側(いったん後方へ)へ切り返し
(4)ペナルティエリア左角の数mの位置から中央へクロスを送る。ペナルティエリア内には前田が中央、左外に岡崎、そしてそれぞれに一人ずつ相手のマークがついた。
(5)ボールは前田を越えて、その背後へ走り込んだ岡崎へ。岡崎は飛び込むような形でヘディングし、ゴールキーパーの右を抜いた。

【つづく】

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