日本で見るワールドカップ
――それで賀川さん、今回の大会は……
賀川:フリーランス記者として、まずJFAの許可をもらい、FIFAのOKをもらい、例によって全期間取材に出かけるつもりで準備した。僕の級友の故・岩谷俊夫の次男の砂田純二クンが旅行の専門家なので、2006年のときと同様、旅程を組んでくれて、6月7日、関西空港発の航空機に乗ればいいことになっていたのだが……
――腰の具合ですか
賀川:生田ドクターのおかげでリハビリにも精を出すようにしていたが、調子は良くない。今年は寒さが長かったのかもしれない。他にも不調のところが出てきて、これでは現地で仲間の足手まといになる恐れもあると考えて取りやめにした。
ボクは1974年以来、9回のW杯は全て現地へ出かけていた。2002年は日韓共催だから、日本にもいたけれどほとんど毎日のように飛び回っていた。だから、日本が参加するようになって、日本にいて、テレビや新聞の放送を通じて大会の模様を見るというのは実は初めての経験なんですよ。今回、周囲の皆さんのおかげで進めた現地取材を取りやめるのはまことに残念だったが……。
サッカーマガジンの連載は、これまでの『ワールドカップの旅』でなく、大会中は『日本で見るワールドカップ』ということにさせてもらい、このブログで十分書き込みたいと思っている。どんなものになるか――これまでとは取材のやり方がまったく違うけれど、また異なる面が出ればいいと思っていますよ。
――1970年のメキシコ大会も、FIFAのアクレディテーションを取りながら結局行かなかったのですよね。
賀川:あのときは、当時のサンケイスポーツの編集局長さんに「運動部長のキミがいなくては新聞を作れないじゃないか」と1ヶ月間留守をしたいという願いを却下された。今度は誰も止めないのに、自分の体の声「やめなさい。何かあったときに周囲に迷惑をかけることになる……」が出発を押しとどめた。
――この大会で、賀川さんは何が見たいですか?
賀川:大会の全てですヨ。
しかし、まず見たいのは……今年の大会はいいストライカーが多い。クリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル)リオネル・メッシ(アルゼンチン)ディディエ・ドログバ(コートジボワール)ウェイン・ルーニー(イングランド)フェルナンド・トーレス(スペイン)ルイス・ファビアーノ(ブラジル)などなどサッカー好きならすぐ10人程度の名前が出てくるでしょう。
守備の戦術や技術が高くなり、ゴールキーパーという「専守」のポジションの選手の体格が良くなり能力が上がってきた現代の一流の試合では、手を使わないでゴールへボールを叩き込むのはなかなかのことだ。その仕事で、日頃のリーグや欧州チャンピオンズリーグあるいは国際試合で実績を積んでいるプレーヤーの活躍を予想し、実際に、あるいはテレビ画面で見るのは、舞台が大きいだけにとても面白いものです。
――どこが優勝するかは
賀川:大いに興味はありますが、ヨーロッパのブックメーカー、つまり「賭け屋」の予想を見るのはとても参考になりますヨ。
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