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J1の新しいストライカー。5試合4ゴール、マリノスのFW渡邉千真

2009/04/14(火)


賀川:J1第5節第、11日の横浜F・マリノスヴィッセル神戸をテレビで見た。ヴィッセルのひどい負けぶりに暗然となったが、収穫もあった。相手側、マリノスのFW渡邉千真(わたなべ・かずま)を見たからだ。
 国見高校、早大を経て、今年からマリノスに入った選手で、1986年8月10日生まれの満22歳。身長181センチ、体重75キロ。この日2ゴールを奪って、5試合通算4得点とし、得点王争いのトップに立った。

――渡邉千真は京都サンガにいる渡邉大剛(わたなべ・だいごう)の2歳下の弟ですね。

賀川:大剛選手はそれほど大きくなく、スピードで知られているというが、千真はいい体格だネ。今では181センチはFWとしては長身とはいえない。巻誠一郎(184センチ)矢野貴章(185センチ)よりも低いが、まずそこそこの上背で足腰の強そうなのがいい。

――ヴィッセルから2点取りました。

賀川:先制ゴールは後方からのロブのボールをエリアぎりぎり正面で兵藤慎剛(ひょうどう・しんごう)が受けて、右へ短くつないだボールを彼が決めた。バウンドしたのをボレーで蹴ったが、宮本恒靖(みやもと・つねやす)が寄せてくるのに落ち着いてシュートした。
 2点目は中澤佑二(なかざわ・ゆうじ)だったかが送ったロングボールが高くバウンドして落ちてゆくのを追いながら、宮本の接触を左手で押さえてGK榎本達也(えのもと・たつや)のポジションを察知してその上を越すうまいシュートを決めた。

――2度ともボレーですね。

賀川:上背があってヘディングが強ければ、バウンドして上がっているボールにも強いものだが、彼の場合は体がしっかりしていて相手と多少接触しても姿勢が崩れない。そしてそれがゴール前でシュートするときの落ち着きになっているようだネ。

――国見では平山相太(ひらやま・そうた=FC東京)の1年下ですか。

賀川:だから兵藤とは早大でも1年下だったらしい。早大の時は2006年(14ゴール)と2007年(20ゴール)つまり2年と3年のときに連続して関東大学リーグの得点王になっている。どちらも出場試合は22試合だから、まずはしっかり得点を取っていたようだネ。

――平山は筑波へ入ってから1年のちにオランダへゆきました。

賀川:早くJへ入ればいいのに――という声があったがね。ボクは平山が筑波へ入ったとき、筑波でじっくり体を鍛え、Jよりもレベルの低い大学リーグでどしどし得点して自信をつけることも彼のためには良いと思っていたら、Jリーグどころかオランダへ行ってしまった。そしてJへやってきた。

――今は伸び悩みというところですね。

賀川:1試合、それもテレビで見ただけだが、渡邉の方は早稲田で4年間プレーしたのが良かったのだと思う。マリノスも、彼に背番号9をつけたのはそれだけ期待しているからだろう。これからこの強い体を生かすのには、かつての釜本邦茂やオランダのデニス・ベルカンプのようにシュートそのものとトラッピングに磨きをかけなければいけないだろう。

――大迫勇也(おおさこ・ゆうや=鹿島)より即戦力ですか、日本代表の?

賀川:大迫はしっかりした技術を身につけているから、どちらが早いとはいえないが、渡邉千真も魅力だね。本人やコーチたちは、これから彼が何を身につけるかを知っているハズだろうしネ。

――それから、12日には浦和の原口元気(はらぐち・げんき)という17歳が初ゴールしました。J2の香川真司(かがわ・しんじ=C大阪)もゴールを重ねています。若い選手がどんどん点を取ってくれると嬉しいですね。

賀川:山形ではベテランの古橋達弥(ふるはし・たつや)が頑張っている。まぁこれは余談だが、いいストライカー、いいゴールゲッターが現れると見る者にも楽しみが増える。サッカーがこれだけ普及しているのだから、いいストライカーが育ってきても不思議はないのですヨ。指導する先生たち、コーチたちも、“点を取る”ことに関心を持たせて欲しいと願っています。

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