« 滝二の優勝に思う ~2011全国高校選手権~ (上) | トップページ | AFCアジアカップ カタール2011 vsシリア »

滝二の優勝に思う ~2011全国高校選手権~ (下)

2011/01/14(金)

◆ゴールを奪えるチーム同士の見応えある決勝

賀川:3点目はゴール前に上がったボールに2トップだけでなくもう一人が入って3人が壁のようになったから、久御山のDFもGKも満足にとれず、こぼれ球を本城がシュートして決めた。3-0となっても久御山は諦めずに3分後に1ゴールを返したから試合はさらに面白くなった。

――点を取ろうと前掛かりになってくる相手の裏へ浜口が飛び出し、一発のパスを受けて4-1。誰もが勝負あったと思ったでしょう。

賀川:このあと滝二は同じようにノーマークシュートの場面をつくりながら追加できず、久御山が後半の31分と39分に2点を取って追い上げたのはすごかったネ。

――中盤でドリブルの多かった久御山がパスで中盤を攻め上がり、ゴール近くでドリブル主体で攻め込むようになりました。

賀川:新聞の見出しに“京都のバルサ”とあったが……ドリブルの集団性という点ではアルゼンチンのようでもあった。それはともかく滝二のディフェンスも体が効かなくなった。

――テレビの「守り抜けるでしょうか」という声を聞きながら、賀川さんは「5点目を取らなアカン」と言っていましたよね。

賀川:相手は攻めてくるのだから、ここで1点取ればいいんですヨ。

――その1ゴールを樋口が取った。

賀川:アディショナルタイムに入っていた。中盤でパスをつないでいた久御山が、またドリブルするようになった。それを滝二が奪い返して攻める――というやり取りが2~3回続いて、交代で入っていた恵龍太郎が久御山側の25メートル右寄りあたりで相手ともみ合ったとき、後方から樋口が走り込んできた。競り合ったボールが高く上がって、ペナルティエリア内に落下するのを樋口が先に落下点に入り、飛び出してきたGK絹傘を右に外してシュートした。彼の得意の角度だったから、シュートは強く、ゴールカバーに入ろうとした久御山のDFも取れなかった。

――最後まで白熱した試合は、樋口のゴールで勝負ありでしたね。

賀川:前半のようにパスが上手くつながって、というのでなく、力づくで取った感じだったが、ここにも滝二のカラーがあったように思う。

◆全国にいチームがたくさん出来、いいプレーヤーがたくさんいた大会

――関西人、神戸一中OBとして、また黒田先生を神戸FC時代から知るサッカーの先輩として、色々な思いがあるでしょう。もちろん、この若者たちのプレーに不満な点もあるでしょうが、それはまた次の機会にして今回は……

賀川:まず滝二のみなさん、おめでとう。兵庫のみなさん、関西のみなさんおめでとう。近畿勢の決勝を国立でやれたということも嬉しいことですヨ。
 今年の高校選手権ではたくさんのいいプレーを見せてもらった。日本サッカーの若年層の育成がいよいよいい時代に入っているように感じ、とても楽しい大会のテレビ観戦だった。

――ヴィッセルもJ1で戦えること、香川真司という誇るべきプレーヤーが伸びる年でもあり、2011年は神戸も関西もいい年になるでしょう。


【了】

固定リンク | ユース/高校 | コメント (0) | トラックバック (0)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 滝二の優勝に思う ~2011全国高校選手権~ (下):

コメント

コメントを書く