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コートジボワール戦を終えて(下)

2010/06/09(水)

◆全力をつくせば、これまで蓄積してきたプレーのいいところが自然に出てくるもの


――それにしても、対セルビア0-4、対韓国0-2、対イングランド1-2、対コートジボワール0-2と、4試合で1得点ですからね。

賀川:今の日本代表は、全員がベストの体調でしっかりと気合が入る試合をしなければ、どこと戦っても簡単にゴールを奪うことはできない。点を取るというのは、どうして取るかという前に、誰が取るかというのがあるわけ。それを確立しなければね。

――岡崎慎司が一番多く取っています。

賀川:ほとんどが相手の裏へ走り込む、外からあるいは後方からのボールへのダイビングが一つの型ではあるが、一つの型だけだから相手には読まれてしまう。成功するためには、その前の仕掛けに意外性がなければならない。

――高い位置でのボール奪取というのもその一つなんですね。

賀川:まあそうでしょう。そういう条件がそろったときに、日本のゴールが生まれる。

――“誰が”といえるほどのストライカーがいれば、その選手の能力というかプレーの幅というか、そういうもののアローワンスで、完璧のパスワークでなくても点を取る可能性がある。

賀川:そう、そういう国際舞台で通用するストライカーが出てこない。あるいは育ててこなかった10数年の影響が出ているのだから、いまさらそれを悔やんでも仕方がない。

――ということは、この大会は絶望的?

賀川:いや、そうでもない。先に言ったように、全員のコンディションが整って、日本らしく、これまで追求してきたランプレーを気迫を込めて戦えば、このチームはいいチャンスも作れるし、ピンチにも頑張れる。サッカーというのはバルサのように一試合に何度も何度もエリア内に侵入してチャンスをつくるようなチームはそうたくさん世界にない。試合中に3~4回、何人かのプレーヤーの呼吸が合って、パスとドリブルなどの組み合わせが上手くゆくとチャンスになる。そしてそういうときに、シューターがいい位置に入れたり、いい形でボールを蹴ると、ゴールが生まれる。ときには相手側がミスすることもあって、そこがサッカーの面白いところですヨ。

――そんなものですか

賀川:そのためには、そのゴールに至る経路やゴール前へのシューターの入り方などを反復し、また夢にまで見るように体に染み込ませれば、先に言ったバルサやメッシほどでなくても一試合に1点や2点取ることができる。



◆せっかくのチャンスに悔いのない試合をすること。その気迫が勝ちを生む

――今も覚えているのは2002年のとき、次がいよいよトルコ戦という日に、デットマール・クラマーさんにどちらが勝つかと聞いたら「勝利への執念が強い方だ」と言われました。

賀川:今度も同じですヨ。1936年のベルリン・オリンピックで日本代表は優勝候補のスウェーデンに逆転勝ちした。このとき、本番前の練習試合で1勝もできなかった。それで、試合の日は皆、全力を出して勝とうと誓った。リードされて迎えたハーフタイムでも、イレブンは開き直って清々しい気分だったそうだ。今の日本代表にも、カメルーンといういい相手に対して生涯悔いのない試合をしてほしいと思っている。


【了】

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