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コートジボワール戦を終えて(続)

2010/06/10(木)

◆ゴールを背にした選手が簡単にバックパスを選ぶ。なんともったいないことだろう


賀川:前回は本番への気持ちの問題について申し上げたが、もう少し、サッカーの細かい技術についても。この話があるいは参考になるかもしれない。

――コートジボワール戦のどこかの場面についてですか?

賀川:0-1となってから23分頃だったか、右サイドで阿部と本田でボールを奪い、本田が突っかけた。そこからしばらく攻勢が続いた。ペナルティエリア左外で、遠藤がボールを受けて中央左寄りの大久保に渡し、大久保はシュートできるとみて中央の阿部に渡した。

――阿部も相手に詰められました。

賀川:それでもシュートして、正面のDFに当たった。そのリバウンドがエリア内で左へ転がった。そこに日本選手がいた。相手側の5人、ペナルティエリア中央から右(日本側から見て)の方へ偏っていて、ボールが転がったところには日本側一人だけ。走り込んでいた長友だった。彼はゴールを背にした姿勢で、このボールを後方の大久保にバックパス。大久保はキープして左サイドに開いていた長谷部へ送り、長谷部がクロスを中へ入れたが、仲間に合わなかった。

――それで、

賀川:僕が不思議だったのは、ゴールを背にしてボールにタッチした長友が、ためらうことなくバックパスしたことだ。大久保もフリーでゴールの方に体が向いていたから正解のようだが、僕はバックパスでなく、何故このボールを受けて反転してシュートへ持ってゆかなかったのだと思った。
 自分がチームの一番先端にいる。周囲に敵もない(いても、少し距離がある)となれば、ターンしてゴールの方を向けばノーマークシュートになったハズ。もしターンが遅くて相手が潰しに来たとしても、相手側をギクリとさせることになったハズだ。とてももったいない瞬間に見えた。
 もちろん、テレビの画面で見る互いの距離感覚は実際のピッチ上とは違う場合もあるから、私の見方が合っているかは現地にいた人たちに聞いてみなくては分からないが、少なくとも私のように古い世代のサッカーをやった者は、せっかくペナルティエリアの中にいて、偶発的にボールが自分の足元に転がってくれば、体がどちらを向いていようとまずシュートする方に気がゆくのだが……。
 サッカーは複雑な競技でもあるが、きわめてシンプルなスポーツでゴール近くでボールをもらえばまずシュートだろうと思っている。

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