21歳以下のチームの緩急自在の展開をみた
この年代は、彼らより2歳年長の、小野、稲本、中田(浩二)、小笠原、高原たちの花やかさにくらべて、国際大会での実践も低く、メディアから「谷間の世代」などと呼ばれることもあったが、山本昌邦監督とイレブンは堂々たる試合内容と成績で、その実力を示した。
彼 らの試合を見て感じたのは、まず第一にFWの中山、大久保をはじめ、MFの松井、田中(隼)、森崎(和)、DFの三田、池田、阿部、青木たちの展開力が、 どんどん上手になっていったこと。これは、彼らの基礎的なテクニックがしっかりしているのと、若いうちからプロをめざし、いいサッカー環境で育ってきたこ とにあるのだと思う。サッカーの常識があり、ドリブルもパスもできるというプレーヤーが多いのが楽しみ。しかも、必要と思ったときは自分で突っかけてゆく (失敗も多かったが)という、これまでの日本代表とは違った面もみせたのが面白い。
苦 しい中国戦を制したつぎの準決勝のタイとの試合(3-0)の3点目は、右から左へ、左から右へとパスをつないで、攻めこんでおいて、いったん後方にもど し、相手の守備ラインが突っ立ってしまったウラへ、田中(隼)がとび出し、さらに彼を追いこしたもう一人の田中がうけて、右からクロスを出して中山が決め たもの。パスをつないで攻めにゆくとみせて、攻め急ぎしないで、ボールを後方へもどし、森崎が、そこから、さらにDFラインまでボールを後追させたため に、相手のDFの集中力が薄れたときに、田中(隼)がそのウラへ見事な飛び出しをみせたのだった。
2-0というリードに余裕があったとしても、21歳以下の選手ばかりで、こうした緩と急の大きな変化をつける攻めができるようになったところがすばらしい。
決勝でイランに敗れたが、イランと日本の因縁については別の項で・・・。
(写真はU-21日本代表 2002アジア大会決勝戦イラン2-1日本 2002.10.13 釜山/撮影:富越正秀)
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
コメント