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ヨハン・クライフの“弟子”と“後輩”の戦いにクライフの心情を思う(下)

2010/07/15(木)

――協会や指導者の考え方ですかね?

賀川:いささか不勉強でそこまでは語れないが、2006年ドイツ大会でもファンバステン監督の代表チームが最後になるとロングボールでゆきだしたのには正直言って、まだこれをやるのかと思ったネ。

――勝ちたいという気持ちがあるのでしょうが……

賀川:スペイン代表は、オランダ代表に比べると小柄な選手が多く、その小柄の特長である「敏捷性」と「短い足は、長い足より早いタイミングでボールを蹴れる」という特性、さらに小兵選手の足は小さい(サッカーシューズも小さい)からボールをインステップで捉えられること、アウトサイドを使いやすいことなどといったボール扱いの技法にオランダとは少し違ったところがあり、その技術と体力――近代のプロは90~120分走り切る体力・走力が要求されている――が練り上げられていること――もちろん一人ひとりのバランスの良いこと――といった良さが随所に出ていた。
 試合の終わり頃に、右からのスペインのクロスをオランダのDFが自分の足元に来ているのに止められなかった場面があるが、これなどは明らかに長身選手の不利が出ていた。

――それでも、決勝は120分で1-0。スペインの得点量は少なかったですね。

賀川:ボールをキープする、今でいうボールポゼッションの率が高ければ、その間に動いていても相手より疲れないし攻められないのだから、相手の動きが鈍くなった時期(早い遅いは別にして)にゴールすればいいという考え方もあるが、今回は必ずしもそうではなく、やはりフェルナンド・トーレスというストライカーがケガなどで不調のままだったことが響いているのでしょう。
 彼は身長もあって、シャビイニエスタたちとは別のテンポの動きをする。だから相手は対応しにくい。ビジャ(ビリャ)はゴールゲッターではあるが、イニエスタたちとテンポが似ているプレーヤーだから、異質なトーレスが働けなかった分だけゴールという点で損をしていたように推察しています。

――今回はここまでにしましょう。具体的な話を含めて、第2回を早く聞かせて下さいね。

【了】

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