相手がどうであれ、実践を積んだ4FB、MFは層が厚く、
FWはこれから連携プレーでレベルアップ
2月12日 (国立競技場) 19:23
日本 2(0-0 2-0)0 イラク
◆2月7日の「キリンチャレンジカップ2004 GO FOR 2006」のあとを受けて、対オマーン戦までの強化試合第2弾となった。戦場となってイラクのサッカーは辛い環境にあるハズだが、この日の戦いぶりは積極的ですばらしかった。
そのイラク代表の気迫とボールを奪い合うときの個々の粘り強さに、日本代表は前半は全く受け身になってしまった。
◆5日前のマレーシア戦とほとんど同じスターティングラインアップ(FWの本山が柳沢に代わっただけ)のチームは動きが鈍い。走らない日本のサッカーはパ スも回らない。こうなってはチーム全体でボールキープはできず、パスを交換しても前には出られず、うしろへ下げてゆく。そのバックパスが奪われ、受けると ころを狙われると、また混乱してビクついてしまう。
結局は中田英寿がいないと、こうなるのだナと思うことになる。
◆それでも、その間耐えて、やがて遠路の相手の動きが鈍りはじめると日本のパスが通り、こんどは活発に攻め始める。それが35分ごろからだった。
相手が強く出て来たときにピンチもありながら失点しなかったのは何よりだが、GKが楢崎正剛であったことが大きな原因だろう。DFのミスから完全に突破さ れ、ノーマークの相手に立ち向かったときも前に出てポジションをとってからは動かず、相手の方が姿勢をくずして強いシュートをしてしまうことになった。
2002年ワールドカップで活躍したドイツのGKカーンのプレーを思い出させるほどの、楢崎の好守だった。
◆後半に2ゴールをとったのは、ひとつは三都主のクロスを柳沢がヘディングしたもの。小笠原が相手DF2人の間を通したみごとなスルーパスを送り、三都主がゴールラインぎりぎりから左足でクロスをかえしたのをニアへ寄った柳沢がヘディングした。
三都主のスピードと左利きの利点(フルスピードで走った左足でダイレクトで中へパスを送った)が重なった。それを引き出した小笠原の"眼"がすばらしい。
2点目も三都主からで、今度は自分でドリブルして、久保へパスを送り、そのリターンをうけてシュートした。彼の得意の角度のキックのパスと同じ得意の角度でのシュートだった。
◆小笠原と遠藤と藤田といったミッドフィルダー陣は不調のなかでも、それぞれの巧さをみせた。2得点とも、攻め口としては悪くはないが、シュートはもし、 相手のGKがこの日の楢崎であったら、いや楢崎でなくとも韓国の李雲在であったら、ゴールしていたかどうかー。
シュートそのものということになると、さきのマレーシア戦と同様にまだまだ攻撃力上々とはいい難い。
◆2試合を経て、欧州組を中心とする日本代表のミッドフィルダー群は国内組の向上で、質量ともに豊富になった。FWは結局、久保の大爆発は1回だけ。大久保には初ゴールのチャンスもなかった。
ジーコと日本代表は、2002年の10月16日から1年半のうちに20試合を行なって、2006年ワールドカップのアジア予選の第1戦を迎えることにな る。その間、宮本、坪井と山田暢、三都主のDFライン(中澤もときに加わる)がレベルはともかくとして、安定を保ち、ミッドフィルダー陣は、より豊富に なった。FWは中盤グループと連携を強めながら、公式戦を重ねる中での成長に期待しよう。
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