神戸FC・岩波拓也選手の壮行会

2016/07/19(火)

15日金曜日の夜、神戸磯上のKR&ACのホールで、神戸FC(フットボールクラブ)によるオリンピック代表の岩波拓也選手の壮行会に出席しました。

1963年、つまり東京オリンピックの前の年にスタートした兵庫サッカー友の会が1970年に神戸FCとなったのですが、その神戸FCで少年期を過ごした少年からリオデジャネイロ・オリンピックの日本代表が生まれたのです。クラブ発足のときの理事であった仲間は去り、いまでは私ひとりです。

神戸からは多くの日本代表が育ち、輝かしい実績を残しましたが、オリンピックの本番でプレーするとなると多くはありません。それだけに神戸で生まれ育ち、神戸FCでボールを蹴った岩波選手の五輪出場はクラブの会員にとって、とてもうれしいこと。会場は100人の出席者でいっぱいになりました。

クラブの少年会員(ボーイズ)たちの岩波選手に対するさまざまな質問もあり、新聞各紙の記者の取材もありで、2時間の壮行会はあっという間に過ぎました。

岩波選手は小学生のころから神戸市の選抜となり、ヴィッセルのユースからヴィッセルのプロとなり、オリンピックの日本代表となりました。ポジションはCDFで身長186センチ、ボールテクニックが確かで、日本の守りの柱となっています。壮行会での多くの会員からの質問や、かつてのコーチたちからの激励に対しての受け答えも丁寧で、誠実な人柄があらわれていました。

いまのサッカー界ではオリンピックはワールドカップよりも格下の大会とみる風潮がありますが、オリンピックはなんといってもオリンピックで、特に日本では全国民が注目するもの。リオデジャネイロでの日本代表の試合ぶりは日本サッカーの今後にとってもとても重要なものとなるはずです。岩波選手の顔を見ながら、彼がその大切な舞台でいいプレーをして、レベルアップしてほしいと心から願いました。

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Photo By H.Kato

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ペレの映画をみました

2016/07/18(月)

賀川:大阪駅のステーションシネマで上映中のペレの映画を見ました。映画が終わった時、冷房が効いているはずなのに、体が熱くなっていました。もちろんテーマがペレさん、ということもありますが、映画そのものも、よくできていて感動しました。サッカー好きはもちろん、スポーツに興味のある方々、ブラジルに関心のある皆さんに、ぜひご覧になっていただきたいと思いました。

――映画のタイトルは「ペレ 伝説の誕生」でしたね。

賀川:ペレの生い立ちと、ブラジルのフチボール(サッカー)の当時の背景がかなり詳しく紹介されています。プロ選手だった父親との、少年ペレとのボールのやり取りの場面や少年チームの試合などでは、ボールを扱う技術が上手でした。

――アメリカの製作者ですが、撮影はすべてブラジルで行ったそうですね

賀川:私はテレビででも映画でも、映像の製作者の努力にいつも敬意を払うのですが、今回は全世界の人がペレを知っていることを考えれば、作る側はとても大変だったでしょう。9歳と16歳の少年が選ばれ、それぞれの年代のペレを演じていて、これもよかった。

――ペレさんは1940年10月23日生まれで、現在75歳です。映画の中にも、今のペレさんが登場します。もちろん58年のワールドカップは試合のフィルムでも挿入されているので、ペレさんの実際のプレーも見ることができます。

賀川:ブラジルのサッカーがジンガ(GINGA)という黒人たちのフットボールを基礎にしているところ、このボール扱いの巧みさを競う遊びがブラジルのフチボールを支えているところをうまく描いています。

――賀川さんはペレのことは何度も書いていますが、月刊グランにも連載中ですね

賀川:中日新聞が発行しているグランパスのファン向けの月刊誌「グラン」にはずいぶん前から「人もの」の連載のページをもらっているのですが、ペレさんの映画のことを全く知らなかったのに7月号(6月発行)でペレさんを初めて書き、8月号(7月12日発行)がその2回目でした。

――内容は1、2回ともペレがサントスFCのメンバーで来日して、日本代表と試合をした時のプレーでした

賀川:サントスFCが3-0で勝った1972年5月26日、国立競技場での試合で、ペレはチームの2点目と3点目となる2得点をあげました。そのことから入って、ペレさんの紹介をしようとしています。

――1970年、ペレの3度目のワールドカップのときは取材に行けなかった。それだけに72年の来日での試合取材は賀川さんにはいいチャンスでしたね

賀川:私のいた新聞社では、私にサッカーの取材だけをさせてくれたわけではありません。それでも大阪から東京へ出かけて行ってペレの試合を生で見たのですから、とても幸いでした。

――72年のサントスでの現役としての来日の後、ペレさんは何度も来日しましたね

賀川:釜本選手が日本代表から離れる時もペレは来日しました。私が彼とゆっくり時間を持ったのは1984年の釜本邦茂の引退試合に来日してくれたとき。日本サッカー協会と日本サッカーリーグ、そして釜本のいたチーム、ヤンマーなどと話し合い、8月25日に国立競技場でヤンマー対日本リーグ選抜の試合を行い、リーグ選抜に特別招待選手としてペレさんとドイツのボルフガング・オベラートの2人に加わってもらったのです。

――あの引退試合で、国立競技場が満員になりました。80年代は日本代表もアジアで勝てなくて、代表の試合でも観客が少なかったのに、引退試合は文字通り満員でした

賀川:釜本邦茂という選手の人気や運の強さもあったのでしょうが、ペレさんが来てくれたこともあって、大成功でしたね。

――試合の後で、ペレが釜本を肩車して歩きましたね

賀川:釜本は引退試合でゴールするという彼ならではのプレーを見せましたが、ペレも試合の大半の時間をプレーし、オベラートとともに、この試合を盛り上げてくれました。試合中に彼は自分の気持ちの高まりとともに素晴らしいプレーをするのですが、この試合でもオーバーヘッドキックまで披露しましたよ。そして、その高揚した気持ちが試合後に肩車にあらわれたのです。41歳の小柄なペレさんが、あの釜本を担いだのです。

たくさんの人がこの映画をきっかけに、私たちはペレと同時代に生きたという幸せを味わってほしいと願っています。

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【お知らせ】記事掲載のお知らせ

2016/06/07(火)

本日(6月7日)の読売新聞に

91歳の夢 ネット寄付で

としてクラウドファンディングについての記事が掲載されました。

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【お知らせ】「90歳のサッカー記者 日韓 歴史の宿命」再放送が決定

2016/05/13(金)

昨夏に放映いただいたドキュメンタリーの再放送が決定しました。
読売テレビにて、5月16日(月)午前3時から30分間です。

「90歳のサッカー記者 日韓 歴史の宿命」
(初回放送:2015年7月5日)
http://www.ytv.co.jp/program-weekly/

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日独サッカー展とアジア第2次予選対シリア戦 久しぶりに香川真司の好プレーを見て

2016/04/12(火)

2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選 最終戦
日本代表 5(1-0、4-0)0 シリア戦

――神戸市立中央図書館で日独サッカー交流展が開催されていますが、4月9日には賀川さんの講演会も行われたそうですね

賀川:日本サッカー協会(JFA)が東京で昨年暮れから今年に冬にかけて日独サッカー交流展を行い、昨年12月にトークイベントを開催しました。その交流展の展示品をJFAから、そのまま借用して、神戸でも開催したいと考え、NPO神戸日独協会、NPOサロン2002、NPO神戸アスリートタウンクラブの協力をえて4月から開催しています。9日にはその日独のサッカー交流について講演しました。神戸という港町も独自のドイツとの交流がありましたから、その視点でもお話をし、また展示品の中には太平洋戦争中にドイツの商船で、のちに日本海軍の航空母艦(空母)に改装したシャルンホルストに関するものなどについての本もありました。私が神戸一中の3年生の頃には、このシャルンホルストの船員と兄・太郎たちのチームが神戸一中のグラウンドで試合をしたこともありましたからね。

――日本とドイツといえば、デットマール・クラマーさんを思い出しますね

賀川:この展示もデットマール・クラマーを記念する意味もあります。日本サッカーの大恩人ですからね。

――スピーチの会場にドルトムントの香川真司のユニホームが展示されましたが、スピーチのあとでユニホームと記念撮影をする人が多かった。賀川さんも何回も付き合ってカメラに収まっていました

賀川:神戸ですから、香川ファンはいっぱいいます。このユニホームも、前回のスピーチのときに香川選手のお母さんが、わざわざ持参して寄贈して下さったのです。

――楽しい会でした。こうしたスピーチや「このくにのサッカー」の対談などがあって、ここしばらくこのブログでの観戦記などが少なくなっていました

賀川:日本代表や香川真司がいいプレーをしたワールドカップアジア第2次予選対シリア戦(3月29日)についても、このブログではまだでしたね。申し訳ないことです。

――少し遅いけれど、2次予選の総括の意味を込めて振り返ってみたいところです

賀川:この試合についてはサンケイスポーツ新聞紙上に私の感想も掲載されましたが、先程話に出たように、香川真司がとてもいいプレーをしたのでそれについても語りたいところです。

――香川がこのシリア戦のあとドイツへ戻って、ドルトムントでとてもいいプレーだったそうです

賀川:ここしばらく調子がいいとは言えなかった香川についてはハリルホジッチ監督も気にしていたようで、シリア戦の前のアフガニスタン戦では本田圭佑は休ませたのに香川は試合後半途中に出場させました。そしてシリア戦はスタートから本田、香川、宇佐美貴史の第2列に、岡崎慎司をワントップに置きました。長谷部誠、山口蛍のMF、右が酒井高徳、左が長友佑都、CDFは吉田麻也、森重真人、GKは西川周作でしたね。

――はじめから速いテンポの攻めでした。とてもスピーディな動きでサッカー特有の爽快感のあるいい展開…と言っていましたが、これに緩急がつけばなぁと惜しんでいましたね

賀川:難しいことではあるが、緩急の落差の大きいプレーができると速さが生きるのです。この試合を見ているときにヨーロッパからヨハン・クライフ死亡のニュースが届きました。クライフは、ワールドカップのオランダ代表で、トータルフットボールを演じました。現代のサッカーのもととも言うべき、全員攻撃、全員守備なのですが、その時にもクライフによる緩急の変化が、オランダの速い攻撃を生かしていた。もちろん、緩急といったプレーのタイミングについて文字や言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、ヨハン・クライフはそのタイミングについても語った人でした。

――前半のゴールは左CKから相手のオウンゴールでした。

賀川:ショートコーナーにして、香川がペナルティエリア近くから速いライナーを送り、GKアルメハがパンチしたのが仲間の頭に当たってオウンゴールとなりました。ショートコーナーで相手が予想していたよりも速いクロスを送ったのが活きたのでしょう。

――それまでの6本のCKとは違ってショートコーナーにしたことでまず最初にタイミングを遅くし、次いで強い速いクロスで、クロスに対する相手の反応を狂わせたとも言えますね

賀川:それが相手のオウンゴールにつながったと私は見ています。

――このあと日本側は何度もチャンスを作りながら得点できず、前半は1-0でした。後半も、相手は守りを厚くしながらも、積極的にカウンターに出てきたこともあって4点を奪われました

賀川:シリアの国情から見ても、シリア代表チームの環境は決してサッカーにいいとは言えないはずですが、彼らにも代表のプライドがあり、また国民を喜ばせたいという願いがあるのでしょう。そのためには、守りを厚くして失点を少なくするだけでなく、チャンスには攻めに出て1ゴールでも奪いたいと思ったのでしょう。何度もいい攻撃を見せました。日本側が前がかりになって攻めに多くの人をつぎ込み、ボールを奪われたときに守りが手落ちになったこともありましたね。

――ノーマークシュートの場面もあったので点を取られても不思議はなかったほどです

賀川:日本は長友、宇佐美のいる左サイドも、また酒井の右サイドも何度も攻め込みました。前半には短いパスがつながった驚くほど見事な場面もありました。

――最後は酒井がゴールキーパーと1対1になってシュートは左に外れましたね

賀川:まぁ見ていて、とても楽しい攻めを何度も作りました。相手がゴール前に引き込んでいるだけでなかったこともありますが、私はシリアのサッカーの意欲に感心したものです。

――後半20分の日本の2点目は相手CKをGK西川がキャッチし、原口へボールを投げたところから始まりました

賀川:山口蛍がジャンプヘッドのときに、送れて飛び込んできた相手にぶつかられて担架で運び出され、原口元気が交代で入っていました。その原口がドリブルしてハーフラインを越え、左の宇佐美にパスしました。宇佐美は縦に進み25ヤードあたりから内へ持ち込んで、3人に囲まれて香川にパス。香川から長谷部へ渡し、相手がそれを奪いに来てもみあいから高く上がったボールがペナルティエリア内に落下した。本田がいて、左足でそのボールをもう一度浮かせて香川へパスした。香川はこのボールを胸で止め、左足のボレーシュートを決めたのだった。

――香川がシュートのとき「うまい」と叫んでいましたね

賀川:胸でボールを止め反転して左足のボレーに持って行くところの形が良かったこと。そして、その難しい反転シュートを、利き足の右でなく、左足で決めたところにこの日の香川の好調さというのか、あるいは香川のゴール前での実力アップというのか…いいプレーが出ました。テレビではスローでのリピートを見せてくれました。このとき香川が左ボレーを蹴る形をよく見ることができます。ボールを注視して、精神が集中している一瞬をよくとらえていました。

――絶品という言い方で、ほめていました

賀川:選手は、こうした重大な場面でいいプレーをすることで、力をつけていくものだという、一つのうれしい見本でした。

――3点目は香川のペナルティエリア左一杯からの本田へのヘッドでした

賀川:本田のヘディングは日本代表の一つの武器であることに変わりはありません。このチャンスも相手のシュートをGK西川が足で防いで、相手のCKからというチャンスでした。日本側のクリアが香川に渡り、速攻のパス交換から香川が本田の頭上へ送ったクロスを本田がノーマークでジャンプヘッドしました。後半41分でした。本田のすぐ近くに日本の2人が走り込んでいました。

――4点目は香川が決めました。

賀川:金崎がヘディングを取りにいって、相手のヘディングが香川の近くに落ち、香川が右足でシュートし、相手GKの体に当たったリバウンドを香川が左足サイドキックで押し込みました。

――5点目は長友のクロスを原口がヘディングで決めた。左から相手に押し込まれた後のカウンターでした

賀川:この日の長友の何回もの攻め上がりを締めくくる後半48分のゴールでしたね。長友のタフさと技術はこの試合でも充分に見ることができました。原口もゴールを奪う気持ちが最後に報われたという感じでしたね。

――岡崎慎司は2度いいチャンスがありましたが得点できませんでした

賀川:この日のスターティングメンバーラインアップでの4人の攻撃陣は長身がいないので、監督さんもその点の組み合わせをどうするか考えているように見えました。

――2次リーグを勝ち抜き、いよいよ秋からのアジア最終予選を戦うことになります

賀川:アジアの強豪チームが顔を揃えます。2次予選の試合を足場に代表チームの一人一人がまた成長してもう一段上の最終予選も勝ち抜いてほしいものです。

――それにはJリーガーの国内代表も海外組も、よりたくましく強くなってほしいものですが、やはり香川や本田、岡崎たちもシーズン後半のヨーロッパで活躍し、力をつけてほしいものです

賀川:ドイツ、イタリアそしてイングランドのプレミアリーグも見なければならず、サッカーファンには忙しいが楽しい日々が続きますね。

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【お知らせ】「日独サッカー交流の始まり」講演会

2016/04/07(木)

神戸賀川サッカー文庫が設置されている神戸市中央図書館において、講演会を開催いたします。

内容:「日独サッカー交流の始まり」
日時:平成28年4月9日(土曜)15時から17時
会場:中央図書館2号館3階 閲覧室(2)

デットマール・クラマーと日独サッカー交流展@神戸(神戸市サイト)

▽共催団体
特定非営利活動法人神戸アスリートタウンクラブ
特定非営利活動法人サロン2002

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GAViC CUP ユースフットサル選抜トーナメント2016を見て

2016/03/29(火)

――東京へフットサルの大会を観戦しに行ったとか

賀川:「GAViC CUP ユースフットサル選抜トーナメント2016」という大会が東京の墨田区総合体育館で3月19、20日の2日間開催されました。U-18の各地域代表の大会でした。

――日本フットサル連盟主催の大会ですね

賀川:2012年に名古屋のオーシャンアリーナで全国規模の大会が開かれ、次の年から日本フットサル連盟主催の大会となっています。今回は全国9地域と開催地(東京都)の代表を含む12チームが集まりました。

――それにしても東京まで出かけるとは

賀川:大会にかかわりがあったこともありますが、なによりこの年代のフットサルの試合は見ていて面白いのです。

――もともとフットサルはサッカーと違って体育館内の狭いピッチだから、相手ボールを取れば、すぐシュートレンジに入りますからね

賀川:互いにバンバンシュートを打ち合うところ、そしてまた狭いスペースで巧みに相手をかわし、またパスをつなぐ面白さもあります。試合中見る側も緊張の連続ですよ。

――今年はU-18東京都選抜(開催地)とU-18新潟県選抜(北信越代表)の決勝となり、新潟がPK戦で優勝を手にしました

賀川:1次ラウンドでA、B、Cの3グループを勝ち上がった4チームが準決勝に進みました。準決勝を含めて、ゴールの奪い合いで、神奈川県選抜対東京都選抜の準決勝は7-5で東京が勝ち、新潟県選抜対静岡県選抜は8-2で新潟というふうに得点も多く入ったのですが、決勝は前半0-0、後半1-1という緊迫した戦いになり、PK戦(3人)の末、新潟が勝利しました。

――各府県の選抜チームということは、それぞれの個人能力も高い?

賀川:そうですね。なかには、日本代表に入るという選手もいたほどで、ボール扱いや、スピードに乗ったプレーに感嘆することも多かった。ボールの奪い合いが激しくて、この点でも見ごたえがありました。U-18という伸び盛りのプレーヤーの進歩が早く、毎年レベルが上がっている感じですね。体育館のスタンドは6分の入りで、もっと多くの人に見てもらいたいという気がしました。

――賀川浩賞の表彰があったとか

賀川:いろいろな縁のある大会で、大会の得点王に賀川浩賞を贈ることになりました。東京選抜の中村充選手にトロフィーを渡しました。とてもいいシューターですよ。

――大会全体の感じは

賀川:フットサルはフロアの上での試合で、サッカーとは少し違うところはありますが、手を使わず足が主になることは、まさにフットボールです。多くのサッカー人も、サッカーが未知の人も、小さなスペースで少人数でプレーできるフットサルを楽しんでもらえば、サッカーをするにも見るにもまた楽しみが増えるでしょう。

GAViC CUP ユースフットサル選抜トーナメント2016公式サイト

U18kagawa


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ゴールへの意欲が5得点を生む

2016/03/25(金)

2016年3月24日 埼玉
日本 5(1-0、4-0)0 アフガニスタン

――アフガニスタンに5-0で快勝しました。2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選の日本は7戦して6勝1引き分けとなりグループEのトップで29日に最終戦を迎えます

賀川:8戦目の相手シリアはアフガニスタンよりは手強い相手ですが、その前の格下相手のこの試合で監督は選手の組み合わせをテストできたと言えるでしょう。

――日本は珍しく2トップにしました。岡崎慎司と金崎夢生を組ませました

賀川:金崎は上背もあり(180センチ)いわゆるCF(センターフォワード)タイプ。この日も9本のシュートを放つなど得点への意欲満々のプレーを見せた。決めたのは後半33分のチーム5得点目だった。

――ハーフナーのヘディングの折り返しを突っ込んで体に当ててのゴールでした。金崎のゴールを目指す強い気持ちがこの日の日本チーム全員の姿勢を表していましたね。

賀川:そのチーム全体の積極性が新しい選手を起用した監督の狙いであったでしょう。選手間の競争も含めて…

――5得点を振り返ると

賀川:前半はじめから日本が攻め、アフガニスタンが守るという体勢になり、攻め込んでも多数防御の壁にはね返されていた。

――クロスからのヘディングシュートという手はあったが、はじめのメンバーでは相手ゴール前のヘディングは必ずしも取れていなかった。CKでも相手の方がはね返していましたね。

賀川:ずっと押し込み、右から左からのクロスの攻めを続けていた日本側が40分台すぎに押し返された。1点目のゴールは日本のDFからのパス展開で始まった。ハーフラインやや内から吉田が右前の柏木にパスを送り、柏木は右タッチラインぎわの酒井宏樹にパス。酒井は内側の長谷部に渡すと長谷部はひとつ止めてすぐ前方の清武につないだ。ノーマークで受けた清武は中央のスペースをドリブルし、ペナルティエリアすぐ外側、中央にいた岡崎にパス、岡崎は2人のDFの間でボールを受け、巧みなターンでゴールに向き直り、奪いに来たDFをかわして左足サイドキックで左ポストいっぱいにシュートを決めた。

――日本に押し込まれ、それまではエリア内に6人から7人いて防いでいたアフガニスタンはこのときペナルティエリア近くの最終守備ライン、その前方の守備ラインとの間に空白ができていた。そこを長谷部-清武のパスと清武のドリブルで突破し余裕を持って清武は岡崎へパスを出した

賀川:岡崎がボールを受ける前に2トップのもう一人金崎が右へ動いたのも効果があったはず。2人のディフェンダーが背後から岡崎をマークすることになり、その2人の間に岡崎がいる形になってしまった。このあたりがまたアフガニスタンの守備の感覚の低いところでしょうね。

――別の見方をすればその2人のディフェンダーの間でボールを受けたところが岡崎の上手さとも言えるでしょう。

賀川:岡崎はボールテクニックの上手さという点で高い評価を受けていないが、ゴール前の自分の働き場ではこのところとても落ち着いて見えます。レベルが高いイングランドのプレミアリーグの優勝争いのトップにいるレスターのレギュラーとして、ゴールを決め、チームに役立つ選手となっているという自信ができているように見える。その落ち着きとともに相手の意表をつく巧みなプレーもこなしている。このゴールはまさにイングランドのトップチーム・レスターのストライカー岡崎のゴールと言えるでしょう。

――後半13分の2点目清武のゴールは長谷部-金崎のパスを金崎がダイレクトで相手DFラインの裏へ送り、清武が走り込んで左足のダイレクトシュートで決めました

賀川:パスの攻撃の妙でした。金崎がボールを浮かせてそれがDFラインの背後に落下したところに清武が走り込みました。誰もが喝采したでしょう。

――後半18分には3点目が生まれました。右サイドの酒井がドリブル突破して、ゴールラインに迫り、なお内へドリブルしてペナルティエリア内に持ち込み、中へ送ったボールがアフガニスタンの選手の足に当たってゴールへ入りました

賀川:記録はオウンゴールですが、酒井のゴールへ突進していったドリブルと意欲に対するサッカーの神様のご褒美でしょう。

――4点目は清武の左CKをニアサイドで吉田が合せたヘディングです

賀川:ハーフナーが後半27分に岡崎と交代して入っていました。このCKもやはり194センチという長身のハーフナーが加わって相手の警戒が分散されていました。もちろんニアに飛び込んだ吉田のヘッドは彼の得意の形の一つですが、ハーフナー効果のあらわれのひとつです。

――そのハーフナーは清武のクロスをヘディングで折り返し、金崎のゴール(5点目)へつなげた。ジャンプヘッドは周囲のだれよりも高くかった。日本代表に“高さ”という武器が一つ加わるかもしれない。

賀川:本田と香川という攻撃の二枚看板なしでスタート(後半に香川を投入)した新しい組み合わせも良い結果を出した。もちろんアフガニスタンの力が弱いということもあるが監督にとってもテレビ観戦者にも埼玉スタジアムに集まった48,967人のファンにもまずは満足のゆく試合だったでしょう。

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驚きと喝采 岡崎のオーバーヘッドシュート

2016/03/18(金)

――岡崎慎司がオーバーヘッドキックで見事なゴールを決めました。今シーズン7点目です。プレミアリーグ第30節の試合でした。この岡崎のゴールが唯一の得点で、彼のレスター・シティはニューカッスル・ユナイテッドに勝って首位をキープしています

賀川:レスター・シティはロンドンの北150キロにある
イングランド中部の中都市で1884年創設の古いクラブです。歴史は古いが、マンチェスター・ユナイテッドやアーセナル(ロンドン)といったプレミアリーグの優勝と争うトップチームでなく、長く下のリーグ(フットボール・チャンピオンシップ→プレミアリーグの下の2部にあたる)にいて、昨シーズン(2014-15シーズン)にプレミアに昇格して14位でした。

――それが今年、開幕から首位を走っていてイングランドでの驚きのひとつです

賀川:こういう試合をテレビで見ることのできるのはサッカー人にとっていい時代にいる証と言えるでしょう。

――私は、19位のニューカッスルが手強いのに驚きました

賀川:プレミアリーグはどのチームもレベルが高いのです。試合の展開を見るとスペインリーグのバルサのような高いテクニックを生かして見事なパス攻撃というのは多くはありませんが、激しく速く、局面での1対1、ボールの奪い合いなどは、まさにイングランドのサッカーというところでしょう。個人的に技術レベルの高いプレーヤーもいて、テレビ視聴者にもとても楽しい試合が多い。

――さて岡崎のビューティフルゴールは

賀川:前半はじめはニューカッスルが激しいプレッシングで勢いづいて押し込む形勢だったのが20分ごろからレスターもボールがつながりはじめ、岡崎が左サイドの裏に走ってゴールライン近くからクロスを上げるシーンもありました。24分06秒の岡崎のゴールはレスターの攻め込みから一旦戻して右サイドでFKをもらったことから始まります。

――右タッチラインすぐ近くゴールラインから30メートルあたりのFKを26番のマレスが左足で蹴りました

賀川:身長ではニューカッスルの方が高い選手が多いように見えました。もちろんレスター側のW・モーガン(ジャマイカ)、フート(ドイツ)といった長身センターバックがこの攻撃に参加しました。

――マレスの蹴ったボールはエリア内PKマーク当たりに飛び、ニューカッスル側がヘディングでクリアした

賀川:それをペナルティエリア左角でレスター側のカンテ(フランス)がワントラップして再びクロスを送り、右ポスト側ゴールエリア少し手前で9番のバーディがヘディングで折り返して、そのボールがゴール正面のゴールエリアいっぱいに落下した。そこに岡崎がいた。

――岡崎の近くに3人のニューカッスルの選手がいたが、岡崎はためらうことなくオーバーヘッドキックで落下するボールをダイレクトで叩いた

賀川:高めのクロスが相手DFの頭をかすって、そのまたバーディの上へ落ちたことがラッキーでしたが、そのバーディのヘディングの折り返しをシュートした岡崎の判断はすばらしい。また、オーバーヘッドキックできちんとインステップに当てているところも流石でした。

――まさにストライカー岡崎ですね

賀川:FKのボールが相手のクリアで一旦ペナルティエリアいっぱいに飛んだあと、左からカンテ(フランス)がクロスをあげるときに岡崎はそのボールに合わせて相手のマークを外す動きを見せています。

――そのボールが途中で相手DFの頭に当たって右外にいたバーディの上へ飛んだのですね

賀川:こうして言葉で書くと長い時間がかかりますが、この間はほんの何秒かのこと、そのバーディのパスとも言える折り返しのヘッドのボールの落下点へ誰よりも早く入るところ、そしてオーバーヘッドシュートをしたところに岡崎慎司のストライカーとしての非凡さがあるといえます。彼自身は一瞬の判断だったようでしょうね。

――話を聞いてもう一テレビの録画を見たくなりました

賀川:サッカーの母国、イングランドのプレミアリーグの首位を行く、レスターでのこの岡崎のゴールは日本サッカーの歴史に残るだけでなく、今シーズンのバロンドール授賞式の表彰対象のベストゴールにノミネートされるのではないかとさえ思います。

――そうですね。このあとのニューカッスルの頑張りもあってレスターは追加点を奪えず、後半の終盤にはかなり攻めこまれて危ない場面もあったから、この岡崎のゴールはプレミアリーグの優勝争いにもとても重要でしたね

賀川:レスターが首位を走るという大異変をイングランドではどのように見ているのでしょうかね。今年イタリア人のクラウディオ・ラニエリが就任したときも経験あるラニエリでも成果が上がるのを疑問視する人が多かったと聞いています。首位をキープしていても、もう落ちるだろうとみる人が多かったともいいます。

――テレビでの観戦の賀川さんは

賀川:全員の守備意識が高く、選手たちも適材適所という感じですね。その守りの強さの中に当然、岡崎の守りへの献身も入っています。2トップから相手ボールにプレスして、その攻撃を限定し、ときには高い位置で奪って守りから攻めに転じるところは見事です。このためこれまで優勝争いの常連とも言えるチェルシー、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッドやマンチェスター・シティ、あるいはトッテナムやリバプールといったチームを下に見て残り9試合でまだ首位をキープしているのですからね。

――レスターという人口30万人くらいの町は市民全体がわくわくしているでしょう

賀川:ドイツのブンデスリーガに多くの日本人が加わって私たちにも近い存在となりました。プレミアリーグの優勝を争っているチームに岡崎選手がいることでサッカーの本家への興味が大きくなりますね。

――岡崎慎司という選手という選手については?

賀川:何といっても地元の神戸・宝塚の出身ですからね。彼は滝川第二高校で黒田和生先生の教え子でした。滝二が全国優勝するようになったころの選手でした。個人的に取材したとか、話し合ったことはないがずっと気にしていました。海外に出て目立つようになり、代表のFWになりましたからね。

――神戸出身の香川真司も好きな一人ですね

賀川:真司(香川)と慎司(岡崎)の二人の「しんじ」がいます。香川はボールタッチやドリブルの上手さで少年期から目立っていて仙台のクラブを経てセレッソ大阪に加わってJリーグに出場しヨーロッパへ行きました。岡崎慎司の方は滝二で全国大会で優勝し、Jリーグの清水に入ってそこからヨーロッパへ移りました。年齢は岡崎の方が少し上です。

――岡崎を注目していたのはどの点でしょう

賀川:ひたすらゴールを目指すストライカーとしての大切な精神的な資質を持っていること、そのために相手側との接触プレーを嫌がらずに、ここと言う場面にボールめがけて飛んでいくところです。ストライカーには技術的にボールを蹴る(シュート)、ボールを止める(トラッピング)、ボールを運ぶ(ドリブル)などという基礎的な技術を狭いスペースで、あるいは、とても短い時間内に、正確に行えることが大事なのだが、相手が守ろうと予測している場所へも敢然と飛び込んでいくことも必要なのです。岡崎は滝二のころからいわば修羅場とも言うべきその場所へズカズカと入って行く強さがありました。それがダイビングヘッドの得点であったり、相手とともにつぶれたチャンスメークであったりしました。

――今でも、そういう場合を見ることができる?

賀川:先日プレミアリーグ、レスター対ニューカッスル・ユナイテッド戦でも彼の特色は出ていましたよ。

――このときのオーバーヘッドシュートでリーグの7得点目を記録しましたが、その前の6点目のゴールも相手ゴール前で高いバウンドしたボールへ彼はジャンプヘッドに行き、それが失敗となると、次にもう一度体に当てて押し込んでいます。

賀川:対ニューカッスル戦の10分までに岡崎は高いボールを相手の選手と競り合ってともに「つぶれて」攻撃のチャンスを作りました。また、相手のドリブルを追走しての防御や相手DFへのプレスでパスを抑えるなどの場面を見せてくれました。

――そういう守備プレーを重ねながらチャンスと見ると、重要な場所へ入って行くのですね

賀川:クロスが来るときには、しっかり顔を出しています。自分が裏へ走ってボールをもらい良いクロスを出したりもしています。

――ヘディングが強いと言うのも、その「飛び込み」の一つでしょう

賀川:そうでしょうね。ヘディングが強くなることは空中のボールに対して自信を持つことになるのでしょう。岡崎選手は浮いているボール(空中のボール)に対しても「競り合い」に自信を持っているのでしょう。あのオーバーヘッドキックのゴールの前にクロスに対しての彼の動きをスロービデオで見直してみるととても面白いです。

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ユース選抜フットサルトーナメントに賀川浩賞

2016/03/15(火)

ユース選抜フットサルトーナメント(主催 :一般財団法人日本フットサル連盟、共催 :特定非営利活動法人サロン2002)の得点王に「賀川浩賞」が授与されることになりました。

3月20日(日)は墨田区総合体育館で取材を行い、プレゼンターとして表彰式に参加します。

ユース選抜フットサルトーナメント2016

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