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高い技術で攻め続けて少得点、守備のミスで失点

2003/04/05(土)

 4月1日
 U-22 日本 1(1-0 0-1)1 U-22 コスタリカ

Tphoto030401abegoal1 ◆ コスタリカの5人で作ったカベの右を迂回して、ゴール右ポストぎりぎりに飛びこんだ阿部勇樹の26メートルFK ー ボールの速さ、曲がり具合、そして、その自分の能力を信じて狙った本人の意図、こういうビューティフル・ゴールを実際に目のあたりにし、それをまたビデオのスローで確認できる楽しさを改めて噛みしめた。

◆豊田スタジアムのスタンドの記者席で、隣の田村修一君が「この世代もいいですネ」という。それに答えながら、プロフェッショナルのJリーグがスタートして10年の年月を経て、当時10〜11歳だった少年たちが、今U-22日本代表として、高いテクニックや機敏な動きを身に付けているのを感じた。

1981年〜82年生まれの多いこのチームは、1979〜80年生まれの小野伸二、高原直泰、小笠原満男、中田浩二、稲本潤一らのグループと比較されるが、小野は格別としても、ボールテクニックでは先輩たちにひけをとらず、むしろ、両足を使える選手の多いこと、ドリブル突破のできるものが多いという点では進化しているといってよい。

ただし、敏捷でドリブルができるものをピックアップすると、平均して身長の低いものが増えるのも日本の現状なのかー。

◆高い技術を備え、動きの速さも持てば、どうしても日本式の速いテンポの攻めに終始してしまうという、これもまた日本流の試合になったのも、当然といってよい。これは日本サッカーの長い歴史のなかに「緩と急」を備えたプレーヤーが少なかったせいでもある。

◆パスをつなぎ、ときにドリブル突破を交えて、左、右からゴール前にクロスを送る攻めは一見みごとだが、コスタリカの「厚い守り」からゴールを奪えずに苦労したのは、テンポが「急」ばかりのためである。また、小柄で速い大久保嘉人と、高くてヘディングの強い中山悟志の2トップへ供給されるラストボールのコースやタイミングが必ずしもピッタリではなかったのも、どこかで「間(ま)」をとるという感覚に乏しかったからともいえる。

◆そういう中で生まれた阿部のFKからのゴールは貴重だが、私はこのFKとともに、その直前の左サイドの根本と松井の協力による崩しとクロスの攻めが非常によかったと思った。

根本がコーナー近くでキープし、うしろへ戻って松井にバックパスすると、松井は大きいトラッピングで相手DFを引き離し、左からライナー気味のクロスを送った。ボールは、ゴール正面左よりの大久保へ飛んだ。大久保のジャンプヘッドはかすった程度でゴールにならなかったが、高い位置での根本のゆっくりしたキープにつづく松井の速い飛び出しで、厚く見えていたコスタリカの守りが手薄になった。

こういうゴールライン近くにまで食い込み、そこからクロスでヘディングを狙わせるか、グラウンダーでGKとDFの間をとおす、あるいは斜め後方へ送ってシュートさせる、あるいはドリブルして自らシュートへ持ってゆくというように、攻めに変化をつけるようになってほしいし、またその力を持っていると思う。

◆コスタリカの手を使うファウルは目にあまるものがあったが、それを相手に、比較的冷静にプレーを続けた点はすばらしく、まことに頼もしい。

◆見事な攻撃展開をして、多くのチャンスをつくりながら得点は僅かで、守りでは単純なミスからゴールを失う ー 兄貴分の代表チームと同じ傾向がこのU- 22にもあるようで、今回もまたDFのパスミスを拾われ、それのカバーリングも的確でなく、パブロ・ブレネスにまるでフリーシュートのように決められた。

前半の始めに、CDF青木のボレーでのバックパスが観客をヒヤリとさせた場面もあった。

失点に直接つながった角田の青木へのパスは

 1)角田のサイドキックの角度 — キックの失敗
 2)相手ボールになってからの青木の詰め方
 3)GK林の位置

といった各ポイントについて反省することになるだろう。

 

◆同時にまた石川や根本のクロスの精度、大久保の位置どりやシュート、パスの精度などについても、単に反省だけでなく、実際に反復練習によって、技術を伸ばさなくてはならない。

これはすべての選手にいえること。

U-22というこの年齢層の選手にとって、ここ2年間の技術の向上、とくにキック能力のアップ(精度も距離も)がフィジカルの充実とともに重要だからである。

(撮影:冨越正秀)

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