ジーコと日本代表の第1戦
中田英寿、中村俊輔、小野伸二、稲本潤一 — 25歳と24歳と2人の23歳の、年齢的にも、いよいよ花盛りを迎える4人による代表チームの中盤は、ほ
ぼ期待どおりの楽しさだった。互いに近づいたとき、離れたとき、それぞれにアイディアがあり技術があった。もちろん欧州からの長旅のあとでもあり体調の万
全でもないものもいたし、ミスもあったが、ボールを止める、蹴るのテクニックが、この程度の高さにあれば、そして、それを基盤に対敵動作や周囲の目くばり
が上達すれば、サッカーはこんなにも楽しいものであることを見せてくれた。
奪ったゴールは1点だけだったが、これ以外にも、みごとな展開を数回みせた。
得 点をふりかえると — 中田英の右外へのパスを相手に奪われ、その相手のドリブリを、中田と高原でからむところからはじまった。日本の2人を振り切った相 手を、ハーフラインあたりで、稲本がまずいって、これをかわそうとして、相手のボールが流れたところに小野が待ちかまえていた。
小 野は左足アウトで短く中田につなぐ、中田は、これをすぐ近くで前を(相手ゴールの方を)向いた高原にわたす。高原は一気にドリブルして、左に開く鈴木へで はなく、右にあがってきた小野にパスを送り、小野が左足のダイレクトシュートを決めたのだった。彼は中田にダイレクトパスを送ることすぐに稲本の前を右 オープンに走りあがっていた。
中村以外の3人と高原の絡んだこのゴールで、中田は小野から パスをうけ、ダイレクトで高原に短いパスを送ったことで局面を一気に変えたのはさすがだったが、小野が攻撃の発起からフィニッシュまでをやってのけ、それ も、左足アウトでのダイレクトの短いパスではじめておいて、フィニッシュを左インサイドで成功させたのだからすばらしい。
もともと小野伸二は右利きだが、ここのところ、左足もどんどん上手になり、ロングパスも出すようになっているが、不得意な足でのインサイドキックはなかなかむずかしいもの。このゴールは彼がすでに左で蹴ることを全く苦にしないレベルにあることを示したといえる。
“王様”ペレは、右でも左でもパスを出しシュートをしたが、小野は少なくとも蹴るという点ではペレに近づいている。
ちょっとおしゃべりが過ぎたので、このつづきは明日にでも・・・
(写真は日本 1-1 ジャマイカ 2002.10.16 東京/撮影:富越正秀)
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