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18年目のJ開幕 ~CDFの重要さ。闘莉王の去就による明暗~

2010/03/08(月)

――Jリーグが開幕しました。まず、4連覇を狙う鹿島アントラーズ浦和レッズを破った。興梠が早々に先制ゴールを決めて、途中で少し浦和の勢いに押されましたが、終わり頃に止め(とどめ)というべき2点目をマルキーニョスが決めました。

賀川:試合の流れを見ていると、鹿島はいま、小笠原満男とともにチームが一番いい状態にある。年長組、中堅に若い力がうまく組み合わされている。
 浦和は、フィンケさんというのはドイツの有名な監督らしくて、これまでの浦和のやり方をボールをキープできるチーム――近ごろの言葉でいえばボールポゼッションというらしいが――にしたいようだ。しかし第1戦を見た限りでは、かつての堅守速攻の堅守の、一番大切なDFの中央部が人不足な感じがする。

――田中マルクス闘莉王が名古屋へ移りましたからね。

賀川:チームにどんな事情があったのかはよく分からないが、闘莉王は攻撃面で有名だが守りもうまい。体も大きくて強い。もちろん、欠点もある。しかし、鹿島戦の最初の失点は、興梠の速さとその速いスタートに合わせた小笠原のパス(左サイドでの切り返しからの斜めのスルーパス)の合作だが、CDFの位置からは察知できるプレーのハズ。これを簡単に興梠に走り込まれシュートを許したのは、やはり中央の守りの適任者を一人欠いたのが大きいと思う。

――日本では大型のCDFの育ちが遅いと、いつもいっていますね。

賀川:ガンバが、西野監督がきて強くなった。その攻撃力、中盤の構成力は大したものだが、実は2004年にシジクレイが加わって守りの中央部が安定してからですヨ。山口智の成長もあったからね。

■ガンバに連戦の疲れ

――そういえば、初戦で名古屋に負けたガンバ大阪では山口が故障で開幕試合は欠場でした。

賀川:ガンバが名古屋に負けたのは、試合が多いための疲労もあるだろうが、遠藤の頑張りは見ていて気の毒なくらいだった。そういうときこそ、中央部の守りがしっかりしないと。前方からのFWの守備が大切ではあるが、ノッポのFWの頭上へボールを上げられ、2人のDFが競りに行って相手にヘディングで狙った所へ落とされて玉田圭司に決められたのだから――。この名古屋のやり方は知っているハズで、昨年も同じ形で失点している。

――名古屋にはその闘莉王が大型DFラインに加わった。

賀川:サッカーは技術も大切だが、明らかに大型選手が必要な場所(ポジション)があり、大型がいた方が有利なポジションがある。ディフェンスの中央部は相手の長身がきても対等に競り合えるヘディングの強いディフェンダーを置くのはいまや常識でしょう。ここの増川隆洋はいまや高い球には自信満々だ。

――ガンバにも、中澤聡太高木和道という長身のDFもいますが……

賀川:ボクも期待しているけれど、こういう地味な守りのポジションの選手の向上をサポーターのみなさんとともに励まし、見守ることも大切ですヨ。

――闘莉王の移籍で、CDFについてもう一度目を向けろということですか

賀川:監督やコーチはとっくに知っているハズだが、ここは日本選手の育ちにくいポジションなんですヨ。日本代表でも、バーレーン戦のメンバーを見ると中澤佑二と闘莉王の2人だけですからネ。

――注目の香川真司のいるセレッソは、大宮に負けました。

賀川:ここも、長いあいだ長身CDFなしで苦労してきた。ことしも苦労するだろう。気になる点はいろいろあるが、まあ、セレッソについては次の大阪ダービーを見てからとしよう。

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