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不満の中に美点の確認

2003/08/01(金)

 キリンチャレンジカップ2003 
 7月23日 (国立競技場) 19:00
 U-22 日本 1(1-1 0-0)1 U-22 韓国

U-22。つまり22歳以下の日韓代表の試合は、まことに面白かった。    

メインスタンドの一部以外は屋根のない国立競技場で、サポーターの雨中の声援に励まされた日本代表が0-1から1-1に追い付き、いくつかのいいチャンスも作り出した。    

前半の中頃まで、用心し過ぎて、後方に引いてしまうことが多かったのと、試合全体を通じて韓国の選手の個人力、とくにボールを奪い合うときの強さが目立った。記録に表れたシュート数も日本が5本。韓国は12本だったから、翌日のメディアの論調も、日本代表に厳しいのも当然といえた。もちろん、私にも多くの不満はあった。しかし、90分を通じていくつかのいいプレーを見ることができてとてもうれしいことだった。  

【韓国の先制ゴール】  

まず両チームの得点シーンをふり返る。

韓国の22分の先制ゴールは、日本のDFの中軸、青木剛のパスミスから。

相手のロングボールの攻撃が、右へ開いた位置でボールを受けたチョ宰榛(チョ・ジェジン)がバランスを崩して倒れ、日本のGK川島永嗣がボールを取って青木に渡すところから、このゴールへのアプローチが始まる。

1)青木はこれを前方の鈴木啓太に送る
2)味方ゴールに向いたままボールを受けた鈴木は後退しつつ、右外後方の池田昇平へ
3)池田はトラッピングして前進したが、しばらく受け手を探したのち、前方から戻ってきた松井大輔の足元へパス
4)松井はこのボールをダイレクトで、青木へバックパス
5)青木はこれを左前方の阿部勇樹に渡そうとダイレクトパス
6)しかしボールは阿部を外れて中央のセンターサークル・ラインへ
7)そこに崔兌旭(チェ・テウク)がいた 
8)ボールを取った崔は、中央の広いスペースをドリブル
9)深い位置から三田光が近づくより早く、ペナルティエリア数メートル手前で、右足で強くボールを叩いた
10)ゴール中央へ向かい、ややスライスした速いシュートをGK川島が防ぐのは難しかったようだ。伸ばした手をかすめ、ボールは勢いよくネット上部に飛び込んだ。

この得点シーンを回顧するとき、専門家なら一番最後の部分から、つまりGK川島が防げなかったのかどうか、DF三田の寄り、その構えは? ー という風にひとつひとつをスロービデオで検証してゆくのだが、ここでは、一般的に、(1)から(4)までのパス交換で、前方でボールを受けた者が、前を向かないで、すぐにバックパスをしていること、そして、そのボールを動かしている位置が自陣内(ハーフラインよりも日本ゴール側)であること、さらに、そのボールの受渡しのときには、韓国側と接触プレー(いわゆるボディ・コンタクトのあるプレー)をしていないことに注目するだけにしておこう。そして、相手側にパスを渡してしまった青木については、右サイドキックの自分の角度について、自分がどこまで掴んでいるかが問題である。

【もうひとつのパスミス】

青木は、15分頃だったか、ハーフラインを越えたいい位置でボールを拾い、前方へ送ったパスが石川に渡らず、そのまま相手GKへ流れたのがあった。中央に大久保、その右に石川といて、相手のマークもやや粗(そ)になっていたから、渡っておればチャンスだった。ボールの滑りの早さが原因かもしれないが、青木だけでなく、U-22世代は早くからボールに馴れ親しんでいて、馴れからくる上手さという点ではアトランタ世代やシドニー世代をしのぎ、若いうちからJでの試合経験があって戦術理解という点でも、先輩たちの同年齢の時より早いように見える。ただし、重要な場面での的確なプレーをするために必要な技の、反復練習が不足しているのではないか。

失点シーンの青木を例に挙げたが、逆にいえば、こういうポイントが改善されれば ー ということなのである。

韓国は、このゴールの5分前にチャンスを作った。右サイド自陣のスローインから、小さなロブのパスを二つつなぎ、そこから、金斗ヒョン(キム・ドヒョン) が持ちあがり、併走する崔兌旭の右前へ、これも小さな浮かしたパスを出し、崔が一呼吸キープして、右外へ走りあがってきたチョ宰榛に渡して、チョがシュート(右ポストをわずかに外れた)。

自陣からのハーフラインへつなぐパスは、2本ともボールを浮かせて、日本側と競り合い、そこから、次につなげるところに彼らの自信がある。その自信が、日本側の腰を引かせていたともいえる。    

<つづく>

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