ヴィッセルで若いコーチたちを相手におしゃべり(中)
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――3回目は?
賀川:3回目は彼らが私からどういう話を聞きたいか――にした。最初の集まりのときに、コーチ各人の自分史を年表(写真)にし、それを大まかなサッカー史と対比して書いてもらったのだが、自分の育ってきた時代が何かを考えることで自分を見つめるきっかけにして欲しいこと、そして、話す私の方も、彼らのキャリアを知って、どういうことが必要かを考えたいと思ったからですヨ……。
――コーチたちの反応を見たかったですね。
賀川:色々ありましたヨ。Jリーグでプレーヤーとして活躍した人、日本代表で国際舞台でしっかり試合をした人もあれば外国に留学してコーチの勉強をしてきた人もいる。そうした多くの人材がいまヴィッセルのコーチ陣にいるんですよ。
――彼らは何を聞きたいと?
賀川:私が出会ったコーチや選手の名前を前もって紹介しておいたのだが、やはりヨハン・クライフが多かったネ。
――クライフのうまさや考え?
賀川:74年W杯では利き足の右でのプレーがほとんどだったが、6年後、ワシントン・ディプロマッツでの試合(ワシントン)を見たら右足を故障していて、プレーは左足一本。左足でボールを止め、左足でパスを出していたという話。そこから、この大選手の右左のバランスについてを説いた。そして彼に、彼の足の速さを尋ねたら「どれだけ速く走るかよりも、いつ走るかが大切なのだ」と一本とられた話もした。彼のエピソード、80年のサッカーマガジン以外に世界中のどの雑誌にも載っていない、78年W杯に出場しなかった理由などもネ。
――日本流についても聞かれたとか?
賀川:時間が少なかったので中途半端になってはいけないと思い、まず、体格のことだけを取り上げておいた。最近の日本には大きい選手もいるが、やはり体格の面では小さい方が多い。そのときに、体の大小は大が長所、小が短所というのでなく、それぞれの特徴に過ぎないこと、小さいのは敏捷だからそれを生かすことが大事という話をした。それが昭和5年(1930年)以来いまの日本代表につながっているのだから――。
もちろん、大きいプレーヤーの必要なポジションには大柄を持ってくることはチームにとって必要だが、指導者にとっては小さい者に急に大きくなれと言っても無理だから、その特徴を生かせる工夫をすることが大切なのですヨ。プロ野球のタイガースの吉田義男内野手の話を聞いてもらったよ。
――賀川さんはスポーツ紙の運動部長、編集局長でしたからね。
賀川:松木謙治郎というタイガースの監督さんをはじめ、ヨッさん(吉田義男)ノムさん(野村克也、現・楽天監督)など素晴らしい野球人が私のスポーツ紙の評論家だったから、いい話をいっぱい聞かせてもらった。みんな野球の話になるとバッティングがどうの、そのときの守りがどうの、投げ方がどうのと、何日でも語りますヨ。
【つづく】
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