AFCアジアカップ カタール2011 準々決勝 vsカタール(下)
――カタールに取られた1点目はどうです?
賀川:いつも言っているように、組織防御をいくら強調しても、守りの基本は1対1の対応にある。この場合はテレビでは見にくいが、オフサイドをかけ損なったのか、あるいはレフェリーが見逃したのか、いずれにせよセバスティアン・スリアにDFラインのウラに走られ相手の後方からのロングパスで一気に突破されてしまった。
――それでも、左ポスト近くでセバスティアンが中へ切り返したときに吉田麻也が追いついたように見えました。長友もいたかな。
賀川:せっかくシュートコースに立ちはだかったように見えたが、セバスティアンの左足シュートは吉田の足の間を抜けてゴールへ飛び、GK川島永嗣は左手に当たったが防げなかった。
――1対1の能力アップを監督も選手も口にしています。
賀川:攻撃も強い相手との対応が大切だが、こちらの方はボールを持っている(味方がボールを持てば攻撃だが)形で、それについての練習はある程度自分たちで工夫できる。だが、守りでは強い相手あるいは適当な相手との対応を経験することが上達の一番の早道ですヨ。もちろん、肉体的な素質やそれを鍛える努力も大事だが、いろいろな強い相手との対決によって経験を積むのがいい。
吉田にとってこの日のウルグアイ人(カタール国籍に帰化した)のセバスティアンは体も大きく、ボールの競り合いも狡猾でちょっとやりにくい相手だったろう。密着マークを逆手にして体を寄せられ、そのためにファウルを取られたりもした。
――10人になって2-1とリードされるという大ピンチを跳ね返したことについては素晴らしいですね。
賀川:成長過程のこのチームと選手に不満もあるし、まだまだ改良点はいっぱいあるが、ハンディのなかで自分たちの力を信じて攻めに出たところは立派なもの。その体力と気力は誇っていいと思う。そしてそのゴールにも、こちらの個々の選手の良さが組み合わされているのが良かった。
――2点目、3点目はまた後ほど解析してもらいましょう。
【了】
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