アウェーの大ハンデの中で大一番に勝った日本代表の実力(2)
■史上最強のCDF
賀川:いまの日本代表は、オシムさんが病に倒れ、岡田監督に代わってから1年半、最初の公式試合は2008年1月26日のキリンチャレンジカップだった。以来、W杯予選の3次予選、最終予選、AFCアジアカップ2011予選、そしてキリンチャレンジカップやキリンカップなど26試合を重ねて、タシケントでの戦いが27試合目。それらを通じて、チームは次第に整備され強化されてきた。
中央のDFに、中澤佑二、田中マルクス闘莉王の2人が揃った。GKは楢崎正剛が故障回復で戻ってきた。ゴールキーパーを含めてこの3人の守りは、身体の大きさや技術そして経験の面から見て史上最強だろう。その控えがまだ必ずしも同レベルにはないとしても、大型DFが揃うようになった。
賀川:彼ら2人はボランチ役が適所だが、どこでもやれるし、長身とはいえないがヘディングは強い。何でもできるために損な使われ方をしているが、得難い才でもある。特に2人はもともとキックがうまいので、ディフェンダー全体のキック力アップにつながっているとも言える。
――ふーん、そういう見方もありますか。サイドバックにも新しい2人を加えましたね。
賀川:これは監督の“目”だろうネ。内田篤人の適性は誰もが認めるところだったが、長友佑都というプレーヤーの性格と体力、技術に着目した点はすごい。
――これまでの駒野友一もいて、まず後方が固まりました。
■速くて機敏なFW
賀川:中盤は多士流々の日本だが、FWは誰が見ても適格者が少なかった。
――小さくても速くて積極的に仕掛けられる選手をどんどん登用しましたね。
賀川:もちろん、小さいというのは欠点ではなく特徴だが、ヘディング、高いボールの取り合いとなると長身者に比べてハンデはある。日本ではかつての釜本邦茂のように、大きくて強くてシュートは右も左も蹴れるといったFWがなかなか出てこない。
――1960~70年の182センチという釜本さんの大きさは、いまのサッカーなら186~190センチという感じですからね。
賀川:Jのクラブのコーチの中にも、ストライカーが日本で育つのは難しいなどという人もいるくらいで、なかなか育ってこない。それも困りものだが、日本人でチームをつくらなければならない岡田監督は、日本人の特徴である機敏性あるFWを選んだ。
ちょうど2008年の欧州選手権(EURO)でスペイン代表が優勝した、小柄なミッドフィルダーと攻撃メンバーのプレーが世界に大きな衝撃を与え、小柄な選手と、それを抱える指導者たちにも大きな自信を与えた。岡田監督は自分自身の考えを大事にする人だから、スペイン流に飛びついたわけではないだろうが、腹の中ではニヤリとしたかもしれない。
――しかし、その小型で敏捷なFWもなかなか点は取れなかった、そこへ岡崎が現れた。
賀川:興梠も岡崎もそれぞれ特色があるが、岡崎は、前にも言ったとおり、滝川第2の頃からボールを蹴っている回数が多いように見える。ボールを蹴り、走ることを厭わない彼は、自分のプレーの中で自らの粘り腰、あるいは膝の強さという体に備わった素質を上積みしながら蹴る技術をランクアップしてきた。走り込んでシュートするという、最も基本的な点の取り方のできる選手だろう。上背はあまりないのにヘディングが強く、ジャンプのタイミングがいい。ニアに飛び込んでゆく点取り屋の“厚かましさ”もついてきた。
【つづく】
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