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ワールドカップの回顧テレビ

2002/12/21(土)

ワールドカップの回顧テレビ

◆12月にはいってテレビではことしをふり返る番組が登場し、そのなかで「ワールドカップの検証」や「あの興奮をもう一度」 — などがNHKはじめ民放各局でうつし出されている。

ひとつひとつの場面を見るごとに改めて楽しさや口惜しさが甦る。こうした日本の多くの人たちが、ワールドカップを反芻する機会が持てるのはまことに有難いことだ。

◆その中で、韓国のベスト4進出と日本のベスト16どまりとの比較がクローズアップされる。誰もあからさまには言わないが、はっきりしているのは、ヒディンクとトルシエの違いである。

ヒディンクはワールドカップ上位進出の常連国のオランダで育ち、PSVアイントホーフェンでプレーした。指導者としては、1987-88シーズンにPSV でオランダのリーグ、カップそしてヨーロッパカップ(現チャンピオンズカップ)の3冠の実績を持ち、さらに1998年オランダ代表監督として、フランスワールドカップで4位となっている。

◆韓国のサッカー界はワールドカップに5度出場しながら1勝もしていなかったから、その目標は第1ラウンドの突破だった。それが成功して、選手も韓国協会も国民もひと安心したけれど、ヒディンクはそれに満足しないで、「これからが本番」だと選手たちを導いた。準備不足だった強豪国もグループリーグをへて、チーム力を整備し、大会の経験の浅い国は、3試合をへて自信をつけ調子をあげてくる — ワールドカップは16強になってからが本番だということをヒディンクは熟知していて、ここまで来た以上、1試合でも多く選手たちを戦わせること(勝ち進むこと)が選手たちの最高の経験になることを知っていた。

◆一方、トルシエ監督にはワールドカップの第1ラウンドを勝ちぬ抜いた実績はない。彼は日本代表を4年間で第1ラウンド突破の実力をつけるという重い責任を負い、ベルギーと分け、ロシアに勝ち、チュニジアも突破して、ベスト16へ進出したときにひと安心した。いわば日本協会との約束である第1ラウンドを突破を果たしたことでひと息ついた。面白いもので、選手のほとんどは監督のホッとした気持ちが反映して、ホッとしてしまった。

トルシエはこの選手たちに闘争心がなくなってきたのを見たので、対トルコ戦は出場機会に飢えている選手(西澤、三都主)を起用したということになっている。

「ここからが本番」と心の底から思えば、こういう「うまくいっているチームを変える」という選択はできないハズだった。

◆といって、私はトルシエを非難する気はない。ただ、彼のために、ここでもうひとつ勝てば彼の人生にも、日本のプレーヤーにも、大きなプラスだったと残念に思うだけだ。

もちろんトルコは強いチームだったが、まともに戦えば、あのコンディションでフラストレーションのたまる試合にならず、たとえ負けても、もう少しスッキリした気分に — 日本全体が — なったハズだ。

◆ただし、トルシエを選び、招いて代表を任せたのは日本協会の責任であり、いわば日本サッカー全体の力を象徴するものであったといえる。

このことは「サロン2002」というグループの集いの、ワールドカップの総括のなかで述べたことだが、新しく日本協会のトップになった川淵三郎キャプテンが2006年のワールドカップに向け、「経験豊富な監督」をとジーコを選んだのもこの点にあったと思う。

◆それにしても、幸運もあったけれど、第1ラウンドをよくぞ突破したものだ。そうでなれば回顧番組を見る気もしなくなっていたかも知れない。

ひとつのゴールで結果がきまるサッカーは、まことに残酷で美しく面白い。古くからの多くの日本のサポーター。その長い残酷な年月に堪えてきた皆さんとともに、まぁ 今年はよかったネということにして、新しい年にもっと期待することにしよう。

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