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89年の歴史の歩みに乾杯! 殿堂入り表彰式と9月10日、JFA創設の日を思う(上)

2010/09/17(金)

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――殿堂入りの式典はいかがでしたか。9月10日のJFA(日本サッカー協会)創立記念日の催しで、賀川さんはこれまで殿堂委員で選考する側でしたよね。式典にも毎年参加されていたのが、今度は表彰される側になったわけでしょう。

賀川:立派な先輩やいい仲間、後輩に恵まれて自分が育ってきたサッカー界のこと、その先輩や後輩たちのことを皆に知ってもらいたいと書き記したり、日本や世界のサッカーの見聞を文字にしたりといった、いわば好きなことをしてきただけなのに、表彰して頂くとなると気恥ずかしい感じがしますヨ。
 小倉JFA会長からレプリカをもらい、大畠さんや浅見さん、モクさん(鈴木良三)、それに落合選手、故・ネルソン吉村の息子さんたちと一緒に表彰されたのですが、取材のときの図々しさよりもその気恥ずかしさの方が先に立ったらしく、大ベテランのアナウンサー、金子さんのインタビューでもあまり気のきいた話を返していなかったような気がする。

――何か言いたいことがあったでしょう?

賀川:こういうフットボールファミリーの集まりのとき、とくにJFAという日本サッカーのために働いている人たちとそれを囲むメンバーに「ここまで日本サッカーを発展させてくれてありがとう」と言うハズだったのが、どこかへ消えてしまった。

――日本サッカーに不満も多いのに……

賀川:もちろん、欲を言えばいくらでもあります。しかしベースボール、野球というスポーツがひと足早いうちに盛んになってしまった日本で、野球とは全く異質の競技であるフットボール、サッカーがこれほど浸透し、レベルアップしているのは実はすごいこと――世界でも例外的なのですヨ。

――まあ、野球は世界でそれほど広まっていませんが。

賀川:USA(アメリカ合衆国)で始まった野球は、太平洋を西へ渡って日本、そして日本を通じて朝鮮半島の韓国へ、一時的にアメリカ領であった南のフィリピンにも広まった。北米大陸ではメキシコの北部とカリブ海の島々、つまりUSAに近いところに浸透した。北隣のカナダもそうです。
 野球は手でボールを扱い、バットで打つ。ベース(塁)をまわってホームへ戻ると1点となる仕組みを決まった回数プレーすることで試合が展開してゆく。ストライク3回なら1アウト、ボールが4つになると進塁できる。3回アウトになると攻撃交代となる。
 サッカーは手を使ってプレーしてはいけない。競技は一定時間内で終わる。すべてが野球と反対。プレーそのものが停止球、まずピッチャーが投げることから始まり、一つのアウト、一つのヒットごとにプレーは中断し、また投球から始まる。つまり全ていったん停止してから再開する野球に比べると、フットボールは何から何まで違うスポーツです。だから、野球の楽しみを覚えた人がサッカーを面白いと感じるのはそう簡単ではない。
 そういうなかで、JFAとそれを支える人たちは今のようにサッカーを発展させてきた。そのことにまず自信を持ち、自ら「相当なことをしたのだ」と思ってほしいし、それに関わってきたお互いを讃えていいと思う。

――なるほど……。


【つづく】

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