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2022年のW杯を日本で。大阪中心部に新しいスタジアムを

2010/07/23(金)

2018、2022ワールドカップ立候補地
 2018、2022
 イングランド、スペイン/ポルトガル、ロシア、ベルギー/オランダ、アメリカ

 2022のみ
 日本、韓国、オーストラリア、カタール

――Jリーグが再開され、遠藤保仁田中マルクス闘莉王たちがいいプレーを見せています。

賀川:日本代表の活躍で大会そのものの人気も高まった。また、大会中に民放各局が自分たちの放映カードのバックアップ(視聴率アップ)も兼ねて多くの企画番組を放送したこともあって、露出という点では2002年の日韓共催のときより多いように見えた。いずれプロモーションから色々な数字が発表されるハズだがね。活字メディアも、大会の特集号が書店に並んでいる。

――さて。2022年大会の招致でFIFA(国際サッカー連盟)の視察団が来日していました。

賀川:チリの会長さんが団長で、この人たちは9月まで世界中の候補地を回るようだ。理事会での開催地決定は12月2日という。

――いまは各大陸の持ち回りというルールが撤廃され、直近の2大会を開催した大陸以外の全地域から立候補できます。2010年南アフリカの次、2014年はブラジル(南米)だから、ヨーロッパとアジア、北中米カリブ海地域からの立候補となりました。
 また、これまで1大会ずつ選んでいたのを、2018年、2022年の2大会を同時に選考する方式になっています。連続して同じ大陸での開催はできないことになっているので、2018年大会がヨーロッパのどこかに決まれば、2022年はアジアか北中米カリブ海か、ということになります。

賀川:そのアジアから、日本以外にも韓国をはじめ3つの国が開催を希望している。アメリカ合衆国もここに加わるから、なかなかの競争ですヨ。

――日本の招致案では、大阪に開幕と決勝の会場を持ってこよう、ということのようです。関西としては歓迎ですが……

賀川:大阪駅近くの、いわば市の中心地に新しいスタジアムをつくる。グラウンドという広場を持つ堅固な建造のスタジアムを持つこと、そして収容人数に合わせた周辺の広場、道路ということを考えると、大阪の中心地にスポーツのスタジアムを置くことは、阪神大震災の例からみて、とても大切です。広いグラウンドは、災害時のヘリの発着、物資の集積などの点から見ても必要でしょう。
 もちろん、大観衆を集めるサッカーと同時にすでにオランダなどでも見られる、スタジアムそのものがショッピングセンターと結びついているやり方もあり、関西経済を元気づけることにもなるでしょう。

――関西には甲子園という野球のメッカがあります。東京では後楽園球場とは別に東京オリンピックの国立競技場があり、また、オリンピック誘致を目指して大スポーツセンターの計画もできています。地方の時代というのなら、関西にもこういう施設がほしいですね。

賀川:70年の大阪万博が終わったあと万博公園ができたのだが、そのときにも関西のスポーツ団体が署名運動をして万博跡地にスポーツ施設をつくれ――という運動をした。そして、ささやかな陸上競技場がつくられた。それが93年のときにガンバ大阪のホームスタジアムとなったのですヨ。
 ガンバをバックアップする松下さんの力でピッチが整えられ、スタジアムが改修された。もともと規模の小さいものだったから、いまのガンバの人気からすると手狭な感じはするが、それでもあの場所にサッカーのできる陸上競技場があったからこそ、とりあえずガンバ大阪のホームスタジアムになったわけだ。

――今回は計画も大きいだけに、関西総力という感じで力を入れたいところですね。

賀川:それには、まずサッカー人が立ち上がることですヨ。もちろん2022年を招致できるとは決まっていないが、そうでなくても、大阪の中心部に人が集まるサッカースタジアムを持つことは、先ほどからの話のように、経済効果、防災効果とともにエコを標榜するスタジアムはとても意義がありますヨ。

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