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チーム全体の進歩で堂々たる勝利。個人力向上は日本全体の問題(中)

2009/04/02(木)

――47分(後半2分)の1ゴールだけだったから、相手の攻撃のときはヒヤリとしたんじゃないですか。

賀川:前半に一度、後半にもあったネ。しかし全体としては守りはしっかりしていた。奪われたらすぐ奪い返すというこのチームの考えと、それを実行する力はすごいネ。後半にはいくつかの決定的なチャンスも作った。

――内田(篤人)のノーマークシュートがバーに当たったのも惜しかったです。

賀川:まず、チーム全体としては

(1)久しぶりに楢崎正剛がゴールキーパーとして代表メンバーに戻りピッチに立ったこと。ケガで休んでいた間のコンディショニングが良かったとみえて、むしろ元気になって動きも良かった。
(2)中澤佑二田中マルクス闘莉王の2人のCDFもしっかりしていた。
(3)左の長友佑都は前半は攻めに絡み、後半もしっかり守るだけでなく得意の長走も見せた。
(4)右の内田篤人は、守りはともかく攻めで得意のドリブル突破ができず、前半はちょっと苛立っている感じだった。足に故障があったとかだが、相手も速くて、縦に抜けなかった。今日は調子は良くないぞと見ていたら、後半に3度もビッグチャンスに絡んだ。やはりいい選手だよ。
(5)遠藤保仁は、俊輔とは別の面での“うまさ”を発揮した。守りのポジショニングを見るだけでも、ヒザを打つ思いがするのだが、攻め込まれたあと味方が取ったボールを前へつなぐときのプレーもまたホレボレしたネ。

――遠藤が下がり目で、長谷部誠が飛び出しましたね。

賀川:彼はドイツのブンデスリーガへ行ってから、接触プレーに強さと粘りが出ていたことは、前にもお話したハズだが、それの守りと、前へ出る動きでいい働きをした。激しいというよりファウル・タックルの多い相手とやり合う強さはこのチーム全体の心意気を表していた。全体にエリア内に人数を多く入れてゆくという今のやり方の中で、彼がもう少し遠いところからシュートを狙う回数を増やせば、もっと変化が出るかもしれないし、そうした能力をつけて欲しいところだ。

――同じドイツにいる大久保は?

賀川:いつも試合に出ている状態ではない――というところがプレーにも出ていた。ワンタッチパスでいい場面を作ったり、守りでもよく働いていたが…

――本領のゴール奪取は…というところですね。

賀川:大久保に限らず、いや大久保以上に田中達也や玉田圭司の速さと、前述の奪われたら奪い返すプレーの連続には感服する。しかし、今のFWはこの守備の要求もこなして、なお得点もしなければならないので大変だ。

――そのFWよりも内田にビッグチャンスが後半3回ありました。

賀川:後半10分ごろだったかに、相手に攻め込まれ左寄りからのFKというピンチがあった。このカウンターから内田が飛び出してペナルティエリア内でロングパスを受けたのだが、トラップミスで相手GKサイド・モハメド・ジャファルにボールを取られてしまった。このカウンターはFKを取った楢崎から遠藤に渡り、ここから長谷部―遠藤―田中と右サイドでパスを交換して前進し――こういうときの遠藤のタイミングの計り方のうまさは絶品といえる――田中からリターンをもらった遠藤がボールをペナルティエリア内に送ると、その落下点に内田が走り込んでいた(内田の動きを見たから、遠藤がボールを送った)。
 相手FKのときに、味方ゴール前でたしかサルマン・イサをマークしていたハズの内田が、右でパス交換しての持ち上がりが進んでいる間に長走して相手ペナルティエリア内に侵入したひらめきと動きは素晴らしいものだったが、残念なことに落下してくるボールを右足アウトサイドでタッチして、それが大きく体から離れてしまった。

――テレビで見た者には一瞬、「内田がそこにいた!!」という感じでした。

賀川:決めておけば歴史に残るプレーだネ。このすぐ後に、今度は田中達也のドリブルシュートがあった。中村俊輔の見事なパス、日本の左を警戒していた逆をとってのアイデアからだが、田中のシュートがGKの体に当たって2点目にはならなかった。
 先ほどの内田のバーに当たったシュートは、このあと少したって65分(後半20分)ごろかな。これもバーレーンの右CKを防いだ後のカウンター攻撃。日本側のヘディングのクリアを拾った俊輔が左の玉田へ、玉田はドリブルで中央へ持ち込み、右サイドの内田にパス、ノーマークの内田はとラッピングしたあと強いシュート。ボールはGKの手をかすめ、バーに当たって跳ね返った。うまい攻めといいシュートではあったが、今度もゴールを奪えなかった。

――決定機でしたね。

賀川:内田はこの後にも、今度はペナルティエリア外からノーマークでダイレクトシュートするチャンスがあった(これは左ポストの外に外れた)。この攻撃は長友の縦パスから田中―玉田―中村―大久保とつないで、大久保が俊輔からのロブのパスを落下点でダイレクトで右へ振った。これをダイレクトで蹴ったところは内田らしいともいえるが、エリアの外からでもあり、私にはちょっと疑問が残った。



【つづく】

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