コートジボワール戦を終えて(上)
国際親善試合
6月4日12時25分キックオフ(現地時間)スイス・シオン
日本代表 0(0-1、0-1)2 コートジボワール代表
得点 コートジボワール:オウンゴール(13)コロ・トゥーレ(80)
――コートジボワール戦、2失点はともにFKからでした。1点目はペナルティエリア外のFKをディディエ・ドログバが蹴り、壁に入った岡崎慎司に当たった。そのボールがエリアの中央近くにいた田中マルクス闘莉王の足に当たって方向が変わり、オウンゴールとなった。
2点目は後半35分だったか、ペナルティエリア右角外10m辺り、右寄りのコートジボワールのFKをシアカ・ティエネが左足でゴールに向かう速いカーブボールを蹴って、ファーポストのゴールエリア内に落下し、コロ・トゥーレが決めた。
賀川:1点目はリバウンドを止めようとした闘莉王に当たったわけだから、彼がそこにいたポジションはほぼ当たっていた。ただし、ボールが予想より速かったのかもしれない。2点目は相手の蹴ったボールのコースの読み違いでしょう。GK川島永嗣の仕事になるだろうが、一般論でいえば、左サイドでプレーしている左利きのティエネが右サイド(相手側の)へ行って蹴るのだから、いわゆるフックボール(カーブ)で曲げてくることは予想しなければいけないハズです。
カメルーンと戦うための準備試合なのに、コートジボワールの個々の選手についての情報の集め方ももう一息のように見えた。
――コートジボワールとは2年前、2008年のキリンカップで南米のパラグアイと日本代表とともに3チームのグループリーグに参加して、日本代表は1-0で勝っています。
賀川:このあとのパラグアイ戦を0-0で引き分けて、キリンカップ優勝ということになった。イビチャ・オシムの病で岡田武史監督となってから8戦目だった。
このとき、コートジボワールは主力の7人が来日しなかった。そのときと今度の対戦に出場していたのは5人だね。ドログバやカルー、ヤヤ・トゥーレといった有名選手はいなかったが強いチームだった。
――今度はそれが本番前で顔をそろえてきました。プレッシングもしっかりやってきた。
賀川:今回、日本側は高地対策をはじめフィジカルトレーニングをしっかり行なった後だから、全員の調子はまだ高まっていない。そのこともあって、前半の早いうちはボールを持たせてもらえなかった。
コートジボワールがFKでゴールし、すぐその後にドログバが負傷退場して一息つく恰好になり、日本側がキープできるようになった。先制されたゴールのFKも、こちらの横パスが相手のプレッシングで奪われ、そのあと後手後手(ごてごて)に回って起きたファウルからだった。
◆本番に向けて選手それぞれの調子も把握できた
――中村俊輔が後半に出場しました。
賀川:実のところ、今の日本代表の一番の問題は彼の調子がどうか――ということだろう。足の故障が完全に回復しているのか、故障の足だけでなく彼の体全体に疲れがたまっているのではないか――と心配する向きは多い。岡田監督にとっても、俊輔中心でこれまでやってきたチームを彼ナシで本番を戦うのかどうかということになる。
――岡田監督は98年にも三浦知良、カズの難問がありました。
賀川:そういうこともあったネ。遠藤も決していい状態とはいえない。休めば回復するのかどうか――。
――大変ですよね。
賀川:しかし、大会直前であるとしても、本番前に主力選手の調子がいいにしろ悪いにしろ、監督コーチがそれをしっかり把握するのはとても大事なこと。その点では、今年に入ってキリンチャレンジカップなどで日本選手のコンディションを見ることができたのはチームのスタッフにはとてもいいことだ。選手の調子を掴めば、今度はチーム構成、選手の組み合わせを変え、守りや攻めの方策を立て直すことになる。充分ではないが、そのテストもコートジボワールを相手に試すこともできたでしょう。
――だから、負けても決して悪いばかりではないと……
賀川:監督にすれば、選手たち一人一人の状態を掴めたと思う。
――しかし、中村俊輔をもし不調で試合に出さない方がいいと判断するようなことになれば、すごいことですね。
賀川:あらゆる点を考慮して決定するだろう。もう1週間あれば完全回復ということもあるかもしれないしネ。そこは監督の決心でしょう。
【つづく】
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