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バーレーン戦(上)

2010/03/07(日)


AFCアジアカップ2011カタール予選
3月3日(愛知・豊田スタジアム)19:01
日本代表 2(1-0 1-0)0 バーレーン代表

――2-0で日本代表が勝ちました。

賀川:ドイツから長谷部誠、フランスから松井大輔、イタリアから森本貴幸ロシアから本田圭佑が参加し、横浜F・マリノスへの移籍の決まった中村俊輔も加わり13人で戦った。いわゆる海外組にとっては最後のテストになる試合だった。個々のプレーヤーにも代表チーム全体にもいい結果が出たといえるでしょう。

――バーレーンと岡田監督の日本代表は5戦して3勝2敗。決してやりやすい相手ではありません。それに2-0で勝ったのですからね。ただし、主力の何人か、アフリカ系の選手が不参加だったという点もあります。

賀川:相手がどうであっても、こちらは自分たちがどれだけ機能的に動けるかが大切だ。久しぶりに俊輔と遠藤が揃って、それに伸び盛りの本田が上のランクのクラブに入り欧州チャンピオンズリーグの試合も経験したのが自信となっているようだった。松井も、ここのところ試合に出ているという感じがしたし、プレーの時間が少なかった森本も終了直前のゴールに絡んで、この前に見たときよりもさらにゴールへの意欲の強さを感じたヨ。海外組を含んで、全体に後半に動きが鈍ってしんどい場面もあったがね。

――一番よかったのは?

賀川:やっぱり俊輔だろうね。スペインで試合に出ていないし、ときたまテレビに映る彼の体が小さくなっているように感じていた。タイミングとして、この時期によく横浜に戻ってきたといえるかもしれない。俊輔らしいプレーが何本かあったが、前半の1点などは彼の精妙なパスから生まれたものですヨ。

――左から松井がクロスを上げて、それをファーで岡崎がヘディングした。

賀川:36分のこのチャンスの前に、得点を生む気配となりはじめていた。このチャンスは、
(1)中村がハーフウェーライン近くでボールを受け、相手一人に絡まれたがキープして中央の本田にパス
(2)自分は前進、本田はもう一度俊輔へ送った
(3)この本田のパスは帰陣する相手DFの間を通ってノーマークの俊輔に渡ったから
(4)俊輔は右へ振る気配をみせつつ、左足で縦にボールを送り込んだ
(5)これが左サイドを走り上がった松井にとって、自分の動きを止めることなく蹴れる――俊輔特有の――配慮のゆき届いたパスだったから
(6)松井は左足でファーポスト側へ高いボールを送った
(7)このクロスに対して遠藤がニアへ、長谷部が中央へ走り込み、ボールは彼ら、そしてその外にいたDFをもこえて岡崎の頭に届いた。

 松井のいいクロスが生まれるために、中村の絡まれながらのドリブルと本田へのパス、そして本田からの相手の意表を突く俊輔へのパス、そして俊輔の松井への丁寧なパスが組み合わされている。

――サイドから攻めても、必ずしも常にいいクロスがゴール前の誰かの頭へ届くとは限りません。

賀川:その、サイドからのクロスの精度については別に譲るとして――。
 クロスを出す者が、いい条件でボールをもらえば、いまの日本選手の技術でもいいボールを送れる可能性がある。この場面がそれで、長身選手の多い相手の上をこえてファーポスト側の仲間の頭へ落ちてきた。

――ゴールの正面とニアへ走った2人の動きも関連ありですね。

賀川:もちろん。こういう動きによって、相手DFのクロスに対するプレーも微妙に変わるからね。日本選手のいいところが集約され、こういうふうにすれば得点できる、という一つの形を確認できるゴールといえる。


【つづく】

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