続々・トヨタカップ:ビッグネームだけじゃない。
続々・トヨタカップ ビッグネームだけじゃない
12月3日 (横浜国際総合競技場)
レアル・マドリード 2 (前半1-0 後半1-0) 0 オリンピア
◆レアル・マドリードは数人の大スターだけのチームではない — というのが試合後のデルボスケ監督の話の中にあった言葉だが、左のロベカル、右のフィーゴ、中央のジダン、ラウル、そしてロナウドという豪華絢爛(ごうかけんらん)の攻撃陣を支援するマケレレとカンビアッソの2人 —いわゆるボランチと2人のCDFイエロとエルゲラ、フィーゴの後方にいてこの日は守備の仕事の多かった右のサルガドたち、そして若いGKカシリャスも、この日はよく働いた。
とくに私にとっての驚きはマケレレの進境と、初めてナマでみるカンビアッソの巧みさだった。
マケレレについては、セルジオ越後氏が新聞紙上で、この日の働きをとりあげていた。170センチの小柄なフランス代表は、すっかり、チームのなかでの自分の立場をつくり、オリンピアの攻めの芽を摘み取るだけでなく、ときにはドリブルで持ちあがって存在感を見せていた。
22歳のカンビアッソも今シーズンからレギュラーになったそうだが、大スターのなかでのつなぎ役としてタイミングのいいパスや動き、そしてディフェンスの能力を発揮した。こういう若手がいるところに選手を発掘し育成するこのクラブのすばらしさがある。
◆攻撃のスター・ラウルのファンにとってはこの試合で彼のゴールがなかったのはいささか残念だったかも知れないが、ロナウドとのコンビネーションが出来てきたようだから、本領はこれからだろう。(トヨタカップ後、リーグの対マジョルカでいいゴールを決めている)
◆ロベカルは、この試合の前にロンドンで発売された英国の月刊誌、ワールドサッカー(WORLD SOCCER)12月号で、ラドネージ記者とのインタビューで、クラブ世界一のタイトルのかかっている試合で自分たちの力を見せたい、そして、このあとのリーグやチャンピオンズ・リーグへつなげたい — と語っていた。
12月3日の彼の働きぶりは全く、その意気込み、気合があらわれていた。わたしたちは、日本の選手とくらべても小さい方の、168センチのロベカルが、強烈なフリーキックだけでなく、得意の左足でさまざまなキックやボールタッチを、ほとんどパーフェクトにやってのけるのを、あらためて確認した。
もちろん、彼の体の強さ、速さなどは生来のものもあるが、修練を重ねた上質のキック(小柄なプレーヤーとキックについてはジーコの項『監督ジーコへの期待:ボールの扱い、中でもキック上達を』での大男ソクラテスの言葉で記述している)がどれほど大切な個人技であり、チームの大きな武器になるかを教えてくれたと思う。
◆12月3日のトヨタカップは、いいサッカーはどれほどのスターが集まっても、彼等の相互理解があってはじめていいチームプレーができること、そしてまたロベカルに代表されるように、プレーヤーの試合にのぞむ強い気迫があってこそ高いレベルのハーモニーも生まれることをみせてくれた。
ロナウド、ジダン、フィーゴたちのことはまた別の機会に —
(撮影:富越正秀)
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