それでも平山相太に期待をするのは
――小柄な遠藤クンの話が出たから……。大型の平山相太はどうでしたか。開幕戦のマリノス戦でFC東京の決勝ゴールを取りました。
賀川:テレビで見たのは石川直宏のドリブルからのパスをうまくシュートした。広いスペースで相手のマークから少し離れていたが、来たボールはそう易しいというのではなかったのをうまく蹴った。
――まずは結果ですか。
賀川:彼には6月のW杯がある。1985年生まれ、マンチェスター・ユナイテッドのウェイン・ルーニーと同年代ですヨ。しかしここまで来るのにまわり道が多かった。18~22歳までの伸びる時期にどれだけ練習し、技術と体を蓄積したか、私はよく知らない。そういう点では、2010年のW杯には時間的に間に合わないかもしれない。
――それは、彼が国際舞台で活躍する力を備えるために、という意味ですね。
賀川:あのメキシコ・オリンピックの得点王の釜本邦茂でも、1968年冬のドイツでのデュアバル・コーチの個人指導を含む2ヶ月の特別研修期でステップアップしたのだからね。もちろん、彼はそれまで東京オリンピック直前からの5年間、ともかく練習し、体を絞り、大学の試合やJSL(日本サッカーリーグ)、そして代表の試合、それもアジア勢やヨーロッパのトップクラブ相手の試合といったレベルの違う相手との数多い経験を積み、杉山隆一たちの仲間とも連係プレーを磨いた。そういう環境から見れば、平山クンはいささか心細い育ち方だ。
――それでも期待するのですね。サッカーマガジンの今年の記者アンケートにも書いていましたよね。
賀川:それはそうですヨ。日本人には数少ない大型FWは天からの贈り物なんですから。それが一人前になってくれないということは、日本サッカー界にとっては損失だし、自らの選手育成能力を疑われることになると思う。
――本田圭佑についても、また聞きたいことがあります。次の機会にお願いしますね。
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